日記 2024.10.29(火) 気のむくままに旅をする。
7時ごろ起きる。昨日はなぜか夜更かしして24時に布団に入った。掛け布団がひんやりして冷たかったけれど、毛布にくるまっている間にいつのまにかあたたかくなってすぐに眠れたようだ。朝は冷えたが布団の中はしっかりあたたかさがあった。
起きて台所へ行くとお母さんは朝の散歩へ出掛けている。お父さんはお出かけに着て行く服を選び中。あのズボンはどこにやったっけと探し回っていた。お化粧をして髪型を整えて着替えたわたしは朝ごはんの支度をする。
台所に置いておいた柿たち、今朝みるとほぼ全部カビが生えてしまっていた。白いカビ、青いカビ、黒いものもある。なんということだ。お父さん、お母さんにも報告、二人ともわたし以上にがっかりしている。
朝ごはんは軽めに食べる。だめになった柿を見ながら原因を探る。お父さんはあたたかい台所へ持ってきたことが一番の原因だと思うと言っていた。毎年柿仕事をしているお父さんに全部任せておけばよかった。わたしが心配し過ぎて手をかけ過ぎた結果なのだと思った。隣で話を聞いていたお母さんは、黙って何も言わなかった。
カビが生えたものをずっとここに置いておかないほうがいいということで朝ごはんのあと、吊るしておいた紐から柿を外し、コンポストへと持って行った。山のように積み重なる干し柿たち。お父さんはもうわたしを責めずに柿を紐から取り外す作業を手伝ってくれた。
9時過ぎに出発。干し柿のことをやっていたからどこへ行こうかという話がほとんどできないままに出発した。
車で走り始めたところでわたしの頭の中にあるプランを話す。お豆腐屋さんでお昼ご飯を食べてコーヒーを飲んで帰ったらどうかと提案した。しかしそれだと早めに目的地に到着してしまう。じゃあどうするか、お父さんがみんなで今度行ってみようとしているお風呂屋さんへの道を確かめておこうと提案してくれた。お風呂屋さんへ行くことはお父さんはあんまり気乗りしていない感じだったのに気が変わったのだろうか。お母さんと顔を見合わせよし行ってみようと同調する。
お風呂屋さんへの道は思っていた以上に走りやすくわたしでも運転できそうな道だった。しかも実家から40分の場所で結構近いということが分かり嬉しい。近くに道の駅を見つけて寄ってみることにした。
実家の県内、北西部へはあまり出掛けたことがないので新鮮。お土産コーナーも見たことのないものばかりで目移りした。お母さんはすぐさま自分の好きなものを選んで手につかんでいく。酒饅頭、旅のおやつにドーナツ、半額で売られていた豆腐と厚揚げ、キムチ、柿酢を買ってくれた。
隣の野菜館へ移動し見て回る。こちらは産直市場のような、スーパーのような場所になっていて日用品やお菓子などもおかれていた。周りにスーパーがなさそうなこの地域では地元の方も買いにくるような場所になっているのかもしれない。お米を見ながらお父さんとお母さんが高いねと話していた。わたしはすだちとネギを買った。
今度は東に向かう。お昼ちょうど、行きたかったお豆腐屋さんへ着いた。お豆腐料理ばかりの定食が人気。行列ができていてわたしたちは4番目だった。
ちょうどいい具合にお腹がへった頃席へ。お父さんとお母さんは週替わり、わたしはスペシャルな定食を注文する。湯葉にお揚げにおからにお豆腐に、たっぷりのおかずでお腹いっぱいになった。
お豆腐屋さんでふと見たポスターをきっかけに近くの美術館へダンボールの企画展を観に行くことにした。駐車場には車もなく、曇りで暗いので休みかと思ったら営業されていたので入ってみる。ダンボールで作った昆虫や車が展示されていてお父さんが大はしゃぎ。貸切り状態だったので子ども用の段ボール迷路にも入らせてもらうことができた。お母さんとはしゃぎながら段ボールの迷路を迷いながら進んでいく。床にもびっしりと段ボールが敷き詰められていて適度に狭くあたたかい。子どものようにわくわくとした。手作りのパターゴルフやダンボールハウス、木馬などとにかく何もかもダンボールでできたものだらけですごく楽しかった。
お目当てのコーヒー屋さんは定休日。もう一ヶ所いってみたかったところへ行って休憩する。
最後に分厚い靴下を買いたくて隣町の洋服と雑貨のお店へ行ってみたいとお父さんに提案する。予定にない動きを嫌がるお父さんのはずが行ってみようと言ってくれた。お母さんの大好きな店。閉店間際だったけれどお母さんはじっと自分の欲しいものを探し、ニットのベスト、靴下を4枚買った。わたしにも靴下を買ってくれた。
気の向くままにその場その場で判断しながら動くことの楽しさを存分に感じた一日だった。イレギュラーな動きにも柔軟に対応しながら自然に三人で協力し合うことができた。お父さんとお母さん、わたしの三人チームの力もこれまでよりももう一段階良くなってきた気がする。
予定はきっちり決めないほうがほんとうに自分が求めていることやものにたどり着ける時がある。行き当たりばったり、思いつきで動くことは普段の生活の練習にもなると思った。
チーム力が上がってきたら今度は自分のしたいことに気持ちが向いてきた。
柿酢を作ってみる、ダンボールを樹皮にみたてて入れ物を作る、お父さんのセーターの穴を縫う、お母さんの洋服のボタンを付ける、靴下の毛玉を取る、アケビのカゴを編む。やりたいことが具体的にどんどんと立ち上がっている。