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【Tips09】やっつけ仕事のサイコキネシス・オートパイロット

電波法の絡みもあるかもしれないし、或いは無いのかもしれませんが(技適マーク的な話ね)、今回の話はフィクションとしてお楽しみ下さい。別に楽しくはありませんけども。
フィクションなので真似もしないで下さいね。

サイコキネシス psychokinesis[psỳcho・kinésis]
超能力の一つで、意思リモコンの力だけで物体を動かす能力のこと。

オートパイロット autopilot [áuto・pìlot]
どんな天気・気温下に於いても、電気さえあれば文句の一つも言わずにラットやティラーを動かし続けてくれる最も優秀なクルー。
ライバルはウインドベーンと、操船したい盛りの新米クルーやゲスト。

さて、半年程前になりますか?広島にお住まいのセイラーさんが、電動ウインチをリモコンで動かすのにこんな汎用リモコンユニットを買ったと言う話を某SNSのメッセンジャーでお伝えして下さいました。
それを見た私は、
「おお!こんなのあるのか!!それなら(ヨットに限らず)色々と使えるぞ!」と、また技術的挑戦良からぬ考えが浮かびまして、早速私も後に続いて購入しました。
チャンネル数(動かせるスイッチの数)や、付属するリモコンの数にもよりますが、2〜3千円で買えますからね。

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↑それがこれですわ。
これは夏の間、使い道を考えてずっと寝かしていました。
そのお陰で、元の香りはオレンジとフレッシュいちじくのアタックでしたが、今はフランボワーズ、乾燥バナナ、ブラックベリー様に変化し… てはいませんな、ワインじゃないから。

話は飛んで(むしろ本題に戻して)先日、エンジンの側面にアクセスするためにロッカーの壁を切り取ったじゃないですか?
その時にロッカーに入っている物(主に桜の救命胴衣、形象物やあまり使わないけど無いと困るもの)を全部出したんですが、ちょっと太いパイプを入れておりまして、それを出す時に誤ってオートパイロットのリモコンのレシーバーを壊してしまいました。
レシーバーがロッカーの内壁に取り付けてある事をすっかり失念していたのが原因なんですが、どれくらい壊したかと言うと基盤が割れるくらいと言う酷い物で、ちょっと修理すると言うレベルではありませんでした。
以来…

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神棚の如く祀られているこのオートパイロットのリモコンは、完全にお飾りに。
「僕はブルジョワなんで、リモコンを持ってるよー」と自慢するためのツール以外の用途が見つかりませんわ。
レシーバーを買えと言う話ですが、ご想像の通り値段が高いしね…

私はこのオートパイロットのワイヤレスリモコンと言うのは初めての装備でして、今まで乗ってきたヨットには付いていませんでしたし、それ故に必要も全く感じていませんでした。

しかし人間と言うのは恐ろしく物臭なもので、一度その便利さに慣れてしまうや、無いと相当な不便さを味わう事に。

恐らくジャワ原人やネアンデルタール人にライターを渡したら、火起こしなんて技術は一気に廃れてしまうでしょう。
その数十年後(ネアンデルタールの寿命知らないけど、多分3〜40年くらい?)にライターの供給を止めたらきっと発狂しますよ、火起こしの技術がロストテクノロジーになってるんだから。

このリモコンこそ、まさに私のネアンデルタール・ライターの位置付け。
今まで無くても十分やっていけてたのに、有ることが当たり前になった後で奪われると困る!!
かと言ってお金が減るのもかなり困ります。

そこで(テム・レイが)考えたんですよ、これを。

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いや、モビルスーツ RX-78-2 ガンダムじゃなくてオートパイロット Raymarine ST1000+に取り付けるんですけどね。そして新型記憶回路ではなく、汎用リモコンユニットの話ですが。

と言う事で、今回はこの汎用リモコンユニットでオートパイロットを動かす事にしますよー。

オートパイロットのボタンは6つ、これなら6チャンネルのリモコンユニット買っておけばよかったな。 残念ながら購入時はオートパイロットに取り付ける事は決まっていませんでしたので4チャンネルのもの。つまりボタン4つしかコントロールできませんわ。
ま、今は手元の物で済ますしかありません。

ギックリ腰(←かなり痛む)と言う名の諸事情で、ヨットでの作業は富士山レーダーのレドームをレシプロエンジンのヘリコプターで運んで設置するくらいの難易度(昔、NHKのテレビ番組でやってた)なので、オートパイロットや必要最低限の道具を自宅へ持って帰って来ました。

まずはリモコンユニットのケースを開けて…

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ふむふむ。

っと、その前に

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オートパイロットのカプラー、本体ではなく壁側に設置されるカプラー(2ヶ月前に買ったやつが本当に役に立つとは…)に配線をし、安定化電源に接続してオートパイロットに通電。

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自宅にオートパイロット、何か違和感たっぷりな風景ですがちゃんと動きますよ、当たり前ですが。

このボタンにリモコンユニットのソレノイドリレーをつなぐだけ。
ソレノイド(電磁石)だから液晶画面下にあるコンパスセンサーに近いとダメだな、きっと。

早速…

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スイッチの端子に線をハンダ付けし、その線をリモコンユニットの各端子へ。

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リモコンユニットの電源は、オートパイロットの電源を横から拝借。
残念ながら、取り付けておきたいヒューズ(やヒューズボックスも)全てヨットにあるので、漢の直結仕様。

ボタン4つ分で配線は8本、それに電源の線が2本、合計10本の線になるので10芯ケーブルとかを買ってスマートに、かつ1本1本の線の色分けをしたい所ですが、残念ながら手元には青い0.2sqのコードしか無かったので、全ライン青で統一、しかも0.2sq×10本のバラバラと、望んだ物と全く逆ですわ。
いいのいいの、動けば!

実際動かしてみると、

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ああ、そりゃこんな単純な物ですから大丈夫ですよね。

ではこのユニットを筐体に入るようにしますよー。
筐体の空いたスペースにこのサイズはどうしても入らないので…

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色々計測すると、基盤の不要な部分をカット…

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すれば押し込める事がわかり、カット。

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配線を外したら、どの線が何だかわからなくなるという事前に起きる事を確信していたトラブルがやはり発生、再度ユニットと結線して機能チェック再び…  1本1本確認して今度はテープでペアの線を留め、マジックでマークを書きます。
最初からやっとけと言うツッコミは無しで勘弁して下さい。

配線をツイストチューブ等でまとめたいところですが、そう言う洒落た資材は全てヨットにあり、タイラップすら家にはありません。
仕方がないので養生テープで配線を巻いてやります。

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駆動部に配線が噛んだり欠損させたり、あるいは短絡したりしないようにクリアフォルダを切ってカバーにしてやりました。
(このクリアフォルダ、仕事の鞄の中を漁って出てきた物ですが、クリアフォルダの中には昨年の年末調整の紙が入っていました。ほぼ1年ここに入れっぱなしだったのか…)
基盤は写真左側の駆動モーターの横の隙間に突っ込むので、モーターを固定している隔壁的な部品を、配線が通る分だけ削りました。

削ると言ってもドリル等も全てヨットに置きっぱなし。

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考えた末、電工プライヤ(しか摘む道具が無かった)で太めのネジ(組み立て家具の予備とかのやつがあった)をガスコンロで炙り、それを押し当てると言う強引な方法でグルーヴを作りました。

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リモコンユニットの基盤はここに。
モーターと基盤が接触しないよう、こちらもクリアフォルダをカットしてカバーに。
薄いゴムシート(←カバーになる)やネオプレーンシート(←基盤の固定にぴったり)も全部ヨットなんだよなぁ…  家では何もかもやっつけ仕事。

とにかく全てを筐体の中に突っ込んで、組み立てて動かしてみると…

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大丈夫ですね、ちゃんと動きます。
せめて不具合時や混線時にカット出来るスイッチと短絡時等用にヒューズは付けたかったところですが、手元に無い物は仕方ない、そのうちやります(やるやる詐欺にお気をつけ下さい!)。

翌日、ヨットに行きまして動かしてみましたが、

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ま、そりゃ動くよね。

相当なやっつけ仕事でしたが、全てがオートパイロットの筐体の中に入ったのでこれで良しとしましょう。 見た目は普通のST1000+ですからね。

■余談

関係ありませんが、この後に家に帰ろうと車のドアノブに手をかけると… 鍵が開きません(ウチの車はキーレスなので、キーがあれば、ドアノブに手をかけると開錠する)。
うむむむ?
バッグの中から車のキーを探して、開錠ボタンを押しますと…
シーン…
一応、キーには物理キーが入っていますので、

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物理キーを抜いて、ドアの鍵穴に差し込んで回すとドアは開きました。
車側のバッテリーのせいとかでは無いようです。
確か特定の場所にこのキーを置けばエンジンはかかったはず(物理キーを差し込む穴は無いので、物理キーでエンジンはかけられない)。
しかし本当にキーのバッテリーが無い?キーのバッテリーの警告なんか出てなかったような??
車から一旦ヨットに戻り、キーを開けてみますと…

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んー、CR2032か… 3Vだから単三電池を2つ接続すれば… はっ!?

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ありましたよ、ヨットに!
そうそう、首から掛けるLEDライトを積んでいるのですが(夜の桟橋や狭い隙間の整備に便利ですよ!)、その予備バッテリーを見るとCR2032!

でかした、自分!


この後、バッテリーを交換したキーはちゃんと動作して普通に帰れましたよ。

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なぜキーのバッテリー警告が点灯しなかったか謎ですが…