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夫の実家の台所
父の日は夫の実家へ行ってきました。
みんなでダイニングで話して、ひと段落ついたころ。
義母が夕飯の支度に入るのを見計らって、わたしも一緒にお手伝いします。
「最近この食材生協で買ったのよ。これが新鮮でおいしくてね・・・」
「きのこのマリネつくったんだけど、うちのお父さんあんまり食べなくて・・」
なんていう、たわいもない話をしながら台所に立つ時間。
とてもしあわせに感じます。
結婚してまもないころ。
毎日の食事をどのようにつくったらよいかがわかりませんでした。
わたしの父親が仕出し料理人だったので、出汁のひき方、食材のおいしい切り方は、近くで見せてよく教えてもらいましたが、
毎日の食事となると、何をどうしたらよいかがまったくわからない。
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結婚前は1年間一人暮らしをしていましたが、一人だとのらりくらりの料理でもなんとかなるものでした。
ですがいざ2人暮らしとなればなるべくなら手作りの料理をきちんとだしてあげたい。
でも毎日凝ったものなど、会社勤めをしていたらなかなかできない。
どこを節約して、どこを時短して。
日々の食事のリズムや温度感というものがまったくわかりませんでした。
そんな時、夫の実家が近かったので、よくお邪魔しては台所で手順を見させてもらいました。
毎日の食事の基本は、「ごはん、みそ汁、おかず3つ」
みそ汁は出汁パックを使っても十分おいしい。
一品凝ったものをつくったら、他2品くらいは冷奴やきゅうりのたたきなど簡単なものをつくっても見栄えする。
手早く、気軽に、ちゃちゃっと、そして健康的に。
こうやって毎日回していけばいいんだなあという、
一回基本が自分の中にできると、いろんな応用ができるもの。
義母の手順を見て、家庭料理のたのしさを知りました。
義母と台所に立っていると、ふとした昔話を教えてくれることも多々。
込み入った話も台所だとなぜか気軽にできてしまうもの。
この台所の雰囲気は1年2年そこらではだせません。
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すべてが整備されていて、足りないものがないような。
ほしいときにほしいものが簡単に手に届く台所。
義母が長年つくりあげてきたこその雰囲気。
家族のやさしさやあたたかさを感じさせてくれる場所。
これまでこの台所は、たくさんの家族の思い出をみつめてきたんだなと思うと、感慨深く。
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そしてまるで幼少期の夫に出会えたような気持ちになります。
帰りの車の中でしんみりとそんなことを夫に伝えたところ。
「感慨深いところ申し訳ないけれど、、。
改装しているため、実家は自分が高校生のときからです・・・・。」
とのこと。
思わず目が覚めた帰路でした^^:
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