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妊娠アプリをデザインする際に、男性UXデザイナーが気をつけたこと
はじめまして、こんにちは。サナータナ鈴木です。
ただの自慢なのですが、私の電卓は、ヴィンテージApple。
— サナータナ鈴木(UXデザイナー) (@sanatana_s) January 21, 2020
これ実は中身canon。つまり、迷走したAppleが名前貸しだけのダサイ形で小銭を稼いでた時代のもの。
コード1本でも自前で作りパッケージ、販売店すらも1つの思想で統一されている今のAppleからは考えられないプロダクトでとても気に入ってます pic.twitter.com/KLiMZGV7PY
まずは僕の自己紹介と入社のきっかけを手短に。34歳、既婚、子なし、犬一匹、UI/UXデザイナー、大阪出身。
エバーセンスに入ったのは、「100年たっても変わらないモノをつくりたい」と思ったから。
家族の愛は場所も時間も超えると信じています。1,000年前も1,000年後もたぶん基本的には変わらないだろうなと思います。創るには、良いテーマだと思いません?大げさに言うと愛をデザインできると思ってるんです。すみません、ちょっと熱くなりました。
ペルソナから遠い。だから、作れる。
エバーセンスに入った当初、実は デザイナーとしてかなり苦労しました。理由は簡単で、女性にしか訪れない生理や妊娠などのアプリのUXデザインを考えないといけないから。
同じチームにいる女性デザイナーが「妊娠中のママには、この色はなんか違うんだよなー」とか言いながら自分の中にあるユーザー感覚で作ってく姿に、「おー。。。(ユーザ感覚のない僕は)このフィールドはまじで無理かも。。。」と、結構真剣にへこんでいました。
そんな悶々とした日々の中、ペルソナから遠いサービスを作るときに意識すると良い2つのことを発見しました。
【その1】「なぜ?」で共通言語を作る
ユーザー感覚はざっくりな羅針盤です。
ninaruに限らず、ユーザーに近い人ほど「かわいい!」「なんかしっくりくる!」と、感覚的にサービスを使っています。
僕のようなユーザーから遠い人は、その感覚がわかりません。だからこそ「なぜかわいいのか?」という無垢な「問い」が生まれます。
その疑問を問い続ける役割を担うことで「かわいい」を分解し、「かわいい」の輪郭をはっきりさせることができるのです。
そうやってできた輪郭は、多様な背景を持ったプロフェッショナルたちを繋ぐ「共通言語」になります。共通言語で語れるようになると、プロジェクトの成功確度がぐんと上がるのです。
図で説明するとこんな感じ↓
【その2】「一生わからない」=「一生成長できる」
ちょっとの成功体験ですぐわかった気になる傲慢な部分が、僕にはあります。少しわかっただけで、あたかも全部わかったかのような気分になってしまう。
こういうマインドで仕事をしていたら大抵うまく行かない。自分のプライドや傲慢さがどんどんでてきて、いいプロダクトが作れなくなってしまいます。
一方で、女性の生理や妊娠って僕にとっては、どこまで行っても未知。「わかった」なんて口が裂けても言えない。その一見不利な事実が、僕に対して常に謙虚さを与えてくれます。
これ、僕だけの話ではないと思います。「わかった気にならない」マインドが良いものづくりの秘訣だと思います。
ちなみに、日本を代表するデザイナー原研哉さんも、こう言ってます。
何かをわかるということは、何かについて定義できたり記述できたりすることではない。むしろ知っていたはずのものを未知なるものとして、そのリアリティにおののいてみることが、何かをもう少し深く認識することに繋がる。
まさに毎日おののいてますよ、ninaruの非ユーザーである僕は。
その毎日のおののきが気づきとなり、新しい学びを持ってくる。
なので成長し続けたいなら、ユーザーから遠いプロダクトに関わることがおすすめです。