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カットバン少年

彼との出会いは高校生のときだった。

高校2年生になって、掃除場所が変わり
私の掃除場所は"音楽室"になった。

掃除中に友達とふざけながら窓の外を見ると
カットバン(絆創膏・バンドエイド)を
おでこに貼った少年が目に入った。

当時、少女漫画ばかり読んでいた私は
なんだかその少年が漫画の主人公に見えて
日が経つごとに気になり始めた。

後日友達たちを通じてその少年の連絡先を
ゲットすることに成功した。
カットバン少年は、1つ年下の高校1年生。

当時年下の男の子に好意を抱いた経験が
なかったので、どうアプローチするか迷った。
今でいう"ガラケー世代"だったので
とにかく毎日メールを送った。

"新着メール問い合わせ"を押して
携帯を上に上げて横に振るという
全く意味もない行動を何度もくり返す。

内容を詳しくは覚えていないけど
返信がすごく冷たかったのだけ覚えている。

校内で話すことはほとんどなかったけど
掃除の時間に手を振ったり
廊下ですれ違う瞬間、ドキドキした。

今思えば、自分のことながら羨ましい。
これこそがまさに"青春"。

メールで何度も気持ちを伝えるも
少年からは「今は無理」の一点張り。
後々分かったのが、この時彼には彼女が居た。

それならそう言ってくれよと思ったものの、
そんなの関係ねぇ精神だった私は
その後も押しに押しまくり
計20回以上も告白を繰り返し
ストーカー並みの粘着質な行動をとった。

そして、その甲斐ありなのか
カットバン少年とお付き合いすることができた。

しかし、当時恋に恋をしていた私は
やっと手に入れた幸せを何度も何度も
自分から手放す行動を繰り広げる。

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