就活生が好きな「SIer」って離職率高い?
私も「SIer大好きセグメント」に属しており、新卒からSIerに入社しましたが結局転職しました。
なぜ、就活生にとってSIerは人気なのでしょうか。私も同じ立場だったので就活生が考えるSIerについて、志望理由とその実態について説明しようと思います。
※SIerを志望する学生、転職を考えてる社会人の人は読んで見てください
※同じSIerでも「そんなことはない!」という会社もあると思いますので、その場合はコメント欄でご意見ください。
22卒人気企業ランキング
2022年3月卒業予定の学生を対象に調査した『2021年卒 新卒就職人気企業ランキング』※楽天みん就調べ
1位 伊藤忠商事
2位 NTTデータ
3位 ソニーミュージックグループ
SIerの最大手の「NTTデータ」が2位。NTTデータってBtoBの企業であまり一般の人には馴染みがなく、就職活動して初めて知った方も多い企業ではあるのにすごいと思います。
また、10位以内に楽天、アクセンチュア、30位以内に野村総合研究所と言ったSIerが名前を連ねています。このようにSIerを志望する学生は多いことは確かです。
ですが、厳しい就職活動をくぐり抜けて内定を勝ち取って、晴れてSIerに入社した人はかなりの人数が離職しております。何故、このようなことが起きているのか私も含めた同期の実体験をもとに説明したいと思います。
SIerになりたい就活生の声
私は新卒採用にも携わっていた経験があり、就活生の志望理由をよく聞いていました。志望理由はたくさんありましたが、よく聞かれる志望理由は以下になります。
・SIerはいろんなの業界で活躍できて、多くの人をシステムという形で支えることができるから
・お客様の課題やニーズをシステムという形で落とし込んで構築まで関わることで、お客様と共に自分自身を成長させられると強く感じたから
・クラウドや最新のAI、最先端な技術に触れる機会が多いから
キーワードをあげるとしたら「いろんな業界との関わり」、「成長」、「最先端技術」です。
SIerに働いている人間から言いますと、これらは全て実現可能です。確かにSIerで働いていれば実現できます。
しかし、なぜ「3ヶ月経つと死んだ魚の目になるのか」そこには大きなギャップがあるからです。説明していきます。
異動が少なく、特定の案件ばっかりである
SIerは、いろんな業界のお客様と関わることができて、毎日いろんな案件を抱えて働いていると想像していると思います。
確かにいろんな案件を抱えている人もいると思いますが、1つの大きなプロジェクトの歯車となって働くことがほとんどです。
なので、「いろんな業界との関わり」はあまり感じることがありません。
例えば、保険業界のお客様の案件なら、だいたい保険業界のお客様の案件を2,3年続けて異動先も同じ保険業界。といったパターンはよくあります。
私の辞めた同僚も「先が見えない」、「変化のない毎日が続く」と言って転職していきました。
また、高品質が求められるシステムだと、同じような試験を何度も何度も繰り返したりします。また、そのようなシステムはだいたい開発期間が3年以上と長いため、「先が見えない」、「変化のない毎日が続く」と言う気持ちもわかるかと思います。
ITスキルが身につきにくい
一番ギャップが起きやすいのは「ITスキルが身に付かない」ところだと思います。
ここで言う「ITスキル」とはネットワーク、セキュリティといった設計スキルやコーディング等のプログラミングスキルです。
大手SIerはSIerの最上流(顧客から仕事を受ける元請け企業)に位置しています。なので基本的にはシステム開発・運用・保守のマネジメント側に回り、実作業は下請け企業に依頼する、という構造になります。そのため、どうしても社内調整や顧客折衝に追われてITに関わる機会は少なくなってしまいます。
マネジメント力は身に付きますが、近年では「マネジメント不要論」も出てきているこのご時世に必要なスキルかと疑問ではあります。(マネジメント不要論は以下にも書いてるので見てください!)
やはり、ネットワーク、セキュリティといった設計スキル、プログラミングスキルを磨くほうが市場価値も高いし、どこに行っても求められるスキルと思います。なので、そのようなスキルが身につく仕事を求めて転職する人は多くなっています。
(技術志向の方は)評価されにくい
会社によるかもしれませんが、SIerに入社して感じたことは同じ会社でも技術開発をする部署とお客様を相手にする部署とでは全く違います。現職での会社の評価方法として、『技術開発する部署 < お客様を相手にする部署』になっており、なかなか評価されにくいです。
例えば、「OSSにコミットを○件しました!」といった人を評価するのに、会社は「売上にいくら貢献したの?」「会社の事業の発展にどれぐらい貢献したの?」という軸で評価する場合が多いので、技術志向の社員の評価は難しいとされています。
技術的にはOSSにコミットは素晴らしいことですが、このような評価されにくいとモチベーション低下にも繋がります。
枯れた技術を使いがち
AIやクラウドといった最先端の技術を使って開発することで世の中がより良くなっていく!と思っている方も多いと思います。
しかし、クライアントによりますが、クライアントが求めているものは「とりあえず安定して動くもの」「要求を満たしているもの」です。
なので、システム更改時にも「安定して動くもの」を求められた結果、実績のある枯れた技術を使わざるを得ないことが多いです。
また、お客様の予算の都合上、新しい技術を導入するだけの人やお金を集めることも難しくなっていることも原因の一つです。
無限に時間、予算があるならSIerと言えども技術力はあるのでドンドン新しい技術を取り入れたシステムを生み出すことは可能ですが、このやり方は今の時代にあっていないのが現状です。
最後に
就職活動している人は、新卒で入る会社を決めるのは難しいと思います。ですが、近年では終身雇用、年功序列も崩壊しております。
また、転職市場もとても活発で転職する人は増えていますので、「一度入社したけど、やっぱりやめた。」は全然ありだと思います。
なので、あまり深く考えずに飛び込んで見ればいいかと思います。
個人的におすすめなのは、教育体制がしっかり整っている企業に入ってタダで研修を受けまくってから転職するが良いのではないかと思います!私はそれをやりました(笑)
私が転職した理由もnoteにしているのでよかったら合わせて読んでみてください!
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
にむ
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました! もし、よろしかったらサポートもよろしくお願いいたします。