同じ床の上(2)雨の日に窓を開けると家は湿気るの?
実家の部屋を整理してた。
真夏にしてはよく雨が降り、蒸し暑い日だった。
夏休みの夫が手伝ってくれて、
粗大ゴミをふたりで担ぐ。慣れない仕事は余計に汗が出る。
その上、クーラーのない部屋での作業、窓を全開にして少しの風をも欲した。
廊下からスタスタと早い足音がする。それが近づいて来たと思った瞬間、
81歳の超ジコチューな
実母が部屋に入り、窓に向かって猪突猛進する。
そして
バシンっ!
と
窓を閉めた。
夫の驚倒した顔は、そのままわたしの顔だっただろう。
背中に汗が流れるのを感じた。
「えっ?何で?」
と
声にならない声が母に聞こえたかどうかは知らん。
母は、一言、
「家が湿っける!」
そう言い放ち、その場を去った。
自己中、自己愛、巨大自信。
周囲の人間関係、関係ない。
そんなふうに生きられたら、ある意味うらやましい。
そんな生き方がいいのか、悪いのかは、知らん。
そんな81歳の実母と同じ床の上での同居の日々を灰汁(アク)と嫌味と少しの愛で綴る。
母は
「雨の日に窓を開けている人なんてどこを探してもおらん。」
という。
いや、目の前におるがな。
雨の日の窓開け。
いいんか悪いんかは知らん。
しかし、いきなり猪突猛進、バシンっ!は鬼。
しかも、自分の住んでいる家を汗水垂らして整理してくれてる人達に対してする事ではなかろうに。
ヨタヨタしながら、赤錆が点々と散らばった古くさい扇風機を持ってきてくれたのは夫だった。
母は、鬼舞辻無惨の血でも分けてもらったのかもしれない。
そんな空想劇を彷彿する出来事だ。
そこで雨の日に窓を開けると湿度が上がるのか…っと
マジに検索をしてみた。
何でも検索
森田健作。
雨の日でも、窓を開けて換気をする必要がある。
窓を開けると湿度が上がりそうな気がするが、開けずにいると、空気が停滞する。
家は、水回りや、外からの湿気にも影響を受け、湿度がどんどん上がっていくため、窓を開けた換気が必要。
という文字。
勝った!
という気分だ。
確かに昔は、雨の日に窓を開けるなんて御禁制だったらしいが、研究に研究を重ねた現代の専門家がそういっているんだから、
わたしは勝った。
勝ったんやぁーーー!っ!
雨の日の換気についての検索結果をうちの鬼舞辻さんに教えてあげた。
しっかし、
昭和がんこオヤジの女バージョンみたいな母、
「誰がそんな事を言っとるんや?
そいつ連れて来い。」
聞く耳持たずだったのはいうまでもない。
歳をとってからの情報のアップデートは難しいのか、それともただの意固地なのかは知らん。いや、たぶん両方だ。
ネットでみつけた「頑固な頭」への対処法として、
*相手を否定しない
*相手に期待しない
という文字を多くみつけた。
*「相手を否定しない」
↓↓↓↓↓
「うんうん、雨は湿気るよねー。
そういえば、おにぎりせんべいがしっけてたよ。」
って感じ?
*「相手に期待しない」
↓↓↓↓↓
「鬼舞辻無惨の血だよ、仕方ないさ。」
って感じ?
こんなんでええんかな。
まぁ、いっか…。
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