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2022年12月下旬、最初の異変。そして出血。
2022年12月27日
ちょっとオシッコの回数が多い。頻尿。
トイレまで間に合わないことも出てきて。
妊娠したのかな、だからそういうこともある?
2022年12月28日
オシッコ頻度が増える。
地面に吸い込まれる前に見ると、泡のようなものを確認。
子ヤギ時代からずっと、夜は家に入れていて、夜だけ家ヤギ。
いつもならトイレで済ませる排泄が、間に合わない。
廊下でずっとオシッコが止まらない。
異常事態。
しばらくお掃除しながら観察…。
そして21:00、
最初の出血を確認。
イチゴジュースのような血尿。
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背中を丸めてそのままいきむ。
オシッコは出ない…、いきむので便はポロポロ…、
そして血液混じりの尿がポタポタ落ちる…痛々しい。
この、背中を丸めてオシッコが出ないのにいきむことを「怒責」というらしい。
書籍「ヤギの診療」によると、
「膀胱炎のヤギさんがそういうポーズをとる」と。
背中を丸めるのは、痛みのポーズらしい。
(膀胱炎?オシッコ我慢するタイプじゃないのに?なぜ?)
緊急で部屋一面に敷いたシートや布が、赤く染まり、明け方、小指の爪ほどの、何か皮膚のかけらのような、赤い塊が出て。(これが流産だったかどうかは、ずっとわからない)
そう…、一晩中怒責は続いた。
非常に寒い中、一緒に毛布にくるまって、
一晩中背中をさすって過ごす。
2022年12月29日
年末だったが、早朝、家畜診療所へ電話を入れる。
ヤギは牛科で、犬猫病院の先生には未知の生物。
病気の相談は、家畜診療所へ。
反芻動物…4つの胃袋をもつ動物…の知識のある先生にお願いすることになる。
家畜診療所は、365日24時間、緊急事態に対応するので、何かあったら電話くださいねと、秋のイベルメクチン処方の時に言ってもらっていたので、本当にありがたく。電話をかけることができました。
神様より神様。
助けてくださいと、すがる気持ち。
牛舎周りの前に、どうにか車に乗せ、連れて行って。
対応してくださるのは、優しいお顔と優しい語り口のT先生。
膀胱炎か、尿道炎かな、と。
妊娠の可能性があると伝え、しかし、皮膚のような塊が出たことも伝えて。
炎症止め、痛み止め。
体重はどのくらいですか?
「日本ザーネン種の計算式に当てはめると、59キロですが、種類が違うので、50〜55キロの間ではと思います…」
(家畜診療所にあるのは、人用の体重計で、なんと、抱えて乗らないと測れない、、、)
だいたいの体重で処方。
先生に最初の注射を打ってもらい、
あと4日続けてくださいと、4本の注射器を預かる。
妊活しなければよかった…と思わずこぼす私に、T先生は、「いやそれは…」と静かに、
「それは結果論んですから」と。
何をしていたとしても、後悔はまとわりつくもの。
これからのことを考えよう。
先生のひとことが、本当に有り難く。
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夜も出血は止まらず、また床に毛布を羽織って一緒に寝る。
長丁場が予想。
このままでは自身の腰痛が悪化しそうで、一緒に寝られるよう、思い切って部屋の仕様を変えてみたり…。
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あとは、治れ治れと、さすって。
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2022年12月30日
10:30am
初めての注射に手が震える(2回目)
柱に巻きつけて、動かないようにして、
「首の付け根の筋肉に垂直に針を押し込み、注入する」
と、先生の言葉を唱えながら差し込む。
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2022年12月31日
10:30あm、注射、3回目。
怒責は思ったほどおさまらず、しかし、出血はなくなる。
尿の濁りは相変わらず。
キューっと絞り出すようなポーズが続く。
食欲は全くないわけではないが、好きなドライバナナやサツマイモにはよく反応するけど、ヤギさんは炭水化物をたくさん食べてはいけないルールがあって。
ルーメン(第一胃)の微生物が活発になりすぎて、ガスが発生するリスクがあるので、控えめに。なるべく、ハルの好きな草を集めて、食べてもらう。
お湯が好きなので、お湯も常に気をつけてあげるようにする。
最初の出血を見た時は、命が危険なのかと、泣きそうになったけど、どうにか助かったと。年越しできることに感謝して。
2023年につづく。