【Pauper】第8期パウパー神挑戦者決定戦に向けたデッキ調整【エルフ】
はじめまして、認知の歪みと申します。
普段は東京、埼玉でパウパーをやっています。
さて、今回は去る2024年9月28日に晴れる屋TC東京さんで行われた、第8期パウパー神挑戦者決定戦に向けたデッキの調整について書こうと思います。
大会当日の結果としては残念なものになってしまったのですが、今回のデッキ調整の経緯やメタ読みの誤りなどの反省点を未来の自分が読み返せるようにとの思いで筆をとることにしました。
デッキ選択
今回はエルフデッキを選択しました。
エルフデッキを選択した理由としては、他のデッキよりも自分が相対的に扱いに慣れていることや、ゲームに費やす時間が短いことから負担が少なく神挑戦者決定戦のような多くのラウンドを戦う大会には向いていると考えたからです。
他の候補としては
青白ファミリア
カウゲート
サイクリングストーム
があったのですが、デッキに対する習熟度や安定性、高いシェアが見込まれるマッチとの相性の面から今回は使用を見送ることにしました。
現環境のパウパーのエルフデッキについて
これまでのパウパーのエルフデッキについての説明は、偉大なる先人達が残した以下の記事に解説をゆだねるとしましょう。
さて、以上の記事が書かれた後にもエルフデッキは様々なプレイヤーによって調整され、いくつかのタイプに派生しています。このうち現環境で代表的ものは以下のふたつに分けられます。
従来通り遠くの旋律を入れたリソース獲得能力、横の展開に優れたタイプ
遠くの旋律を抜き、暴走の先導を減らして復讐する狩人やニクス生まれのハイドラなどを採用した緑単ストンピィに近いタイプ
(こちらは個人的主観にもとづく分類なので異論はいくらでも認めます…)
現環境のパウパーはカルドーサレッドやグリザードなどと対すると、暴走の先導や遠くの旋律はその役目を果たす前にゲームが決してしまうことが多々あります。
2番のタイプでは暴走の先導や遠くの旋律を打つ代わりに巨森の蔦で虎の子のクリーチャーを守り、ニクス生まれのハイドラ授与や復讐する狩人で素早くゲームを終わらせることができます。今回はこの点を重く見て2番のタイプのエルフを使うことにしました。
全体除去対策
エルフデッキは小型のクリーチャーを数多く採用する都合上、クラーク族のシャーマンやブレス攻撃、などの全体除去を弱点としています。
今回のパウパー神挑戦者決定戦でカルドーサレッドを使うプレイヤーはかなりの数を占めると予想しました。またカルドーサレッドに有効なブレス攻撃などのサイドカードも増えると考えました。
カルドーサレッドへの対策の煽りを受けてエルフの村が焼かれることは日常茶飯事、これはエルフ村の宿命なのです。
そのためブレス攻撃に耐えうるクリーチャーとしてこのカードに目を付けました。裂け目を蒔く者です。
ラノワールエルフ系はタフネスが1のため、ブレス攻撃で流れてしまいます。対してこちらはブレス攻撃に代表する全体タフネス2以下除去を耐えることができます。さらに、高いタフネスを持つことからカルドーサレッドに対するブロッカーになることができます。
このチューンを加えた以下のリストを使って、MOリーグで5-0を含む数回の4-1と悪くない戦績を残すことができました。
https://www.mtggoldfish.com/deck/6618057#paper
今回はこのリストをもとにパウパー神挑戦者決定戦のための調整を進めることにしました。
調整
主に取り掛かったのは対カルドーサレッドとの相性の改善です。前述のチューンを施してもカルドーサレッドとの相性は良くないままだったので重点的に取り組みました。
気前の良いエントの増量
カルドーサレッドとのマッチにおいて、マナクリーチャーが焼かれることでマナが足りなくなり、ゲームが続けられずに負けるという場面がいくつかありました。
そこで、除去されないラノワールのエルフとして気前の良いエントの数を増やしました。マナクリーチャーの代わりに土地を置くことで確実にマナを確保することができます。
ブラッドバーンの飛行クロックや、テラーやマイアの処罰者へのブロッカーになる点も良いと思います。
また、気前の良いエントと相性の良いカードとしてお菓子の小屋を採用しました。生成した食物でライフ回復をすることができ、基本土地タイプ森を持つのでエントからサーチをすることができます。
カルドーサレッドとのマッチが上手く進んだ場合、土地が複数並ぶことが多いため、お菓子の小屋で食物を生成することができます。
また、お菓子の小屋は基本土地タイプ森を持っているため、クウィリーオンレインジャーの効果のコストでお菓子の小屋を手札に戻し、セットすることを繰り返すことで毎ターンライフを回復することができます。
エルフの先兵の不採用
結果的にこの変更がデッキの完成度を大きく下げることになってしまいました。
遠くの旋律や暴走の先導の不採用によってエルフの先兵の能力の誘発機会が減りました。そのため、代わりにカルドーサレッドや親和に有効な仮面の蛮人と、カルドーサレッド含む多くのビートダウンに有効な幸運を祈る者を2枚ずつメインに採用しました。
真紅の見習い僧の採用
カルドーサレッドに対して、単体で処理されないブロッカー、除去対策として使える真紅の見習い僧を採用しました。
青霊破や神聖も考えたのですが、紆余曲折から拾うことができるクリーチャーであることを買って真紅の見習い僧を採用しました。裂け目を蒔く者を採用しているので通常の構築よりは色を出しやすいのも採用を後押ししました。
当日のデッキリスト
大会当日のリストは以下の通りです。お菓子の小屋の採用にかけて、『東京おかしエルフ』と名付けました。
パウパー神挑戦者決定戦当日の戦績
3-3-1と不甲斐ない成績に終わってしまいました。
課題としていたブレス攻撃も真っ当に効いてしまったのが悲しポイントです。
R1 グリクシス親和 〇〇
R2 グリクシス親和 ××
R3 ブラッドバーン 〇〇
R4 ボーグル ××
R5 エルフ ×〇-
R6 フリードコンボ 〇〇
R7 グルールイニシアチブ 〇××
以下、各試合ごとの雑感です。
R1 グリクシス親和 〇〇
G1 復讐する狩人着地後にクラーク族のシャーマンで場を流されイニシアチブの取り合いになるが何とか勝ち
G2 相手の土地事故などあり勝ち
R2 グリクシス親和 ××
G1G2共にクラーク族のシャーマンで身動き取れないまま負け。クラーク族のシャーマンを意識しすぎて仕掛けのタイミングが遅れてしまった気がする。
R3 ブラッドバーン 〇〇
G1 幸運を祈る者が2枚定着して勝ち
G2 幸運を祈る者と真紅の見習い僧が定着して勝ち
R4 ボーグル ××
G1 特に何も出来ず負け。マリガンがゆるかったと思う
G2 騎手が定着して負け
R5 エルフ ×〇-
G1 僧侶と森林守りとクウィリーオンを揃えられて負け
G2 互いに僧侶と森林守りとクウィリーオンが出るが幸運を祈る者出せたのと森林守りの枚数が多くて勝ち
G3 互いに連合儀仗兵と幸運を祈る者が出て引き分け
R6 フリードコンボ 〇〇
G1G2共に復讐する狩人が早期着地して勝ち
R7 グルールイニシアチブ 〇××
G1 なんとか統治者取り返して勝ち(あやふや)
G2G3 ブレス攻撃に焼かれて負け
反省点
今回の反省点は以下の二つになると思います。
そもそものメタ読みを誤ってしまったこと
特定のデッキに対して過剰に対策を施してデッキパワーを下げてしまったこと
そもそものメタ読みを誤ってしまったこと
カルドーサレッドやグルールランプや青単テラー、ジャンドグリザードとのマッチアップを想定していたのですが結果当たりませんでした。
MOリーグのメタゲームとは異なり多種多様なデッキが存在していたと思います。特にパウパー神挑戦者決定戦はこの点が顕著、ということは分かっていたつもりなんですが見えない敵相手に素振りを繰り返してしまいました。
紙とMOリーグのメタは違うということを肝に命じなければいけません。
特定のデッキに対して過剰に対策を施してデッキパワーを下げてしまったこと
個人的にはメタ読みを間違えてしまった、という話よりもこちらの方が大事だったかなと思います。サイドボードによってデッキパワーを下げてしまうことはよくある話なのですが、今回はこれをデッキ構築の時点でやってしまったことになります。それは勝てないね。
具体的には調整段階のエルフの先兵と暴走する先導のカットによって、マリガンが厳しい割にブン回りが存在しない構造を持った悲しいデッキが生まれてしまったと考えています。
おわりに
早いことでパウパー神挑戦者決定戦ももう3回目の参加になりました。前々回エルフ、前回青白ファミリアと毎回大好きなデッキを握れているので成績こそ不甲斐ないですが不思議と後悔の気持ちは大きくありません。でもそろそろ勝ちたいな
パウパー神挑戦者決定戦は毎回お祭りみたいでみんな楽しそうにやってるのが良いところだなと自分は感じます。パウパーの大会を開いてくれるお店やパウパーしてくれるみんなのおかげでこのお祭りが続いていることを忘れないようにしないといけませんね。
みなさん次のお祭りで会いましょう。では。