「俺の前立腺、癌やったわ」〜夫が癌になって〜⑥言葉より大切なこと
夫の癌を実母に告った時、
「人生、色々あって面白い」
などと、けっしておもしろくない発言をした実母は、どういうわけか、今度は、
「なるようにしかならない!
必ず道は開ける!」
などと、小学生作文の文末にありがちな、なにかの決め台詞みたいなことを言ってきた。
分かってる。分かっているさ。
元気づけようとしてくれてんねんな。
せやけど、
あなたからそんな言葉はいらんのよ。
なんか素直に受け取れず、ポロンと心のもやもやが口に出ていた。
…さて、夫は医師に
「手術の前に骨や他の臓器に転移がないか検査しましょう。」
と言われて病院へ行った。
「さすがの俺も転移があったら泣くわ。30分位は…」
(えー、30分でええんかぁーい)
もしも転移があったなら、夫は50マンのタキシードをオーダーメイドするという。
何でタキシードなんでしょか。
話が戻るけど、そういえば、
なんの根拠もない、
「必ず治る!」
って言葉もそう。自分自身に言いきかせ、鼓舞して念じる意味ならいいかもだけど、うちの母に言われると素直に「ありがと」って言えないのは何でだろう。
長男は言う。
辛くて弱ってる人に対しては、おざなりでありきたりの言葉より
『共感』
と
『寄り添い』
が大事なんじゃないかな…
黙って話を聞くことや
わかるよ、と共感する。
うん、そうだなと思った。
なかなか言うようになったよね。
もう、長男、27歳。
そうだ、ならば、わたしは長男が辛い時、より良い寄り添いが出来ていたのか、共感することは出来ていたのか?
何だか自分に問われているようで、
消沈。
たぶん出来ていなかっただろう。
To be continued
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