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ハルカと「YES Andの魔法」🌟リフレムのビジネス用語解説

森の奥深くに佇む小さな小屋。その中で、リフレムとハルカは暖炉を囲みながら語り合っていた。

ハルカ「リフレム、最近また気づいたんだけど、会議やミーティングで『でも』って言葉がすごく多いのよね。」

リフレム「ほう、それは興味深い話じゃな。たとえばどんな場面で使われておるのかの?」

ハルカ「うん。誰かが『新しいアイデアを試してみませんか?』って言うと、必ず誰かが『でも、それってコストがかかるんじゃない?』とか、『でも、上が許可するかな?』とか、否定から入るの。結局、アイデアは膝を折って、話が進まなくなるのよ。」

リフレムは静かに頷きながら、杖をゆっくりと振った。暖炉の炎が少しだけ明るく揺らめく。

リフレム「それは『Yes But(イエス・バット)』の呪いじゃな。」

ハルカ「呪い?」

リフレム「うむ。表面上は肯定しているようで、実は否定を重ねてしまう。まるで道が開かれたかと思えば、次の瞬間には石壁が立ちはだかるようなものじゃよ。」

ハルカ「たしかに…。でも、どうすればこの呪いを解けるの?」

リフレムは微笑み、再び杖を振る。今度は、暖炉の炎の中に柔らかな光の円が浮かび上がった。

リフレム「この魔法を授けよう。その名も——『Yes And(イエス・アンド)の魔法』じゃ。」

ハルカ「Yes And?」

リフレム「うむ。例えばこうじゃ。『新しいアイデアを試してみませんか?』と言われたら、『Yes And!では、まず小さな範囲で試して、結果を見てみませんか?』と続けるのじゃ。」

ハルカ「なるほど…。『でも』の代わりに『そして』を使うのね!」

リフレムは嬉しそうに頷いた。

リフレム「まさにそうじゃ。『Yes But』の世界では、全てのアイデアが障害に阻まれ、縮こまってしまう。しかし『Yes And』の世界では、アイデア同士が積み重なり、どこまでも広がっていくのじゃ。」

ハルカ「まるで、森の木々が枝を伸ばしていくみたいね。」

リフレム「その通り。木々は、風や光を受けながら互いに伸び、共鳴し合う。そして、一本の木だけではなく、森全体が豊かになるのじゃ。」

ハルカは目を輝かせながら立ち上がった。

ハルカ「私、さっそく明日の会議で試してみる!『Yes And』でアイデアを繋げて、どんな未来が生まれるか見てみたい!」

リフレムは静かに笑い、優しく頷いた。

リフレム「良い心がけじゃ。では、特別にもう一つ、魔法を授けよう。『Yes And』を使う時に最も大切なことは、『絶対に否定されない安全な空間を作ること』じゃ。」

ハルカ「安全な空間?」

リフレム「うむ。どんなに小さなアイデアでも、否定される恐れがない場所でこそ、人は自由に考えを広げられる。だからこそ、アイデアの取捨選択は最後にするのじゃ。最初はどんなに突飛な発想でもいい。むしろ、ふざけたアイデアこそが大発見のきっかけになることもあるのじゃよ。」

ハルカ「そっか…。アイデアの種をすぐに摘み取るんじゃなくて、まずはちゃんと芽吹かせる時間が必要なのね。」

リフレムは満足そうに頷く。

リフレム「その通り。Yes Butの世界では、種が植えられる前に掘り返されてしまう。しかし、Yes Andの世界では、種は芽を出し、時に大木となるのじゃ。」

ハルカ「ありがとう、リフレム。なんだか、すごくワクワクしてきた!」

ハルカは胸を張り、森の小屋を飛び出していった。リフレムはその後ろ姿を見送りながら、そっと呟いた。

リフレム「Yes Andの風が吹けば、世界はきっと変わる。さて、次は誰にこの魔法を届けようかの…。」

森の中に、穏やかな魔法の光が静かに輝いていた。

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柏崎 哲生_Str/Narrative Counselor 
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