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京都の「舞妓」さんを関東ではどう呼ぶか知っていますか?

芸者とは、料亭などの御座敷でお客と話をしながら、御酌をし、踊りなどの芸を披露、またお客と一緒にゲームなどをしてもてなす人です。踊りなどの芸を披露することを「御座敷を付ける」と言います。

京都などでは「芸妓(げいこ)」、見習いを「舞妓(まいこ)」と呼びます。一方、東京など関東では「芸者」「芸妓(げいぎ)」、見習いを「半玉(はんぎょく)」「御酌(おしゃく)」と呼び方が異なります。

「半玉」は芸者などを呼んで料亭で宴席を設ける場合の代金である「玉代(ぎょくだい)」が一人前の芸者の半分であったことに由来します。しかし、今では「玉代」の差はないことが多いようです。また、花街では、華やかな花に見立てて「花代」と呼ぶことが多いようです。かつては、線香を使って宴席時間を計ったため、線香代とも呼ばれたようです。

京都の「舞妓(まいこ)」は国内外で有名です。WordStreamのFree Keyword Toolによれば、日本での検索数は「舞妓」の74,000件の一方、「半玉」は880件、「御酌」は50件でした(2024年3月16日時点)。米国での検索数は「Maiko」が12,100件の一方、「Hangyoku」が30件、「Oshaku」は20件でした。

「舞妓」は多くの小説、漫画、テレビドラマ、映画などメディアで取り上げられることが多いため、このような圧倒的な知名度格差が生じたものと考えられます。近年でも、日本で「舞妓Haaaan!!!」が2007年に、「舞妓はレディ」が2014年に映画として公開され、ヒットしました。

こういう圧倒的な知名度の差により、関東では見習いである「半玉(はんぎょく)」「御酌(おしゃく)」の確保に苦労しているようです。

なお、「芸者」の日本での検索数は12,100件、「芸妓(げいこ)」は6,600件と見習いを終えた後では、「芸者」の知名度が勝ります。米国での検索数は「Geisha」が90,500件の一方、「Geiko」は9,900件でした。「芸者(Geisha)」は国内外で多くの映画などメディアに取り上げられたことなどが知名度格差になったと推定されます。

近年でも、米国で映画「SAYURI (Memoirs of a Geisha)」が2005年に公開されました。しかし、京都を舞台にした作品でありながら、「Geiko」ではなく、「Geisha」と呼んでいるなど、日本の花柳界を忠実に映していないなど疑問の声も上がった。なお、「舞妓」と「半玉」ほどの圧倒的な差にはなっていません。

見習い期間の呼び名(関東での「半玉」「御酌」、京都などの「舞妓」)と一人前となった「芸者」と「芸妓」で知名度に大きな差があることは大変興味深いです。

なお、神楽坂の芸者組合である「東京神楽坂組合」に所属している「半玉」は現在、和香さん御一人です。神楽坂で「半玉」となり、将来的に芸者になるのはいかがでしょうか?「東京神楽坂組合」では「半玉」さんを募集中です。

また、「半玉」や「御酌(おしゃく)」という用語は先述のように、日本でも一般化していないため、神楽坂芸者と話をする際には見習いのことを京都などで使用する「舞妓」ではなく、きちんと「半玉」や「御酌(おしゃく)」と言いましょう。この言葉の使い方を正しくするだけでも、芸者さんや半玉さんたちの対応が変わる可能性があります。きちんとした呼び名を使えれば、花柳界の「通」として一目置かれる可能性もありますよ。

魅力あふれる神楽坂の芸者の唄・踊りを鑑賞し、芸者との会話を楽しみませんか。芸者の芸や話術のすばらしさにきっと驚くことでしょう。この経験は一生の忘れられない思い出となるでしょう。

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