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“リユースのデジタル化”で新潟発「世界」を目指す 〜リンクチャネル株式会社 入倉孝行さんインタビュー〜

こんにちは!NINNOの広報担当です。

今回は、リンクチャネル株式会社の代表取締役社長、入倉孝行さんに、同社の取り組みや地域イノベーションへの想いについてお話を伺いました。

ハードオフグループのシステム開発を担う同社が、いかにしてデジタル時代のリユースビジネスをリードしているのか、その戦略と未来像に迫ります。

プロフィール

入倉 孝行(いりくら たかゆき)
1977年新潟県新発田市生まれ。2000年に株式会社ハードオフコーポレーションに入社し、2002年にわずか2年という早さで店長に就任。その後店頭販売から経営管理まで幅広く経験。2020年よりリンクチャネル株式会社代表取締役社長を務める。

――まず、入倉さんの経歴について詳しくお聞かせください。
私は新発田市の本丸中学校を卒業し、新発田商業高校に進学しました。実は、ハードオフ代表の山本社長とは同じ中学校の出身なんです。高校では情報処理を学んでいましたが、当時はそれを直接仕事に活かすイメージはありませんでした。2000年にハードオフコーポレーションに入社しましたが、最初は「この会社、10年でやめてもいいですか?」と聞くほどのわがままな新入社員だったんです(笑)。でも、結果的に25年もいることになりました。

入社後は店頭販売からキャリアをスタートし、2年で店長に就任しました。その後、スーパーバイザーとして加盟店オーナーの指導や経営管理も担当しました。特に印象に残っているのは、ハワイ1号店の立ち上げにメンバーとして参画した時です。山本社長自ら商品の選定から関わり、私も英語で接客をしました。約3週間ほど、3人だけでオープンまでこぎつけたんです。不慣れな英語を使ってとても疲れた記憶がありますが、達成感に溢れる貴重な経験でした。

――リンクチャネル株式会社の事業について教えてください。
リンクチャネルは、元々親会社のハードオフと取引があった会社です。レジや在庫管理のシステム、EC連携などを手がけています。現在はグループ全体のシステム開発を行っています。現在のレジシステムや在庫システムが古くなってきたので、新しくする必要があり、この作業は「リファクタリング」と呼ばれています。リファクタリングは現在動いているシステムを止めずに新しくしていかなければならないため、本当に大変な作業です。

レジの設計は2004年から導入していますが、単純な拡張ではなく、将来性を見据えた設計を心がけています。技術の進歩のスピードが早いので、いつも総力戦で取り組んでいます

――その中で入倉さんが具体的に取り組まれていることは何でしょうか?
ハードオフグループ全体で掲げる「”Re”NK CHANNEL構想」を大事にし、リアル店舗とインターネットの融合を目指し、ビッグデータを収集して、どう活用するかを考えています。AIや自動商品サービス、チャットボットによるお問い合わせ対応など、様々な技術を組み込もうとしています。

新しいサービスや技術の導入可否やその優先順位を検討しながら上手くハンドリングしていくのが、経営の鍵だと考えています。組み込めるものは組み込み、独立させるべきものは独立させる。日進月歩のシステムに置いていかれないようにするのが重要です。

私たちはPOSシステムや在庫管理システムに自信があるので、これをさらに強化し、様々な分野に展開していきたいと考えています。

――元々は店頭販売員。そこからからデジタル領域でのチャレンジを選択されたのですね。
元々、店頭に立って接客をしていた私がデジタル部門に移ったのは2019年のことです。当時、「何かやりたいことはあるか?」と親会社の山本社長に聞かれ、「色々な仕事がしたいです」と答えました。会社で良く聞く「リセット」という言葉が好きで、いいチャンスだと思ったんです。高校で情報処理を学んでいたこともあり、HTMLやPHPを独学で勉強し始めました。最初は基礎的なことから始めました。

――そして、2020年からリンクチャネルはNINNOに入居。きっかけは何だったのでしょうか?
2019年からフラーさんと仕事をしていて、彼らのオフィスがNINNOに入っていたことがきっかけです。彼らが「共創」という言葉をよく使っていたので、NINNOに入れば自分たちも様々なコミュニケーションが取れる、と考えたからです。

また、NINNOは、セキュリティがしっかりしているので、人数が少なくても、女性でも安全に仕事ができるのがメリットです。駅直結で施設が新しいというのも魅力的でした。実は、オフィス環境が採用にも影響すると考えたんです。実際、面接に来た人たちはみんな驚いていましたね。「こんなおしゃれなオフィスで働けるの?」という反応をよく見ました。特に若い世代にとっては、働く環境も重要な要素だと実感しています。

――NINNOに入居している企業との共創事例や企業同士で受ける影響や学びはどんなものがありますか?
BSNアイネットさんやイードアさんなど、様々な企業とのつながりができました。例えば、イードアさんとの繋がりでベトナム人のエンジニアを2名採用することができました。

また、ビルオーナーの木山さんが主催する「ワイン会」や、NINNOメンバーが企画・運営する「ご飯会」には毎回様々な方が参加しています。テナント同士のコミュニケーションが活発ですね。これらのイベントを通じて、普段は接点のない企業の方々と交流できるのが大きな魅力です。私自身、NINNOに入居してから、新潟日報の地域欄を見るようになりました。マクロな視点だけでなく、ミクロな視点も持てるようになったんです。

さらに、フラーさんとはこの夏のインターンでご一緒する機会もありました。私たちの経験やノウハウを共有することで、互いに学び合える関係を築いています。

フラー株式会社のインターンシップをサポートする入倉さん

――今後、新潟にどんなイノベーションを起こしていきたいですか?
新潟にフォーカスするというよりは、ハードオフグループのビジネスを新潟発の世界的なサービスとして展開していきたいですね。ハードオフに提携したサービスを新潟や他の地域にどう横展開できるかを考えています。NINNOを通じて他企業とコラボレーションし、新しいチャンスを広げていきたいと思っています。

新潟には、程よい距離感があると感じています。東京やアメリカといった都市圏のように距離感があるわけではなく、それでいて距離感が近すぎるわけでもなく、ちょうど良いバランスがあります。こちらから近寄るスタンスを見せれば、向こうも寄ってきてくれる。この心地よさを活かしながら、ビジネスを展開していきたいですね。

――グループ全体を通して伝えたいこと、今後の展望を教えてください。
リユースビジネスにおいて、お客様からの買い取りは生命線です。私たちにとって、お客様から買い取ることは、仕事をもらえることと同じ感覚なんです。「いらなくなったら、ハードオフ」と思い出していただけるよう、弊社はアプリ・システムを用いたDX化という側面で、お客様のリユースをサポートいたします。私たちは長年インハウスで仕事をしてきましたが、これからは他の企業とも積極的に交流していきたいと考えています。個人情報や商品管理の方法なども含めて、私たちのノウハウを共有し、みんなで盛り上がっていければと思っています。興味のある方は、ぜひ一緒に新しい可能性を探っていきましょう



今回の対話を通じ、新潟から世界に向けて飛躍しようとするリンクチャネルの姿勢に、地方発イノベーションの可能性を強く感じました。店頭販売の経験を活かしつつ、最新のデジタル技術を駆使してリユースビジネスの未来を切り開く。その挑戦の背景には、NINNOという共創の場がありました。

今後もNINNOのようなビジネス・学びの交流の場から生まれる、革新的なアイデアやイノベーションに大きな期待が高まります。新潟から世界を変える。その大きな一歩から、私たちも目が離せません。



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