高校野球 2016夏季山梨県大会観戦レポ その6 準決勝 東海大甲府対帝京三

東海大甲府 4-0 帝京三

帝京三のエースは水上由伸。

前の試合、後半のギアアップに惚れ込んで、もう1度見てみたくて、格上に挑むこの試合を、なんとか都合つけて見に来た。

夏の準決勝、東海大甲府対帝京三の試合は、五分と五分の立ち合いで始まったかにみえたが……

試合が一気に動いたのは3回表。

東海大甲府の攻撃、先頭打者の打球が、ピッチャーライナーを放つ。

これが、帝京三のエース、水上由伸を直撃してしまう。

ピッチャー強襲内野安打。

治療のため、長い時間の中断。

「帝京三高の夏が、これで終わった」

そう思わせる、長い中断だった。

これで、水上降板。

2番手、背番号20の加山が登板。


……そして、水上はレフトに戻ってきた。

最後の夏、これも青春か。


しかし、この回、帝京三は2点を失う。

3-0のビハインド。

エースはマウンドにもういない。


それでも食らいつき、3-0のまま、ゲームは7回を終える。

エースが降板し、リードを許し。

それでも、最後の夏はまだ終わらせない。


……8回に、致命的な4点目を失う。

4-0。勝負は決した。


9回、水上由伸、再登板。

「最後はエースで終わらなければ、夏は終わらないのか」


エースは、最後に意地を見せた。

山梨県の県内連勝記録を更新する連勝を続けている最強王者、東海大甲府相手に。

MAX144キロ連発。

それは、前の試合以上の、鬼神と言ってもいい投球。

三者凡退で打ち取り、最後の攻撃に賭ける。


物語は、これで終わり。

水上由伸の夏は、最後までかっこよかった。