#9 世界は意外と大きくなかった
みんなにとって、ロシアって遠い場所ですか?自分がロシアにいるところを想像できますか?
私は旅が好きです。日本でも、海外でも、ありきたりだけど、見た事ない景色を見たり、嗅いだことない匂いを嗅いだり、なんじゃこの人?!みたいな人に出会ったり、その日初めて出会った人とご飯に行ったり、想像以上のいろんなものに出会える旅が大好きです。
初めて海外に行ったのは、中学2年生の春、当時の英会話教室の先生に連れられて訪れたアメリカはテキサス州でした。
その頃は満足に英語も話せず、レストランでメニューを電子辞書に打ち込んで翻訳し、それでも何かわからず憶測で注文して、「私の英語が通じた、、、嬉しい、、、」と感動に打ち震えました。
それから時は流れ、22歳を迎える今、渡航国数は10ぐらい、国内外含め、たくさんの場所をこの足で踏みしめ、たくさんの景色をこの目に焼き付けてきました。
幼い頃は知らない世界に飛び込むのが恐怖で、知らないことに直面するのが嫌いで、言葉も文化も食べ物も知らないことしか無い海外なんて漠然としていて恐ろしくて、死んでも行きたくないと思っていた。そんな私ですが、今は思いつきで飛行機を予約するくらいには私の価値観は変わっています。この変化に大きく関わっているのは、英語を学んで言語の壁が薄くなった、というのが大きいとは思うのですが、もう一つ、旅をしていて大きく変わった考え方があります。
それは、
知らない世界に飛び込んで、知らないという事実に直面すると、私はそれを知って理解することができる。そうすれば、それはもう知らない世界でも、怖い世界でもなくなる。少しづつ、知らないことが減って行く。
ということです。「いや、当たり前やん。」と思ったそこのあなた。そう、当たり前です。
でも、この当たり前のことすら、まずは知らない世界に直面するという経験をしなければ知ることができなかったのです。
この当たり前で(私にとっては)画期的なことを学んでから、私は知らない世界に飛び込むのが怖く無くなりました。それどころか、自ら知らない世界を知りに行くようになった!英会話の先生としか行かなかったアメリカで、自分たちの力でLAからNYCまで横断旅をしたり、バックパック一つ担いでベトナム一人旅をしたり、スイスの絶景を歩いたり。こうして世界中を訪ね歩いて、どんどん新しい世界を知って、知らないことが減っていって、知っている場所やことがどんどん増えて。想像も及ばない漠然とした広い世界を、一つ一つ自分の目と足で確かめて、少しづつ、私にとってのこの世界は小さくなっています。これが私が旅をしている理由だと思う。
世界の広さを知って、世界を小さくする。
矛盾しているようで、していない、私の気持ち。
私がロシアに行ったのは1年半ほど前のことです。
モスクワの聖ワシリイ大聖堂の写真をみて衝撃を受け、この景色を絶対自分の目でみたいと思いました。でも、ロシアってなんか怖いイメージだし、遠いし、でかいし、ほんまにいけるんかな。。と若干疑いつつ、準備を進めました。
ロシアに入国するには、まずバウチャーと呼ばれる旅程表を作成し、それを使って観光ビザを取得しなければいけません。日本からロシアまでは、中国の広州で飛行機を乗り換えながら、17時間の移動でした。これだけ聞いたら、大変だなあ、と思うでしょうか。私は、「ロシア行くのにこんな色々せなあかんの、めんどくさ。」と思いました。
でも、この過程を一つ一つ進めて行くと、気づいたらロシアに着いていました。そりゃそうだ、だって飛行機は予約すれば乗れるし、乗れば勝手に着くんやもん。
こうやって、実際に足を進めてみると、果てしなく遠く感じる場所も、今いる場所とちゃんと繋がっています。これを実感した時に、「ああ、世界って思ったより大きくないかもなあ。」とふと思いました。これって、旅でしか気づくことのできないことで、私にとってはとても大きな旅の魅力でもあるのかも。
こうやって過去の旅のことを思い出していると、ただただ、早く前みたいに自由にふらっと旅できる生活になってほしいなと思う、毎日です。