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家にレコードあるけど、プレイヤーない。ベルトはあるのに、ベルトループがない感じ。

・甲子園での校歌斉唱は勝者の証だった。

今も、勝者の証であることになんら変わりはない。甲子園での校歌斉唱。夏のお約束。風物詩。風の香りがする。眩しい。全力。
このまえ、テレビかなんかで、甲子園で負けたチームが校歌を歌えば、出場チーム全チームが校歌を歌えるし、ハッピーエンドじゃない?って誰かが言ってた。確かにそうだなと思った。ハッピーじゃん。それと同時にそうじゃないなとも思った。果たして、負けたチームが歌う校歌にどんな意味があるんだろう。意味。3年間、白球にしか目もくれず、やっと辿り着いた大舞台で負ける。死ぬほど悔しい。もうこの夏は来ない。2度と来ない。来年も夏は来る。けど、今年の夏は最初で最後。負ける。校歌を歌う。なにか違う気がする。
同情??それに似た空気を感じる。どんな顔をして校歌を歌えばいいのか。
負けたチームは校歌を歌うことすら許されない。それでいいと思う。約2時間という長い戦いを勝ちきったチームが笑顔で真っ白の歯を見せて、朗らかに歌う。負けたチームはベンチの中で歯を思いっきり噛み締め、唇を真っ赤な血が滲むまで噛む。涙で前が見えない。目は充血。夏の乾いた、それでいてどこか湿った風が頬を撫でる。死ぬってこんな感じなのかな。絶望、それでいて心地よい。悔しい。負けた。2度と来ない。悔しい。
それでもベンチの中では立っていることしかできない。ファーストへボールが送られる前にベースへ到着することすらできなかったこの足で。勝者が声高に叫ぶ校歌を聞くことしかできない。震える。声にならない。悔しい。みんなごめん。。この勝と負のコントラストが何より映える。真っ白なボール、真っ黒なユニホーム、茶色に焦げた肌、真っ赤な眼、黄色い声援、真っ緑の芝、色がない風、オレンジ色の両親からの温もり。
そんなどこまでも澄んでいて、どこまでも深い青い春。夏なのに、気温は40度近いのに。それでいて、春。青春。2度と来ないと思っていたけど、また違う形で始まる予感。それはほんの僅かな、いつもなら気づかないくらいの予感。予感。

・友達と飲みにいった。

友達と言っても、ここ3ヶ月くらい会ってない友達。久しぶり!じゃなくてご無沙汰です、かも。飲みに行ったと言っても、お酒は1杯くらい。
その日は帰りたくなかった。家が嫌いなわけじゃない。行きたい場所も特にない。けど、帰りたくない日は誰にでもある。そんな日だった。
そしたら、その友達がカラオケだろ、と声高に唐突に叫んだ。多分、半径500メートル以内にいた人間には全員聞こえたんじゃない。それくらいの声量だった。声が大きすぎて、逆に耳を疑った。
気がついたら終電の時間だった。きっと声がデカすぎて、意識を失っていたのだろう。時間の経過の速さには目をくれなかった。
今日は帰りたくなかった。
そしたら、その友達がカラオケはオールでいい、とか細い声で囁いた。
こいつ、、
「カラオケはオールでイイ」と「karaoke all day」が超絶うまくかかってやがる。本人は全く気がついていない。それはお酒のせいか、頭が悪いせいか、はたまた、今回は声が小さすぎるせいか。

俺は必死にメモをした。「オールでいい=オールデイ」

ありがとな。今度、どっかで書くよ。お前のうまい話。

・頭の回転が遅いなーとたまに自分が嫌になる。

目の前のおっさんがある時こんな話をした。
「イエという概念は非常に難しいんだよ。家族という概念も。家族はベキ論で語るべきではない。お父さんはこうあるべきとか、家族はこうあるべき、みたいにね。イエも家族が一緒に住むから家になるわけでもなければ、どんな空間でも家になれるかというとそうでもない。家族は一つ屋根の下で暮らす、この表現ひとつとっても考えることは多いね。」
なるほどな。
そしたら、隣にいた小学生くらいの男の子が
「僕今、パパとママと住んでるけど、僕の家はマンションだから、屋根すらないよ」と言った。
うぬぬぬ。こいつやるな。だから、負けじと俺も「一つ屋根の下って言うけど、うちマンションだよ」みたいなことを言おうと必死に考えた。

まったく出ない。
気づけば、夜になっていた。情けない。

・今年のトレンドですし、今シーズン以降も流行りますよ。

「1着は持っておいた方がいいマストバイアイテムですね!」
ちなみに、1着は持っておいた方がいい服、僕は100着くらい持ってます。

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