アデリアレトロのグラスを買う
アデリアレトロの脚つきグラスを買った。
焼き物の名産地で手に入れたカップは元からいくつか持っていたが、冷たいものを飲むためのグラスは安い汎用品しかなかった。
そこで少しいいグラスもほしかったのだが、ウイルス的なアレがアレなのであまり遠方に観光に行けず、どうやったら少しいいグラスを手に入れられるか悩んでいた。
そんな時アデリアレトロのグラスを見つけたので、特に小樽ガラスや沖縄ガラスのような工芸品ではないが、安くて丈夫そうでお洒落だしまあいいか、と思って買ったというのが背景だ。
アデリアレトロについて簡単に説明しよう。
1819年創業の老舗ガラスメーカー、石塚硝子が1961年に食器ブランド「アデリア」を立ち上げたのだが、当時の製品をリメイクしたのが、「アデリアレトロ」だ。
今回購入したのは風船柄の脚つきグラス。1969年のデザインだという。
これがパッケージ。
そしてこれが脚つきグラスだ。Instagramにアップした都合上加工が入っていて少々本来の雰囲気が分かりづらくなっているが、ギザギザに装飾されている脚や、少し色味の悪いプリントがかわいらしい。
令和時代にイチからデザインされたら決して生まれない製品だろうなと思わせられる。
たぶん、こういうグラスには合成着色料をふんだんに使った嘘くさい色の飲み物がよく似合う。向こう側が見えないくらい濃い真緑色のメロンソーダや、最近あまり見なくなった減退色のブルーハワイソーダなんかがよさそうだ。
あいにくなかったので、モンスターエナジーウルトラパラダイスで代用する。
色合いは昔のメロンソーダと比べると優しいが、体に悪そうな雰囲気と人工的な味わいは共通しているので、代用としては問題ないだろう。
モンスターエナジーシリーズ特有の「あらら、ふふっ……」となってしまうようなポエム。
一言でいうと、南国風の味であることを伝えたいようだ。買ってから知ったが、ゼロカロリーゼロシュガーらしい。
アデリアレトロにモンスターエナジーウルトラパラダイスを注ぐ。1969年のデザインのグラスと、アメリカで流行っているエナジードリンクという異色の組み合わせだ。見た目は悪くない。
モンスターエナジーウルトラパラダイスを飲むのは初めてだが、今回はあくまでアデリアレトロが主役なので味のレポートはしない。代わりにアデリアレトロの脚つきグラスのレポートをしよう。
脚つきだが、全体的にガラスが厚くてフォルムもどっかりと野暮ったいので、同じ脚つきであるワイングラスなどより安定感や安心感はある。
脚がある分普通のグラスよりひっくり返した時に割れるリスクはありそうだが、そういう不安感を感じさせない使用感だ。
あと、これは脚つきグラスだけにいえることではないが、食器はおしゃれな方がいいなという感想を改めて抱いた。
モンスターエナジーははっきりいって味わう飲み物ではない。疲れている時や集中したい時に一時的にドーピング目的で飲む代物だ。
だが、こういった少し洒落たグラスで飲むとついついペースが遅くなりゆっくり味わってしまう。
そして、爪痕がデザインされバキバキにキマったポエムが書かれているモンスターエナジーではあるが、ゆっくり飲むと意外と優しい味わいだった。
エナジードリンク特有のケミカル感はあるが、昔のメロンソーダだって本来の果物とはかけ離れた味だし、人工っぽさはいい勝負だと思う。アデリアレトロを買わなかったら得られなかった気づきだ。
ちなみに、価格は税抜きで1,650円である。
安価でお洒落で実用性も優秀なアデリアレトロ、ぜひあなたの家の食器の一員に加えてみてはいかがだろうか。