地域で見守る子育て【前編】 | 散歩のついでに立ち寄れる”小さな自分時間”
こんにちは、NINIのあいのです。
NINIROOMでは、地域で支える子育てをテーマに、去年6月より新たな試みに取り組んでいます。それが、”ベビーフレンドリータイム” 。
開始直後から多くの反響をいただき、親子連れでランチやカフェタイムを楽しむ光景が日々見られるようになりました。活動に賛同してくれる地域の助産院やベビーシッター、保育士の方たちとつながるきっかけにもなり、改めて地域に拠点をもつ事業者としてできることの可能性を感じています。
活動のきっかけは自身の産後・子育ての体験から。どんな想いで始めたのか、そしてこの小さな取り組みから目指したい社会について、まとめてみました。
ベビーフレンドリータイムとは
きっかけは自身の育児体験から
わたしも、2020年、初期のコロナ禍中に妊娠出産したママのひとり。
行き先や行動に制限も多く、赤ちゃんが保育園に通うようになる1歳くらいまでは、お家で二人っきりで向き合い続ける日々でした。
気分転換にカフェや買い物に行こうかなと思っても、ベビーカーが通れるのか、授乳やオムツ替えスペースがあるのか、泣き出したらお店や周りのお客さんにも迷惑をかけるし・・・とたくさんの不安がよぎるうちになかなか足が向かない。。なので、息が詰まったら、とりあえず自宅から出て近所を歩き続けるという生活でした。
一対一で向き合うのが辛くなると行き先として思いつくのは、児童館などの子育て支援の施設。ただ、そこでの出会いや会話は、子どもを介してでしかなく、また、子どもの面倒を見ながらだとちょっとしたその場限りの話題で、少し物足りない気持ちで帰宅することもしばしば。たとえば、子どもの名前や月齢は聞くけど、お母さんの名前や好きなものは聞かないし聞かれない。そこには何となく、子どもに関する話以外はしない雰囲気がありました。これまで生きてきた世界から一変し、一個人というより、親であることを強く意識させられる場所でした。
自分自身でいられる場所の存在
それでも、私の場合、その期間を楽しく乗り越えられたのは、職場でもあるNINIROOMが自宅近くにあったから。 長い散歩の途中でふらっと立ち寄り、同僚やゲスト、ご近所さんと話したりすることが気分転換になり、何度も救われました。NINIROOMは、子育ての話以外にも、仕事の話、美味しいお店の話、旅の話など、社会の一員としての会話や共感する人が集まっていて、親ではない自分自身を認識できる場所でした。
常連さんに「大きくなったねー!」と息子を抱き上げてもらったり、ちょっと離れるときには誰かが見ていてくれたりする場面は、みんなに子育てに関わってもらっているようで、初めての育児で張り詰めている心が緩む思いでした。これらの素敵な体験を他のお母さんにもしてもらいたいなと思ったのが活動のきっかけになっています。
地域事業者としての子育て支援 - 散歩のついでに立ち寄れる”小さな自分時間”
育児中に頼る先として、行政などが行う”子育て支援”事業や施設は地域にもありますが、一般的にその対象は子どもとその保護者に対する支援。あくまでも、個人が”親”として、子育てに関する困り事や不安を解消することが目的です。
では、子育て中のお母さんやお父さんが、一個人として、自分らしくいるための支援はどうでしょうか? 一部の産後ケア施設や一時保育、ベビーシッターサービスなどがこれに当たるかもしれません。民間企業が牽引し、多様なサービスが充実してきたとはいえまだまだ高価なイメージだったり利用しづらかったり、十分に社会に浸透しているとは感じません。
私がNINIROOMで作りたかったのは、もっと気軽に、散歩のついでに立ち寄れるような”小さな自分時間”。少し子どもから目を離して誰かと話せたり、ゆっくりケーキを食べたり、本を読んだり創作したり。
お母さんお父さん自身が、小さくても自分らしく過ごす時間を持つことは、子育てにも赤ちゃんにも家族にもきっといい影響があるはずだと確信しています。
「全治数か月のほどのダメージ」と表現されるほど大変な産後。そんな時期にも関わらず、身近に頼れる人がいないお母さんも多いと思います。自分の体よりも赤ちゃんを優先してしまうのは仕方ないことですが、ママ自身が心身ともに健康でご機嫌でいることも、赤ちゃんや家族への大きな愛情のひとつ。
子育ての大変な時期であっても、自分自身を大切にできる社会にしていきたいです。そんなふうに思いながら、NINIROOMから始まる”地域で見守る子育て”の方法を模索しています。
見守りサポートについて