安達祐人1st single「Dat girl」感想
※初出:2024年1月23日
リリース当時にふせったーに上げていたものに一部加筆・修正して移植してきたものです
リリースされて1ヶ月以上経ってから書くなよって感じなんだけど、その間にラジオやらインラやらで色々エピソードが聞けたので逆に良かったです(そうですか)
※すべて己の個人的なニュアンスで書いています
1.Poker
フイさんのWHU IS MEの時にも使った表現ですが、アルバムの1曲目であり、そしてソロキャリアの幕開けを飾る曲
だからなのかイントロの入り方からしてめちゃくちゃ気合が入った音だなと思った
実際、年明けすぐに出た古家さんのラジオでも「これから何かが始まるという予感を思わせるダークな雰囲気がめちゃくちゃかっこいい(※うろ覚え)」というユウトペンさんからの全面同意しかない感想に対し「思っていること全部言ってくださった」とリアクションしていますし
ただフイさんの場合はHmmBOPが1曲目兼タイトル曲だったのに対して、このPokerはタイトル曲ではないという違い
どういう経緯で曲順やタイトル曲が決まったかは知る由もありませんが、Pokerが本当の意味での「幕開け、始まりの曲」という立ち位置になったことを考えると、安達くんのソロアーティストとしての指針になる一曲ではないかと思いました
本人の色んな発言を聞くにDat girlとは別に思い入れがあるっぽいし
作詞、言葉選びが新鮮で面白いなと思いました
特に「洒落な名誉、明快」「勇猛無比、采配」の部分、勇猛無比って普段使わない分なかなか独特でおもしろい
しかもここは「明快(mei kai)」「采配(sai hai)」と最後のiの音のみで韻を踏んでいるので、「洒落な名誉」と「勇猛無比」はどこから引っ張ってきたのかより気になる
ラッパー出身らしく語感優先で作詞していると思いますが、個人的にはこういう言葉遊びみたいなのどんどんやっていってほしいです
あとは「Fakeなテクで騙す〜」からガナリを効かせたワイルドな声に切り替わるところ、一気に牙を剥いたような感じで良い 好きポイント
4曲中一番好きまである
個人的には「pkmnで実はヴィラン側だった安達祐人の戦闘BGM」の位置付け(何???)
2.Dat girl
安達祐人のボーカル一生待ってた〜!!
本当に良い声してるからまじでこれからどんどん歌っていってほしい、インスタストーリーに投稿されていた米津玄師の感電カバーもだいぶ良かったので
一番Aメロ入りの「I don't know(ゥアイドンノゥ)」の歌い方が異様に好き
そういうディレクションを受けたのか元々の癖なのか分かりませんが、個人的にはこの部分で結構飯が食えます
このアルバム唯一の提供曲
圧倒的な譜割りの多さ
一貫してヒップホップのノリがいい感じだけど息継ぎする間が思ったよりなくて、踊りながらやるにはだいぶ難易度高いと思います(ショケは被せ多めでしたが)
自作の他3曲に加えて、SEASONS・眩しい君と・頑張らなくてもいいよ・Camelliaなど安達くんの作曲ってそんなに音数が多くない印象なので、とにかくメロディが詰め込まれている曲は結構新鮮でした
独自のスタイルじゃないのを聞けるのが提供曲の醍醐味ですね
そして曲の派手さとは裏腹にMVが結構かわいい感じで、ティザー出た時「あっそういう方向なんだ」となったのは未だに記憶に新しい
3.Wild
四つ打ちEDMのPoker・Zone、ヒップホップのDat girlに対し、Wildだけ16ビートと演奏楽器(スラップベース)の構成でちょっと異彩を放っている
起承転結で言うところの"転"的な曲
わかりやすく藤井風の影響を受けている
と当初は思っていたのですが、ショーケースで「サカナクションやimaseくんが好きだからそっち系統のも書いてみたかった」という風に仰っていました
(口に出てないだけで藤井風の要素は十分あると思うし、ひっくるめてそういう系統だと解釈しています)
一度全部メロディを書き直したそう(!)
帰国後2ヶ月で3曲書き上げるバイタリティどない……と思っていたら、まさか書き直しまでしてたとは 恐れ入ります
ボコーダーっぽいボーカルエフェクトとか、サビのフレーズを繰り返し多用しているところとか、日本版DoNに収録されている「眩しい君と」とスタイルが似ているなと思いました
おそらく安達くんの作曲における引き出しの一つとして、こういうスタイルを持っているんだろうなと感じる
やっぱり安達くんの作詞っていいなと思った曲でもある
「パッと上がって咲いたような一瞬の出来事が フワッと消えてしまいそうな 君をすべて感じたい」ってどうやったら出てくるんだ
あとサビ直前に差し込まれている「phycho」は「さあ、行こう」と聞くことも出来て(実際歌詞を見るまで後者だと思っていた)、「"君"に対する思いでおかしくなりそう」という意味にも、サビのフレーズである「君を迎えに行くよ」にかけることも出来て面白い
こういうのどんどんやって(二回目)
ところで私は安達くんのギター練習動画が好きなんですが、ベースも続けてますか?いつかまた見せてください
4.Zone
ハイライトメドレー聴いた時から絶対好きになるだろうな〜と確信していました
全編に渡って敢えて抑揚をつけない、スタティックで淡々としたフロウが最高にかっこいい
おそらく「安達祐人」というキャラクターがよく表れている曲ではないでしょうか
(クールで寡黙、力まず自然体、そしてどこか底知れない感じ)
安達くんは意識してカッコつけよう!というよりはただ自然に佇んでいるのが一番オーラが出るというタイプだと思っているんだけど、それを音にするとこういう感じになるんじゃないしょうか、多分
非常に好みなのでこの系統が増えたら嬉しい
総評
今までどこに隠し持ってたんだよこんな良い音
これからもどんどん出していってほしい、聴きたいから
アーティストとしての方向性は本人も「これから定めていく」と言った通り今の時点ではまだ分からないけど、少なくともこの一枚目の時点では、PokerやZoneのようなクールでダークな感じがベースになっていくんじゃないかと思います
でもやっぱWildみたいな演奏楽器入ってるのも聴きたい
ギターボーカルの安達祐人、お待ち申し上げておりますので…
話は変わりまして
安達くんの制作スタイルって、まず「音」が先行して生まれてきて、そこから音に合う言葉を当てはめて作詞しているのではと思っている
※全てド素人の憶測
安達くんて耳が良いというか、聴覚優位なタイプじゃないかと思っていて
マンネズを「マヨネズ」とポロっと言って後々正式にマンネライン3人組を指す言葉になったりとか、中国語で出題されたクイズに要点だけ聞き取って正解したりとか、時折水口くんにつられて思わず訛った関西弁が割とネイティブな発音に近かったりとか
これは10代の早いうちに渡韓してきて、韓国語を習得しなければならなかったというバックボーンと、ラッパーというポジションによる影響が大きく、それが音楽制作にも現れているのでは、という印象 だから何だって話ですが
兎にも角にも、これから出てくる(であろう)安達くんの音楽性を楽しみにしております
26歳おめでとう!
いい一年になりますように!