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同じ床の上(1)・クサッた足と箱ティッシュ
自己中、自己愛、巨大自信。
周囲の人間関係、関係ない。
そんなふうに生きられたら、ある意味うらやましい。
そんなうらやましい生き方をする81歳の実母と同じ床の上での同居の日々を灰汁(アク)と嫌味と少しの愛で綴る。
1話
〈クサッた足と箱ティッシュ〉
30年前の箱ティッシュが出てきた。
実母は、30年近く、一人暮らしだった。一人のわりに部屋数の多いこのウチで、捨てずに溜まっていく不用品をあっちの部屋、こっちの部屋と置いていった。
大袈裟かもしれんが、テレビの情報番組であれこれ言われるゴミ屋敷を笑うことが出来ない。
81歳の母は、老いていく自分に不安を感じていた。わたしに実家に来てもらい、一緒に暮らして欲しいと、同居を懇願していた。
難しい性格の母と同じ床の上なんてと、戸惑いや懸念もあったが、わたしは同居を決意した。
今年1月に前立腺がんの手術をした夫も、母を気遣い、夫は定年までの数年、単身で今の土地に残ることを快諾してくれた。
こちら側にどんな葛藤や不安等があってもそんな事は知りましぇん!
と言った感じの母である。
そこはしかと受け止めてほしいが
まぁ、無理やろな。
まずはこのウチのゴミや不用品をなんとかすることからはじめなきゃならん。
ほこりにまみれた30年ほど前の箱ティッシュが出てきたのは、わたしが同居をはじめてからすぐ、各部屋の整理をしていた時だ。
30年ほど前の箱ティッシュは、現在と比べて厚みがある。2倍近くあるのではないかと思う。
奥が昔の箱ティッシュ。
手前が現在の箱ティッシュ。
何故、現在の箱ティッシュは薄くなったのか、以前、NHKの番組で紹介されていた。
5箱のまとめ買いをした時、平均的な身長の女性が持つと地面についてしまう。それを回避するために箱ティッシュは進化を遂げ、薄くなったらしい。
おぉーすげー。
今まで、何気に箱ティッシュを使ってきたが、一枚取ると次の一枚が顔を出して待機する、なんともすごい技術は感動もの。
ティッシュの開発をした方々に
敬意を表す。
わたしが、ティッシュさんスゲーっとエモってる時に81歳の母が
「お前の歩いたとこが真っ黒や!そのクサッた足をなんとかせい!」
と怒鳴る。
「クサッた」とは「臭い」ということか、「腐った」ということか、どっちなんだろう?とマジメに考えたわたしはアホやろか。
不用品が山盛りになったほこりまみれの部屋を片付けているわたしの足の裏が汚れクサリ、歩いたとこ、歩いたとこが汚れると怒る母。
リビングや洗面所は、コレでもかってほど磨きあげている母は、掃除をするとこ、しないとこの偏りもハンパないわけで、磨き上げたリビングをわたしのクサッた足の裏で汚され、怒り心頭するってわけだ。
いやいや、わたしも悪いけど、もうちょい柔らかい言い方できんのかい?
ねぎらいの言葉というものを忘れたのか、そもそも知らないのか、
あぁもう、どっちでもええわ。
30年前のティッシュの方が数千倍も柔らかいわ。
ちょっとほこりくさいけど。
#箱ティッシュ
#30年前の箱ティッシュ
#クサッた足
#ねぎらい
#あっしの足おやじギャグ笑えん