面白いのに過小評価されている観光地3選
突然ですが、「良い観光地」の定義って難しいですよね。
例えば京都(ここでいう京都は京都市内を指します)は、その歴史と見所の多さから間違いなく日本の観光地の筆頭と言えます。
ですが、あふれかえる観光客による混雑と外国人旅行者によるマナーの悪化は深刻ですし、ついでに言うと拝観料や食事代が全体的に高めでお財布にも優しいとは言いがたく、そのデメリットを許容できない方にとって、京都は「言うほどではない」かもしれません。
そこで今回は、実力のわりに知名度が低かったり、過小評価されている(と個人的に思っている)観光地を紹介します。
①静岡県・松崎
西伊豆にある小さな港町。熱海や修善寺などの有名一流観光地よりアクセスが悪い、その割に目立つ見所がなく町全体も小さい、という不遇な観光地。
ですが過度に観光地化されておらず、前述の理由で常に空いているので雰囲気は抜群に良いです。
なまこ壁の町並み。
地元の職人、入江長八が手がけた美しい建物。
当時の姿を残す採掘場。
誰もいない採掘場には、水のしたたる音だけがひびいています。
農閑期の畑に出現する花畑。
港町ならではのごちそう。
懐かしい雰囲気の静かな港町で、のんびりと散歩したりおいしいものを食べたいという方におすすめの場所です。
②栃木県・宇都宮
餃子の町として全国的に知られています。最近は大谷資料館のおかげで観光地としても有名になりつつありますが、目立つ見所が少ない、日光という強力すぎる観光地が近くにいるという点から観光地としては不遇な存在です。
ですが、実際には1日ではまわりきれないボリュームの見所があります。
まずは外しちゃいけない大谷石資料館。
神殿のような雰囲気の採掘場はもはや全国的に有名といっても過言ではありません。
大谷寺。本堂が古代の横穴式住居にめりこんでおり、本堂の壁代わりの岩肌に千手観音が彫られているというめずらしいお寺。
石切場を利用した大谷公園。
公園にある27メートルの大谷観音。
1888年に建てられた松が峰教会。大谷石のシンプルながら美しい壁が魅力。太平洋戦争で屋根を失うものの致命傷には至らず無事に修復されました。
ステンドグラスではないところが逆に厳かな雰囲気をかもし出している教会内部。
長岡百穴式古墳。弘法大師が内部に観音像をほった古墳群。
壁が大谷石で作られた宇都宮美術館。宇都宮の作家や、マグリット、シャガール、カンディンスキー、クレーなどの大物の作品を所有しています。
もちろん餃子も見逃せません。
イキイキ・ギョーザという店では猿怒る餃子や大根生きている餃子、泳いでいる餃子が食べられます。何それ。
あとは、ソースをあとがけする宇都宮焼きそばや、カクテルも魅力。
特にカクテルにおいては日本トップクラスのバーテンダーが集結する聖地として知られています。
私はお酒が飲めないのでくわしくないのですが、とにかくそうらしいです。
③群馬県・桐生
「西の西陣、東の桐生」で知られる織物の町。往時がしのばれる工場跡や古い町並みが特徴。ここも目立つ見所があるわけではなく、古く懐かしい町並みの雰囲気を楽しむタイプの観光地。
西桐生駅。駅自体が登録有形文化財に登録されています。1928年に建てられた、現代の建物には絶対出せないかわいらしさを持つ駅舎です。
地味にすごいのが、年中無休入園無料の動物園と遊園地(桐生が岡動物園と桐生が岡遊園地)を持っているところ。
人気者のライオンだっています。
子供のころ連れて行ってもらったはずなのに名前も思いだせない、多分今はもう存在しない動物園や遊園地に迷いこんだ気分になります。
楽しさがあふれ出ている遊園地の全体マップ。
昔デパートの屋上にあった気がする遊具。
その他にもノコギリ屋根の工場や、
今も活用されている古い建物(写真は「花のにしはら」)、
国の登録有形文化財に指定された工場跡を使用したパン屋(ベーカリーカフェ・レンガ)もあります。
地味ながらも観光地化されていないノスタルジーが味わえる場所です。
まだまだ過小評価されていて応援したい観光地はあるのですが、すでに長いので今回はここまで。他の場所についてはまた今度書きます。