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【番外セイリング05 DAY2】燧灘から備後灘に入り、志々島・粟島へ

先週の記事は春の瀬戸内海セイリングの1日目でした。

今週の記事は2日目の記録です。

■仁尾マリーナから出航

ほのかな二日酔いで目覚めると、

バウバースを独り占めさせて貰った

眼前に広がる知らない天井。
ぼんやりした頭で「そうそう、ここはキャビンだった」と気付くまで1分弱。

春のセイリング2日目、今日は燧灘ひうちなだから荘内半島を越えて備後灘びんごなだへ入り、粟島へ向かう予定です。

個人的には荘内半島の東側に行きますと、一気に草間彌生瀬戸内国際芸術祭感が出ますな。
実際はさらに東、瀬戸大橋をくぐった先くらいが国際芸術祭のメインエリアなんでしょうが、なんとなく燧灘の渋い観光地から瀬戸内のイマドキ観光地みたいな違いがある感じ(当社比)。
燧灘エリアにも映え系のスポットありますけどね、仁尾マリーナ近くの父母ヶ浜とか。
「とか」と言いつつ、それしか思い付かないのは秘密。

↑個人の感想ね

ヨットから這い出して外を見回すと、天気は相変わらずの黄砂で霞んだ感じではありますが、昨日より若干風はある感じ?
洗顔を済ませたら舫を解いて早速出航。
ティファニー… じゃなくて、海上で朝食を。
昨日買い込んだ適当なパン等で済ませる予定です。

仁尾マリーナを後にし、

右手は香川のモン・サン=ミシェル(と今決めた)、丸山島
干潮時には歩いて渡島出来るって

幾つかの漁網を避けてクリアな海域に出れば、

メインセイルとヘッドセイルを展張。

昨日より幾分風があり、セイルを撫でる風がグイグイと艇を進めてくれます。
ググっと風が入った時のヒール傾きが心地いい。

■備後灘へ

昨日同様(多分黄砂で)霞んではいますが、鼻歌も軽やかに進んで行きますと、

視界が白いですなぁ

あれは荘内半島西端、讃岐三埼灯台かな?
BINGO!
備後灘びんごなだだけに…

東南東に転針し、しばらくして見えてきたのは箱埼灯台。

雅な佇まいの灯台ですな

灯台左手に見える防波堤の向こうは箱浦港。
浦島太郎がここで玉手箱を開けたという伝説が(←こういうの全国にあるよね)。
確か近くに浦島太郎のお墓があった気がする(違ったかも)。

ここまで来れば、左手には今日の目的地の粟島あわしまが間近に。

「粟島に行く」と言うと、「佐渡(の粟島)に行くんだ!」と間違われる事の多い島

かつての西回り北前船の寄港地。
明治時代に作られた、日本最初の国立海員学校が有名ですな。
今は粟島海洋記念館本館として建物が遺されていますが、老朽化のため数年前から立ち入り禁止で、外から眺めるだけになっているとか。

粟島
132世帯に216人の住民
周囲17.4km
最高地点は城山じょうのやまの標高222m

SHIMADASより

しかしまだお昼前。
ちょっとここでセイリングを終えてしまうのももったいないので、もう少し延長。
昨日、仁尾マリーナでおでんの大根をかじっている時、桟橋を通りかかったマリーナのボート?ヨット?のオーナーさんから

「”ししじま”もいいよ、芝桜がきれいで」

と聞いていましたので、検索。

■志々島へ上陸

ししじま… 志々島?これか。
獅子島(←鹿児島だったか熊本に実在したはず)じゃないのか、なるほど。

左のハンドスピナーのような形の島が粟島、その右隣が志々島。

ふむふむ、お隣の島なのね。

志々島
13世帯に18人の住民
周囲3.8km
最高地点は横尾の辻の標高109m

当然SHIMADASより

人口18人!!

とりあえず近づいてみると、

芝桜は天空にあるっぽい

なるほど、確かに山頂付近には桃色に彩られた部分がありますな。
あれか… 山の上じゃん…(意気消沈)

世の中にはヨットに乗る人とヨットに乗らない人の2種類しかいない。
というアーネスト・ヘミングウェイ(嘘、今考えた)の名言に共鳴し、

この陸地おかは我々のものではなく、この島々も我々のものではない。
だがこの海は我々海の眷属セイラーのものであり、そして私のものだ。

と、さらに今考えたホメロスっぽい言葉(っぽいというだけでテキトーに書いただけなので、誰かに自慢気味に話しちゃダメですよ)通り、もうここで十分満足しました。
簡単に言うと「坂を登りたくない」
今ねー、私の肝臓が昨晩摂取したアルコールの分解で忙しいのよ、他の事に割ける体力は無し。

それでも時間は余っているから、「港っぽいところまで接近してみますかね」という事になり、さらに島に接近。

途中、粟島から志々島に向かう連絡船に抜かされ。

島の大切な物流インフラを担っているんだろう

その連絡船が向かったあたりを目標に接近すると、

それっぽい桟橋がありました。
プレジャーダメ!という情報も、そんな看板も見当たりませんし、実際にプレジャーボートっぽい船もいますので我々も接岸してみます。

クリートではなく繋船柱ボラードと言うところに
プレジャー用じゃない感がある

タコのタワマンたこ壺が置いてありますな。
フォアステイの奥に写るのは亀笹島、その向こうは見立のあたり?
同じ桟橋に係留されているのはプレジャーボートだと思ってたら、

海上タクシーと書かれています。
これも連絡船と別の生活インフラなんでしょう。

港全体を見ると、

こんな感じ。

港には、

こちらもまた、たくさんのタコの大規模住宅があります。
住宅って言うか罠だけど。
これを船に積んだり海に放り投げては回収したりと、結構な労働よね。

ぶらっと歩くと田舎のよくある光景、お婆さん達が椅子を並べて井戸端会議をしています。
全島民の1/4近くが参加する大会議ですわ(人口18人)。
何もお金を落とさないというのもアレなので、商店とか土産物屋さんが無いか尋ねると、

「そこの休憩所にしている商店でアイスならあるけど、今は閉まってるよ。それより樹齢千年の見事なくすのきがあるから見ておいで。」

と教えてくれました。
あぁ、

道の先に座っているのが井戸端会議中のお婆さん達
この亀、甲羅が表裏反対では…

トイレの所にあった看板のアレですね。
亀さんの指す方向に1.2kmか…
「うーん、約束もあるので(←何の?)また来ますわ」
と辞してヨットに。
タダ上陸すまない、その代わり宣伝しておくからね。

志々島良いところですよ!

芝桜も、他の花々も綺麗!(だと思う)


10分20分の滞在で志々島を後にし、

右の方の白いゲートのようなあたりが連絡船の桟橋

本日の目的地、粟島へ向かいます。

■粟島へ

目印はターコイズの大きめの建物、粟島海洋記念館資料館(旧粟島海員学校)です。
その真ん前に桟橋があり、本日はそこに係留予定。

ビビハニムモスクばり(←言い過ぎ)のターコイズ色の建物を視認。
あれかー。

再び入り口を間違えそうになったり、生け簀か何かのブイ群を避けると言ういつもの様式美を見せつつ入港、係留。

今日のセイリング終了。
4時間30分ちょうどを全行程18.73マイルでした、近いなー。
平均4.16ノット。
昨日と違って帆走区間が長かったので、速度は若干遅くて4ノット台前半。

海員学校校舎があってカッコいいロケーション
しっかり護られた港
バースもいくつか

電気や水こそありませんが、浮桟橋はありがたい。
本日は写真の右側に見える粟島海洋記念館資料館の裏手にあるホテルに宿泊予定です。
まだ13時前。
デッキで到着の乾杯をしつつ、ちょっとセイル関係の艤装に問題があったので1時間半程いじくりまわしてヨットを後に。

■粟島をぶらり

桟橋から島へを登ると

そこにはターコイズの色も美しい粟島海洋記念館(旧国立粟島海員学校本館)。
残念ながら老朽化のため、現在は中に入る事は出来ません。
そしてそのお隣が、今晩泊まるホテルル・ポール粟島

良くも悪くも3セクの匂いのする佇まい。
おそらく自治体や町の建物ハコモノで、指定管理業者が運営してるんでしょうな(違ったらごめん)。

カウンターの所には

調べていませんが、これは絶対に三豊市の地域通貨なんでしょう。
しかしなぜわざわざMITOと言う名に…
何をどう考えても日本人の99.9%は真っ先に水戸を思い浮かべると思うんだけど… 残りの0.1%の人はアルファロメオのミトか、マニアならカジバのミトだよ、誰一人MITOと三豊みとよと結びつける超想像力豊かな人なんかいないって。
ワンチャン、水戸市と三豊市の地域通貨の通貨スワップ協定が締結されている可能性も…(ありませんし、そもそも通貨スワップ協定とはそう言うものでもありません)。

ま、いいか。
部屋に行きますわ。

必要十分なお部屋

この部屋の窓を開けると、

先程の海員学校(粟島海洋記念館)の真裏ビュー。

とりあえずシャワーで潮と汗を流して散歩しますか。

お墓、民家、船という珍トリニティな風景。
通りすがりの島民と思しき方に商店の有無を訊ねると、すぐ先にあると。
指さされた方向に歩き進むと、唐突にこの看板(?)が。

コンビニ??
いや、騙されないぞ。
例えば八丈島でコンビニと言えば、島で一番遅くまでやってる雑貨店の事だった(それも2023年に閉店)し。

半ば観光者の休憩所よね

ほうらね。

品揃え豊富な… と言うと詐欺罪で起訴されそうな店内ではありますが、無いよりはずっとコンビニエントなお店ですから看板に偽りなし。

明日の飲料と食料を仕入れます。
冷蔵のうどんを1玉発見。
お昼ご飯は3人分必要なので、他にないかと尋ねると1玉しか無いとの事。
冷凍うどんなら数があったので、そちらを仕入れます。
具材は…んーーー  油揚げとじゃこ天を発見!I choose you!
野菜はキャベツくらいか… 吉田のうどん(山梨は富士吉田周辺で食されるキャベツと馬肉の入ったうどん)ではありませんので、野菜はパスするか。
小麦も植物から野菜だろ精神で乗り切るわ。
スープは出汁の出る魚介か何かと醤油を… おお!ヒガシマルのスープを発見!
これはペットボトル(500ml)1本の水で2袋ちょうどと、作るときに味見も不要で色々面倒臭くない便利なスープ。
他には… 割り箸か。
割り箸の場所を聞くと、祝い箸しかないとの事。
こういう島のコンビニだからか、確かに祝い箸や水引の品揃えは抜群だ…
それらに関しては都内のコンビニを凌駕する品揃え。
「家にあるのあげましょうか?」というお店の方の優しい言葉を辞して、祝い箸を購入。
明日のお昼はじゃこ天きつねうどんに決定。
あとは道中のお菓子を幾つか購入してお店を後に。
何かこう… 島に来たときは島にお金を少しでも落とさないと…と思うんですよね。

若干奥まった場所にあるお店から道路に出る寸前には

オリジナルの一時停止が。
これって何ヵ所かで見かけましたが、瀬戸内国際芸術祭の作品の一環かしら?と、前を見ると

こんなのも。
確かに右は右だし左は左だわ。
左右確認しろって事かしら?

ホテルに戻って夕食。
こちらは

真鯛は鼻の穴の数で天然と養殖の見分けがつくよ!

鯛しゃぶ(写真ないわ)やお刺身、天ぷら等、真鯛を主軸に据えたメニューでしたな。
ご馳走様でした。

念のため、ヨットの夜のパトロール。

桟橋には結局我々のヨットだけでした

向こうの明かりは四国本土。
こう言う島にいると、向こうが大都会に見えますな。

それではお休みなさい。

と言うのを約1分にまとめた動画がこちら↓

Google Mapsでのトラック航跡はこちら(赤がレグA、黄色がレグB)↓

Walkmeterでのデータはこちら(クリックして下さい)↓

仁尾マリーナ→志々島は
15.97マイルを3時間56分
平均速度 4.05ノット
でした。

志々島→粟島は
2.76マイルを34分
平均速度4.86ノット
でした。

↓Reliveの動画はこちら(クリックして下さい)。


3日目に続く↓