【全部違法】シャニマス楽曲リーガルチェック【こじつけ】

2024年12月3日 00:44

※この記事はジョークです。全部こじつけです。あと法学にわかの学生の見解なのでおかしいところが多々あるかもしれませんが優しく見守ってください。

皆さんは弁護士芸人のこたけ正義感さんをご存知でしょうか？
弁護士かつ芸人というすごい肩書きをお持ちの方で、弁護士ならではのネタや面白動画を数多く披露しておられます。

その中でも特に私が好きなのが「リーガルチェック」。有名なアーティストの歌詞に対して法的な観点から違法性（？）を指摘したり、お笑い賞レースがあるたびに全組のネタの適法性（？）をチェックしたりしておられます。

めちゃくちゃ面白いのでぜひ見てみてください。

今回はそんなこたけ正義感さんをリスペクトして、僭越ながらシャニマス楽曲の歌詞をリーガルチェックしていこうと思います。

最初にも書きましたが全部こじつけのジョークです。全部笑って聞き流してください。

ハピリリ / アルストロメリア

花ざかり、私達の幸福論

ポップでハッピーな3人組アイドルユニット。アルストロメリアの花言葉「未来への憧れ」を胸に抱き、今日もシアワセなパフォーマンスで会場に笑顔を咲かせます！

シャニマス公式ホームページより

アルストロメリアは上記のコンセプト通り、極めて平和でほのぼのとしたユニットなので、法に抵触しそうな曲がなかなか見つかりませんでしたが、なんと違法性のある歌詞を見つけてしまいました。

上手にちょっとぶつかって

どさくさぶってふれあって

両手をぎゅっと握れば

急接近じゃん

『ハピリリ』より

ハピリリのこの部分は、暴行罪（刑法208条）にあたる可能性があります。

（暴行）
第二百八条　暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑法

ここでいう「暴行」とは通常、「人の身体に対する不法な有形力の行使」と解されています。
これだけだとなんのこっちゃ分からないと思うのですが、かなりざっくり言えば「他人の身体に向かって物理的に危ないことをしたらアウト」くらいの認識で大丈夫です。

そして法律に詳しくない方が誤解しがちなポイントが、「暴行を受けた人が怪我などをしてなくても、物理的に危ないことをした時点でアウト」という点です。
たまに知り合いから「叩かれたり胸ぐら掴まれたりしたけど別に怪我はしてないみたいな場合でも犯罪として訴えられるのかな？」みたいな質問をされることがあるのですが、暴行罪は挙動犯といって、怪我などの傷害結果が発生していなくても、危ない行為をした時点で犯罪が成立します。怪我をした場合は傷害罪（刑法204条）というより重い犯罪になります。
これは自分の身を守るために役立つ知識なのでぜひ皆さん覚えておいてください。

「上手にちょっとぶつかって」は上手だろうがなんだろうが、わざとぶつかっている時点で物理的に危ないので、たとえ相手が転んだりしていなくても暴行にあたります。
なんならその後の「両手をぎゅっと握れば」もその態様によっては暴行にあたる可能性があります。

いくら意中の相手を射止めたくても、ハピリリの歌詞の真似をして危険な行為に及ばないよう注意してください。

結論：アルストロメリア、有罪

以後ずっとこのノリでこじつけていきますのでよろしくお願いします。

今しかない瞬間を / ノクチル

~~有印私文書偽造・同行使罪の疑いがあることで有名な~~福丸小糸さんが所属するユニット、ノクチル。こちらも透明感あふれるユニットで、いたって健全な青春ソングばかりなのですが、一つだけ適法性が疑わしい楽曲を見つけました。

今日もまた並んで歩く

帰り道の途中で見つけた紙飛行機

僕らを重ねるように

飛ばしたんだ空へと高く遠く

『今しかない瞬間を』より

このように道に落ちている物を勝手に使用する行為は、遺失物横領罪（刑法254条）にあたる可能性があります。

（遺失物等横領）
第二百五十四条　遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

刑法

もちろんですが、通常は道端に落ちている紙飛行機は財産的価値のないただの紙ごみであり、こうしたごみを勝手に拾っても遺失物横領にはなりません。
しかし、一部では、性能や審美性に特化した、一つの「作品」とも言うべき紙飛行機も存在します。日本紙飛行機協会という団体もあって、全日本紙飛行機選手権大会も開かれているそうです。
仮にノクチルが拾った紙飛行機がそのようなすごい性能の紙飛行機、あるいは芸術作品として作られた紙飛行機だった場合、遺失物横領の対象となりうるでしょう。
わざわざ「僕らを重ねるように」と言っているので、少なくとも「僕らを重ね」られるくらいには美しかったのだろうと考えられます。

ただし、仮にそのように財産的価値のある物を拾った場合でも、拾った人に「不法領得の意思」がない場合には、遺失物横領にはなりません。不法領得の意思とは、平たく言えば、「手に入れた物を自分の物として一般的な用法で利用したり処分したりする意思」のことです。
なのでたとえば、拾った財布を警察に届けるために一時的に所持するような場合は、当然ですが自分の物にしようという意思はないため、不法領得の意思がないということになります。
ここではノクチルはただ紙飛行機を飛ばしただけなので、不法領得の意思はないかもしれません。しかし、飛ばした紙飛行機を再び拾いに行って、その後も引き続き持ち続けていたり、何度も飛ばして遊んだりしていたら、疑わしいです。

結論：ノクチル、場合によっては有罪

Forward March！！！ / イルミネーションスターズ

イルミネはさすがに合法かと思いましたが、一つだけ気になる曲を見つけてしまいました。

全員が主役のパレードしよう

鼓笛隊のリズムで

マークタイムマーチ

ドラムメジャー

バトンを突き上げて

さぁ前へ進め

『Forward March！！！』より

この部分に限らず、この曲全体が、東京都集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例（いわゆる東京都公安条例）に引っかかる可能性があります。

この条例では、公共の場所で集団での行進などを行う場合には、事前に公安委員会に申請をして許可をもらわなければならないことになっています。
イルミネが率いるパレードが無許可で行われた場合は、違法となってしまいます。

結論：イルミネーションスターズ、無許可ならアウト

とある英雄たちの物語 / アンティーカ

アンティーカはダークで妖しいコンセプトの曲が多いので、全体的にイリーガル感があるのですが、その中でも特に物騒なものをピックアップします。

やがて君の剣

僕の心臓貫くとき

君が叫んだ

「こんなのは違う！」と... ah

『とある英雄たちの物語』より

これはさすがに殺人未遂罪（刑法203条、199条）です。
~~そもそも現代日本じゃないとかそれ以前に戦争してるとかのツッコミはやめてください~~

しかし、ここで一つ考慮しなければならないポイントがあります。
続きの歌詞を見てみましょう。

傷ついた手を取り

「新しい在り方を宣誓しよう」

さあ皆で

Swear いつだって話そう

Swear 結び直す友誼

Swear 未来を作ろう

今、剣に懸けて

『とある英雄たちの物語』より

そう、前の部分でも「こんなのは違う！」と叫んでいた「君」ですが、この悲劇的な状況を打破するため、戦いの相手と手を取り合うことを決意しているのです。

このように、自らの意思で犯罪を中止した場合、中止犯として必ず刑が減軽または免除されます（刑法43条但し書き）。

（未遂減免）
第四十三条　犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

刑法

ただし、ここでは既に相手の心臓を剣で貫いてしまっています。このように、このまま放置すれば相手が死亡してしまうという場合には、相手が死亡しないために積極的なアクションをとらなければ、「犯罪を中止した」ものと認められません。
この場合は直ちに救急車を呼んだうえで周囲に助けを求め、できる範囲での応急処置をするなどの行為が必要でしょう。
~~この時代に救急車はないだろというツッコミはやめてください~~

結論：アンティーカ、有罪（ただし、刑が減軽または免除される）

Forbidden Paradise / シーズ

シーズはその曲の歌詞の大部分がかっこいい英語なので、もう全然合法です。
ですが一つ、違法というわけではないのですが、とある法理論を示唆していると思しき楽曲を見つけたので紹介します。

理想郷じゃないのかなんて勘違い

知りたいけど近づけない

危険性を秘めた果実がそう

(I never touch)

溢れてるわ

Forbidden Paradise

I will move on

(That's forbidden)

『Forbidden Paradise』より

この歌詞は、刑事訴訟法における「毒樹の果実論」を示唆しているものと思われます。

そもそも刑事訴訟法とはどういう法律かというと、刑事手続（警察等による捜査や、被疑者・被告人の身体拘束、その後の裁判など）のやり方について定めた法律です。
毒樹の果実論はこの刑事訴訟法の解釈において登場する概念なのですが、毒樹の果実論についてちゃんと説明するとめちゃくちゃ長くなってしまうので、ここではめちゃくちゃ端折って説明します。

まず前提として、この刑事訴訟法に違反してヤバい方法で集められた証拠は、裁判で証拠として使えないという原則（違法収集証拠排除法則）があります。アカン方法で収集されたアカン証拠を裁判で使えるとなると、結局、警察や検察がやりたい放題になってしまうからです。
そして、そのようなアカン証拠（＝毒樹）から派生して得られた証拠（＝毒樹の果実）もまた、裁判で証拠として使えることにしてはいけないはずだ、というのが「毒樹の果実論」です。

そして、この曲で示唆されているのは毒樹の果実論だけではありません。

誘惑で舞う世界

全てが So delicious?

No that's dangerous!

胸の中も騙す Mirage

Oh 大事なものなら

確かめるのよこの目で yeah

『Forbidden Paradise』より

これは、同じく刑事訴訟法上の概念である、「自白法則」（憲法38条２項、刑事訴訟法319条１項）や「補強法則」（憲法38条３項、刑事訴訟法319条２項）を示唆した歌詞ではないでしょうか。

第三百十九条　強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
②被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
（以下略）

刑事訴訟法

まず自白法則とは、被疑者・被告人が任意にした（誰かに強制されることなく、自らの意思でした）とはいえない自白を証拠にできないという決まりです。

これだけだと上記の歌詞と何の関わりがあるか分からないでしょう。大事なのは、この自白法則の根拠です。

自白、つまり自分の犯罪事実について認める供述は、その人物を有罪であると判断するうえで非常に大きな材料となるため、「証拠の王様」とも呼ばれます。その人物を有罪にしたい警察や検察にとっては、なんとしてでも手に入れたくなってしまうでしょう。

ではなぜこんな自白法則という決まりがあるのかというと、（諸説あるのですが、）自らが罪に問われているという状況で、誰かに強制されてした自白は、偽りであるおそれが大きいからです。想像してみてください。取調室に長時間閉じ込められて、「いい加減罪を認めろ！」と怒鳴られ、本当はやってなくてもここから解放されたい一心で「私がやりました」と言ってしまう人のことを。この発言を証拠として採用すれば、当然、真犯人の発見から遠のいてしまうことになります。
また、そもそも被疑者・被告人には黙秘権をはじめとした重要な人権があります。誰かに強制されて自白をしてしまった場合、その人権が侵害されていることになります。このような人権侵害が横行することを防ぐため、任意性のない自白は証拠として使えないことにしているのです。

そして、仮に任意にされた自白であっても、その自白一つで有罪にできるとしたら、やはり警察や検察は自白を手に入れることに必死になってしまい、客観的に信用できる証拠を他に集めようとしなくなってしまうかもしれません。
そのため、自白法則と同様の理由で、「有罪にするためには自白以外にも証拠が必要」というルールが定められています。それが補強法則です。

つまり、自白という「誘惑」は、警察・検察にとって「So delicious」なのですが、それに安易に頼るのは「dangerous」であり、時には偽りを含む「胸の中も騙すMirage」なのです。だから、「大事なものなら　確かめるのよこの目で」、つまり、自白だけではなく、警察や検察が自らの手で集めた証拠で、真実を確かめなければいけない。

破れないこのルールだけは

(Never break)

(Ya ya ya ya)

私が定めた Borderline

『Forbidden Paradise』より

刑事訴訟法は、国民の人権を守るうえで非常に大切な法律です。
シーズは、この曲を通じて、刑事訴訟法を守ることの大切さを訴えたかったのかもしれませんね……

結論：刑事訴訟法、すばらシーズ✌

学祭革命夜明け前 / 放課後クライマックスガールズ

正義のヒーロー、小宮果穂さんがセンターとして活躍する放クラが、正義に反する行為をするわけがありませんよね。一応、チェックしていきましょう。

そうだそうだ

跳べ跳べ跳べ跳べ Yeah

革命だ

『学祭革命夜明け前』より

内乱罪（刑法77条）です。

（内乱）
第七十七条　国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
一　首謀者は、死刑又は無期禁錮に処する。
二　謀議に参与し、又は群衆を指揮した者は無期又は三年以上の禁錮に処し、その他諸般の職務に従事した者は一年以上十年以下の禁錮に処する。
三　付和随行し、その他単に暴動に参加した者は、三年以下の禁錮に処する。
２　前項の罪の未遂は、罰する。ただし、同項第三号に規定する者については、この限りでない。

刑法

内乱罪は、なんと首謀者は死刑か無期禁錮しかない超重罪です。国家を転覆しようとしたので当然です。

なんてことだ……このままだと放クラが大ピンチだ……

でも大丈夫！！！！！！！！！

なんとこの内乱罪、絶対に無罪にできる方法が一つだけあります。

それは、革命を成功させることです。

なぜなら、革命が成功すれば新たな国家が成立し、もはや自分たちを処罰する存在がいなくなるからです。

頑張れ、放クラ！！！！！！

「す゛ご゛い゛で゛す゛ー゛ー゛‼️‼️」
駒場キャンパスに「駒場祭」を彩る小宮果穂さんの立て看が登場⁉️
「⭕️（マル）」をギュッとつけたカレンダーの日に起こる出来事とは一体……？👻🎆🏮 pic.twitter.com/yYYKxCHP7I
— 東大立て看同好会【C105/東/X54b】 (@tatekan_UT) November 15, 2024