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平井美葉の覚醒

※こちらは2021年9月に投稿したものを2023年2月に編集し直したものです。

先日行われたハロプロソロフェス2にて、MVP(メンバー内での投票)とMIP(視聴者と審査員による投票)が終了しました。

このソロフェス2で私が、BEYOOOOONDS・SeasoningSの平井美葉さんが『覚醒した』と感じた理由を書きます。

 平井美葉さんが選んだ曲はアンジュルムの『もう一歩』。
この曲はアンジュルムのアルバム
『輪廻転生〜ANGERME Past,Present&Future~』に収録されております。

 平井さんの選曲理由「今の自分に必要な言葉が詰まっている曲だからです」というもの。

前回はダンスと歌は分けて、ということで原曲の歌声(こぶしファクトリー)も、借りてのパフォーマンスでした。
今回『ヒソヒソマイク』(番組内の控え室に設置されたマイク)で、
ダンス歌を両立すると言い、そして舞台に登場した平井さんは、ヘッドセットをつけており

「……これは本当に歌もダンスも全力でやるつもりだっ…!!!」

と尊死する覚悟でした。
限度を超えたかっこよさ、パフォーマンスのクオリティーの高さに、
一度目の視聴は誰かに脳みそを吹き飛ばされたのかな?というくらい終わった後は、記憶がなく、頭の中が真っ白でした…。

二回目視聴にてやっと意識をしっかり保ち、平井美葉さんのパフォーマンスの具体的な凄さを言語化することが出来ました。

絞りだした感想がこちらです。

①ダンスも歌もどちらも完璧だった。

②飛び道具を使わずに『パフォーマンスのみ』で勝負する自信ある姿。

③高難度なことをしているはずなのにリラックスしていて余裕さえ感じた。

ダンスは自身で振り付けたオリジナルのもので、その持ち味であるしなやかなバネのような動きが存分に活かされており、後で司会の矢島舞美さんに
「マイケルジャクソンみたい」と言われたのに対し
「意識してました」と答えていました。

そう、平井さんはただなんとなく振りをつけるのではなく何かをイメージして創ることが多いのです。そしてそれがバシっとハマる。

歌は、去年とは段違いに技術が上達していました。元から持ってる声質や歌い方の個性も素晴らしくいいのですが、そこにさらにビブラートや、声の厚みを増したことでとんでもねぇ仕上がりになっていました。

ダンスと歌を、このクオリティーで両立、というかもはやこれはひとつの完成された作品だ…!!  

 結果的にMVPでは5位、MIP総合3位を獲得され、オタクとしてはとても誇らしかったです。

 加入するまでの軌跡がYouTubeに残っているので見ていただければ分かるのですが、元々平井さんは「表現者になりたい」と言い、一般からハロプロのオーディションを受けBEYOOOOONDSに加入しました。

平井さんの同期で、ユニットSeasoningSの1人でもある里吉うたのさんの言葉を借りれば
「半分以上のメンバーが年下でみんな研修生として研鑽を積んできた」子ばかりが周りにおり、初期の頃は、慣れるのが精一杯と言った様子でした。

声が小さいことをイジられていたり、1年目と2年目のひなフェスのソロを引いてしまいふるえながら舞台に立ち、ハケた後は泣きじゃくったなど、まるでバブい赤ちゃんのようでした。
(それでもパフォーマンス自体にはそんなことは微塵も感じさせないのはさすが平井さんです)

 そんな平井美葉さんが、このソロフェス2においては、実に堂々とリラックスしてパフォーマンスをされていたのです。

さらには舞台裏の映像でも去年とは違って周りを気遣う場面もあったり、出番に向かう際「緊張します。楽しみな気持ちもあるんですけど」と笑ったり、
終わった後の収録コメントでは「最後のフェイクは自分でアレンジしてすごく楽しかった。練習の時は型にはめてやっていたけど本番ではすごく楽しめた。」と楽しいというワードを三回も発していました。

なんと去年までの美葉ちゃんとは違うことか…!

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 覚醒に至るまで、今思えば二つの転機がありました。
一つ目は2021年1月24日、BEYOOOOONDS内で長らく名前がなかったユニット、小林萌花、里吉うたの、平井美葉からなるSeasoningS(シーズニングス)が誕生し、平井美葉さんがユニットのリーダーに選ばれたことです。
私はアイドルのオタクになって日が浅い方なので、リーダーになるというのが何を意味するのか分かっていなかったのですが、簡単にいうと『露出が増える』『広報的な役目をする』ようです(もちろん他にも役目はあると思いますが)。

本人にとっても名誉あることですし、オタクとしても平井美葉さんを見れる機会が増えるのは嬉しい限りでした。
肩書きは人を成長させるの言葉通り、研修生出身のメンバーについて行くのが必死だった平井さんが、率先してグループ内で注意事項などを啓蒙したり、筋トレやボイトレ、2020年ハロコンballadなどを経て、実力をつけていき、見事についていく人から引っ張っていく人へと変貌しました。

 二つ目は同年4月、BEYOOOOONDS主演の舞台『眠れる森のビヨ』が上演されることになり、なんと平井さんはその主役に抜擢されたことです。
(但し、インタビューにあるように平井美葉さん自身は自分が主役との認識はないそうです。)

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抜擢した理由を、脚本・演出の中島庸介さんは、前作『アラビヨーンズナイト』を見て
平井美葉さんにたくさんセリフのある役をやってほしいと思ったと、本人に伝えたそうです。

このことについて、平井さんは以下のように語っています。



「前作アラビヨーンズナイトでは出番が少なくて、私は宝塚を目指すくらいお芝居に対する熱意はあったのに出番じゃない時間がたくさんありどんどん落ち込んでいった。
被害妄想だけど、そんな出番少ないのに役について悩んだって無駄じゃん?って人に思われるだろうかと考えたり苦しい時間を過ごした。
そのうちに他のメンバーの役について自分ならどう解釈して演じるかや自分の役はどういう作用をもたらすことができるんだろうと考え、発見はあった。」

「辛いなりに頑張ってお芝居に対する熱意を諦めなければ見てくれる人はいるのだと思った。中島さんから自分を抜擢した理由を聞いて泣いた。(意訳)」
公式YouTube tiny tinyより

私は眠れる森のビヨを配信で見ましたが、平井美葉さんの芝居への没入ぶりに、畏怖さえ覚えたものです。
特に後半たたみかける長ゼリフには、瞳孔開きっぱなしでした。
こんなコメディチックなタイトルですが、内容は真逆なので気になる方はBlu-rayが2021年9月15日に発売されたのでぜひ見てください。

 ここからは完全に憶測ですが、この二つの試練を乗り越えて恐らく平井さんは気づいたのだと思います。

それは、一流の表現者(パフォーマー)の自覚です。つまり、自分は一流の表現者なのだ、その素質があるのだと気づいたのではないのでしょうか。

薄々自分は何かできるのでは、何者かになれるのでは、と思っていたところを、舞台などの経験が裏づけたことで自覚したのではないでしょうか。

自覚、自信が芽生えたからこそのソロフェス2の堂々たる姿だったのだろうと私は思います。

そんな平井美葉さんの姿を、私は『覚醒』したと感じました。

一流の表現者とは何か。
一流の定義などあってないようなものだと思いますが、私の思う一流とは

・演技、歌、ダンスなどを通して見ている人に伝えたいものを伝えられる

・演技、歌、ダンスなどと向き合いひとつの素晴らしい『作品』に昇華できる

・『世界観』を構築できる

の三点です。

その定義で言えば、例えば2020年ハロコンballadでは、ハロメンがJPOPのバラードを舞台で1人きりで歌うものでありましたが、ともすればカラオケ大会になりがちなコンサートでした。

平井さんは、ひとつの曲『海の声』なら『海の声』を、自分なりに解釈し沖縄民謡っぽく歌ってみたり、声の出し方、表情、仕草にて世界観を大事にしている様子が伝わりました。

平井さんは出番曲をひとつの作品に創り上げました。
ダンスにしろ、演劇にしろ平井さんは作品の世界観を解釈、理解しようとする姿勢が真摯です。
深く懊悩したその中からアウトプットされるものは『最適解』と言えるくらいハマっていて、人々にたくさんの感情を伝えることができます。
それが故に私は平井美葉さんは一流の表現者だと思います。

本人としては、先ほど書いたように自分の今に満足していないし、満足しちゃいけないと思っていそうです。
『もう一歩』の歌詞の
「あの時こうすりゃ良かったのかな?あの時頑張ってりゃ 今よりずっといい感じだったのかな?って思う暇があるなら もう一歩」 
が今の自分にぴったり当てはまるというくらいですから。

 これからも表現者で現アイドルの平井美葉さんをずっと見ていたいと思います。


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