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URDF kitchen ができた!

Meridian計画。
前回の記事で、自作ロボットのCADデータからURDF形式に変換する方法について調べました。
Fusion360で設計している場合には1発でURDFを出力できるようですが、それ以外の場合となるとURDF化はなかなか面倒な作業になるようです。

自分も過去のロボットのほとんどはSketchUpで設計してきてしまったため、URDF化するにはFusion360にモデルを移植するか、コードをすべて手書きすることとなり、とても手間がかかります。
開発環境によっては、同じような境遇の方も多いのではないでしょうか。

シミュレーションの前にモデルをURDF化する道が意外と険しかった

そこで一念発起し、URDFの記述をGUIで補助するツールを作成することにしてみました。

そもそもMeridian計画はロボット開発の全てをつなぐ計画です。
多少遠回りでも、ここは作っておいた方がよいと考えました。

URDF kitchen ベータ版の誕生

AIコーディングの力を借りれば2週間ぐらいでパパッと制作できるかと思ったのですが、結局3ヶ月以上かかってようやく完成しました。

URDF kitchenはいくつかのpythonファイルからなるツール群です。
CADやCGツールからSTLファイルをパーツとして書き出し、そこにジョイントポイントを人手でマーキング、そのファイルを読み込んでノードで繋げるというpythonのツール群になります。
ボタン一発で出力できるというわけではないので、結局地道な作業が発生します。そんな作業を少しでも気軽に、料理を作るようにワクワク楽しみながらできるようにと、URDF kitchenと命名してみました。

URDF_kitchen_PartsEditor
URDF_kitchen_Assembler

以下がGitHubのリポジトリです。どなたでもDLして無料で使うことができます。

我ながらよくこんなものを作ったなというくらい、ソフトらしいソフトになりました。
昨日が若干増えてしまいましたが、このツールはいざ使えば手軽に楽しくURDFを作成できると思います。
カバーイラストはもちろん生成AIですが、このツールの便利さ、良さが少しでも多くの人に伝わればと思います。

URDF kitchen の使い方

使い方の概要はQiitaの記事としてまとめましたので、そちらをご覧ください。

この手の自己満ツールは使い方がわかりにくくかったり、説明不足であることが多いです。
マニュアルを作成することはもちろん、チュートリアル動画のようなものも今後準備していこうと思っています。

反応はいかに?

このツールが自分を含む数名以外の人にとって、本当に必要なものなのかどうか半信半疑のまま開発を進めてきました。が、なんと発表後にros公式Xに反応いただきました。
きっと世界のどこかに私と同じようにURDF化で悩んでいる人がいるはず、、、と思います。

うれしいリツイート

英語版のマニュアルなども整ったら、ROS Discourseにも投稿してみようと思います。
ある程度のバグは修正しましたが、まだまだいろいろ不具合はあると思いますので、使用される方をお待ちしています。
わからないところなどはXなどでお気軽にご質問ください。

今後の開発につながる経験値UP

このツールはノードのUIうまく使えるかどうか、AIコーディングがうまく使えるかどうかのテストも兼ねていました。ひとつのソフトとして形にすることで、開発規模の見通しが経ちやすくなってきました。

かねてより開発を予定してたストップモーションタイプのパネル型モーションエディタも、同じ手法で作成することができそうです。

計算による歩行などのモーション作成と、ストップモーションによるモーション作成を併用できるモーションエディタができれば、できることは飛躍的に向上しそうです。
さらに機械学習やデジタルツインによる現実世界での行動結果のフィードバックなども簡単に取得できるようにすれば、ホビーロボットの開発は一気に現代化できると考えています。

ネクストステップ

MeridianのUnity版のつづきを作っていきます。
また、物理エンジンのMuJoCoで動くMeridianを作る方が早いかもしれません。そちらもフィジビリティを検討してみたいと思います。


前回の記事:

目次:







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Ninagawa123
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