Meridian計画の2024上半期までの経緯とコントリビューター
Meridian計画。
コントリビューターのみなさんに感謝の意を表する場がありませんでした。
公式サイトを作成した際にはそこに掲載を… と思っていたのですがいつまでも手が回りません。
そこでいちどここまでの貢献者をまとめておきます。
2011年からの構想〜ハードウェア完成まで
2011年冬ごろから小型ヒューマノイドに興味が湧き、本格的にロボット制作のための学習に着手しました。
ASIMOの発表から10年以上経っていたこともあり、『プラレス3四郎』的なPCとロボットをリアルタイム連携するシステムがとっくにあるはずと勝手に思い込み、それなら開発も学習も楽だろうとホビーロボットをはじめました。実際にはまだそういうシステムがなく、もっと地道なところから学ぶ必要がありました。その理想と現実のギャップがMeridian開発の起点です。
ROBO-XEROの改造を繰り返しながら学びの集大成として汎用人型決戦遊具Xemnesを完成。ROBO-ONE特別賞やヒト型レスコン優勝などのステップを経て、2018年5月ごろからフルスクラッチ機体Scobleの開発に着手しました。
フィジビリ検証〜note公開開始 2021.7.4
2018年秋ごろに理想の小型ヒューマノイドScoble β1のハードウェアが完成しました。2年間ほど市販システムでの運用を試みましたが、楽しく制御するためにはやはりプラレス3四郎的なシステムが必要となり、2020年秋ごろから本格的にフィジビリを検討しはじめました。
2011年からすでに10年近く経っていたこともあり、マイコンの性能向上やソフトウェアの進歩などで状況が改善し、いろいろなことが便利になっていました。サーボ情報等のリアルタイム無線通信について格安軽量なシステムで実現できるかを調べたり、IKの解き方をまとめたりしました。
Twitterなどで方々にアドバイスをいただきながら準備を進めていました。
プリメイドハックブーム時代の情報や資産が非常に有用で、特にでべさんからは直接情報を教えていただくことが数多くありました。聞いたことや自分で調べた情報は次に同じ道を通る人の参考になるよう、なるべくQiitaにまとめるようにもしました。
ある程度の目処がたったところで、開発記録をnoteでまとめることとし、2021年7月に公開を開始しました。
2021.12 Meridian Board Type.K の動作確認
Meridainが動作するボードが完成したので、実機での動作確認を数名にお願いしました。ボードが初めて他の人の手に渡るという、Meridian計画のオープンソース開発の起点となる出来事であり、これまでにない経験でした。
ご協力いただいたのは以下の方々でした。本当にありがとうございました。
holypongさん, みっちーさん,ぷくたいさん,山口辰久さん, カナさん
2022.2.22 ROS Japan UG #45 LT大会
ROS界隈で活発に発表されているみっちーさんに触発され、MeridianもROSjpのオンライン勉強会で発表してみることにしました。
ROSについて詳しくないながら、空気を読まずに思い切って発表してみました。お話を聞いていただいた第一線のエンジニアや先生方、ありがとうございました。
2022.7.2 ROBO-ONE Conference
ROBO-ONEカンファレンスの特別講演として、『ROSの活用と二足歩行ロボット開発環境』という発表をさせていただきました。
この時、ぷくたいさん、holypongさんのMeridain応用事例や実機展示、みっちーさんのVR事例を紹介させていただきました。ありがとうございます。
2022.9.3-4 Maker Faire Tokyo 2022
ガルさん主催のVRホビーロボット集会という団体のブースにて、VRとリアルロボットの橋渡し、デジタルツインを簡易的に実現するシステムとして、Meridian計画についての展示を行いました。
プリメイドハックの時にkiruroboさんが開発されたシステムを改めてMeridian用にカスタマイズしていただき、アバター用に作られたモーションをロボットで再生できるようになりました。開発段階でみっちーさんにもご協力いただき、また並行してMeridianの応用開発を進めていたholypongさんからもMeridainの応用方法について説明いただき、ブースは大変盛り上がりました。大感謝です。
2022.9.5- 第40回日本ロボット学会学術講演会2022
第40回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2022)にて、ぷくたいさんが「MeridianとChoreonoidの連携」として学会発表されました。学会でMeridianが引用されるのはもちろん初めてのことで、改めて感謝です。
2022.9.24 第41回 ROBO-ONE
エキシビジョンで行われた、VRChat内のロボットと会場現地のリアルロボットを通信で連携するデモに、Meridianが使用されました。
システム開発は主にみっちーさん、holypongさんが担当。
現地のプレゼンではガルさん、PONDAさん、ぷくたいさんが準備や発表を行い、遠隔でもまゆさきさんたちが参加されました。お疲れ様でした。
2022.10.07 Meridian開発会議
オンラインによる深夜の会議を行いました。
当時の開発のコアメンバーという感じで、進捗の共有を行いました。
ぷくたいさん : Choreonoid連携について
holypongさん : VR連携, UVC導入, HTH3連携など
みっちーさん : VR連携, SPRESENSE検討など
山口自動機械さん他 とても学びのある勉強会となりました。
2022.10.19 ROSCon JP
国立京都国際会館という立派な会場で行われたROSの国際会議ROSCon、の一部として行われたROSCon JPにおそらくホビイスト枠?で発表の機会をいただきました。10分程度の発表でしたが、これもMeridianの開発史に残る出来事です。例のごとく、ぷくたいさん、holypongさん、みっちーさん、kiruroboさんの事例を発表させていただきました。
2022.11 ROID1へのパラメータ追加
Meridian計画の一環として、KHRを簡略化したモデルにしたROID1というURDF機体を公開していました。この頃、イナーシャなどのパラメータを追加。その際に、choreonoidで先行していたぷくたいさんの作業を参考に、holypongさんが実計測した重量データを使用し、再計算して追記しました。
2023.01.22 GFYロボット新年会(mocopi対応発表)
ガンダムファクトリー横浜にホビーロボットメイカーが集まるというイベントをガンダム開発者の吉崎さんが主催。その中のライトニングトークコーナーにてMeridianも発表させていただきました。
Meridianの発表では毎回、構想や機能についての基本的な説明に加え、追加機能の最新情報をMeridian Newsとして加えていますがが、GFYでの発表の目玉は、MeridianのMocopi対応。
MocopiはSonyが開発したモーションキャプチャで1月20日に発売されたばかりでしたが、なんとholypongさんが1日でMeridian対応を実現。このニュースはインパクトがありました。
2023.5.14 ROS Robot Party!
ROS Japan UGの50回を記念して、品川のBRIDGE TERMINALでROS関連のリアル展示会が行われました。
みっちーさんたちのファイバリオンチームも参加しており、その隣で、当プロジェクトでも初めてMeridian計画として単独でブースを構えました。
holypongさん、ぷくたいさん、せんこーさんが実機展示やプレゼンを行いました。
holypongさんはMocopi対応をデモ展示、ぷくたいさんはchoreonoidをデモ展示、せんこーさんはMeridian搭載可能な実機の展示を行いました。
2023.7.15 第一次リファクタリング
holypongさんに相談しつつ、リアルテックさんからもサイトの作成方法などアドバイスいただきました。ありがとうございます。
命名規則などをChatGPTに尋ねることで、より使いやすいオープンソース化、グローバル化の下地づくりをしていきました。
また、Meridian2の構想もこの頃から始まっています。
2023.09.11- 第40回日本ロボット学会学術講演会2023
Meridianを引用をした発表が2件もありました。
中部大学の梶田秀司先生の研究室からの発表です。梶田先生といえばヒューマノイド開発の第一人者で、「ヒューマノイドロボット」という教科書は二足歩行ロボットの開発者のバイブルとも言える存在です。研究室ではMeridainが多く使われているということで、大感激です。
何を隠そうMeridianもその目標の一つは、「ヒューマノイドロボット」を教科書として、まるで遊ぶかのように楽しく実践しながら学ぶことでした。Youtubeなどの動画学習環境も成熟しているので、この学びのコンテンツはなるべく早く実現したいと思っています。
2023.11- 不具合修正のための作業が難航
EEPROMやHeartToHeart3対応などを進めているholypongさんの指摘により、Meridian TwinのTeensy-ESP間のSPI通信は1フレーム1回としていましたが、データの往路復路を考慮すると2回あったほうが合理的であることが判明。
しかし、なかなかうまく動かず開発は難航。原因は変数型の読み違いというケアレスミスで、修正は4月までかかってしまいました。複数の目でチェックできるよう、コードをさらに整理して見通しよくせねばと痛感。
2024.04.27- SusHi Tech Tokyo 2024
お台場など都内数カ所で開催されたSusHi Tech Tokyo第一回目のイベントに、勇者ファイバリオンが展示されました。
ハンドユニット部のシステムとして、なんとMeridianをカスタマイズしたものが導入されました。
華姉りあんさんが作成したハンドユニットのハードウェアの制御用として、ほぼ近しい機能を持っていた既存システムと差し替える形で導入。ソフトウェア開発リーダーのみっちーさん、ファイバリオンのMeridian担当のholypongさんがカスタマイズと機能拡張に大きく関わりました。
専用のUnity連携やダイナミクセルサーボ対応、有線LAN対応、RP2040(ラズパイzero)対応など様々な進捗がありました。大感謝です。
2024.5.6 第二次リファクタリング
ファイバリオンへのMeridian導入作業の中、機能追加やカスタマイズの円滑のためにコードを機能ごとに分離しておくことが望ましいことに気づきました。
改めてコードをリファクタリングすることにしました。汎用性のある用語や変数名の設定のためにChatGPTを多用するようになりました。holypongさんのアドバイスをかなり取り入れており、リアルテックさんにもほどよい距離感で貢献いただいてます。
第二次リファクタリングはLITE版がまだ途中です。LITE版の改訂をTWIN版にフォードバックしたところで第三次リファクタリングとし、Meridianの初期バージョンを完成としようと思います。
そこから、カンブリア爆発のような発展ができると期待しています。
2024.6.15 Meridian開発会議#1(第1回応用部会)
開発がスタックしている間にも、Meridianを導入してくださった方の独自開発はどんどん進捗していたようでした。そこで、秋葉原ロボ★スタディオンさんでリアルミーティングを実施し、お話を伺うことにしました。
holypongさん、としぼーさん、野分機会さん、FrostyDesignさん、Reoさんが参加。
holypongさんはmocopi連携を中心にデモ。
としぼーさんは「あーりんロボ」を披露。PWMサーボ接続やChatGPT連携などの仕組みを紹介。
野分機会さんにはKHRベースで足裏に圧力センサのある「デルタ」を用いたIKによる歩行や動作をデモしていただきました。
現在に至る
githubを本格運用すればプルリクなどの記録が残りコントリビューターがシステム的にも明確になりますが、まだそこまで至っていません。
都度ちゃんとまとめていなかったので、お名前が漏れてしまっている方がいるかもしれません。見落としに気付き次第、加筆修正していく予定です。
Meridian開発はもうちょっとでリファクタリングが済みますので、それがようやく叩き台となります。
現行のMeridim90をより使いやすく拡張しつつ完成させ、並行してMeridian2も同時に開発していく予定です。
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