ハニカム構造を知っている蜂ってスゴいっていう話
もう随分前、ベランダに黄色と黒の模様を身にまとった憎きアイツが飛んできた。
「蜂」だ。
ベランダの天井を見ると、りんごのヘタ(果軸というらしい)のようなものが吊り下がっている。蜂はそのヘタの周りを何度も往復する。飛び立ってどっかに行く。
行っては戻り、行っては戻り。迷わず帰ってくるのよ。どうやら巣作りをしてるらしい。最初はりんごのヘタのような芯を屋根に貼り付けた段階。蜂の帰巣の秘密は、
①巣の周りの景色を覚える。
②巣に特有の匂いをつける。
③太陽の位置をコンパス代わりにする。
うわうわ、もはや虫ではないな、脳みそがある。……ようだ。
巣作りに話しをもどしますよ。りんごの「果軸もどき」は蜂の巣のヘタになるようだ。蜂の巣といえば言わずと知れた六角形。「ハニカム構造」というなんとも可愛らしいネーミング。「はにかんだこうぞう君」を思い浮かべてみた。たとえるなら、ペーター?
ハイジの前でもじもじしてるような感じ。
そのペーターこうぞう君は空間に正六角形を隙間なく並べた構造こと。空間を平面に置き変えて考えると例えば丸を並べたら隙間が出来ちゃう。
部屋を最大限に利用するためには、丸い形は不適切。じゃぁ、正三角形、正方形でもいいんじゃね?って思うけど正六角形は、外周の長さが等しい場合にその面積が最も大きくなるらしいのよ。
それに正六角形は外周が最も短いらしい。つまり、巣作りに使う壁の材料を最も少なく作ることが出来る。少ないということは軽量ってこと。それだけじゃない。正三角形でも正方形でもない正六角形は、強度もスゴ。巣にかかる荷重を六面で 分散 させるから、強度もスゴいんだって。
まとめると巣が正六角形なのは
①面積が広い
②材料が少なく作れる(必然的に労力も助かるよね)
③強度バツグン
なるほど。正六角形ってスゴ。驚異の正六角形。
でも、何故?蜂って虫だよ?
人間様のわたしが知らんことを何故、虫ごときが知ってるんだよ?まぁ、学生時代のわたしの数字は100点満点中の一桁代。そんな経験あるからね、わたし。
でも、虫ごときに負けてるなんてサ。なんてサ…。(泣)
蜂はこの世に誕生してからずっと進化し続けてきたのね、あーでもない、こーでもないって。
でも何故、虫ごときがあんなに綺麗な六角形を作れるかってのは、もうこりゃ、正に神さまの領域。考えたら頭が余計に変になるし、きっと答えは出ないだろうて、考えない方がいいかも。考えないってのもまた正しいことだと思う。
もひとつ、虫といえば、「アリ」。アリといえば「働きアリ」。アリのコロニーでは、2〜3割も「働かない働きアリ」がいるんだってさ。働かない働きアリなんて必要ないんじゃね?
って思うかもだけど、実は、せっせと身を粉にして働く働きアリが疲れたとき、「働かない働きアリ」
が代わりに働いてくれるんだって。全員が疲れちゃったらコロニーが終わっちゃうからなんだって。人それぞれ役割ってものがあるのね。あっ、人それぞれじゃなくて、アリそれぞれ。
いやぁ、でも人も同じ。いらない人間なんていない。みーんな世の中に必要。
だから、生まれてきたのよ。
ってわけで、蜂の話しに戻るけど、うちのベランダに家賃も払わず蜂の家族が居座られちゃ困るし、刺されてもヤダ。なので、果軸みたいな蜂の巣の芯を取り除きましたわ。しっかりベランダの屋根に張り付いていて、こんな接着剤を開発した蜂様、なんてすごいお方なのだ?と思いながらも人間様のわたしは遠慮なく綺麗さっぱり取り除かせていただきました。
しばらくして戻ってきた蜂が
「あれ?この辺にアタシが作っていたおうちありませんでしたか?」
と果軸みたいな芯があったあたりをウロウロ飛び回ってた。
ちょっとかわいそうだったけどね、おうち作るんならコンクリートの塊に作るより、大自然の緑あふれたとこにしてよ。ホントは人間だって緑がたくさんあるとこに住みたいのよ。色々複雑な事情でそういうわけにもいかないんだけど。
てなわけで
蜂さん、悪いけど、あっちいっとくれ。では。
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