【エンジン不調02】【フィラーキャップ01】懸念のある部分は必ずダメになる
エンジン不調01からの続きです。
って言うか、01で完結してたはずなんだけど… 不調再び。
ここ3週間は知人のヨットに乗せて頂き、明石海峡大橋をくぐって家島に行き、また別の知人のヨットでは四国から瀬戸内海を弓削島に行きと、呑気で無責任なセイリングを楽しんで、〆は自艇で無風セイリング(釣りとも言う)。
しかしその裏では、敢えて書いていませんでしたが、業者さんに私のヨットの修理を頼んでいたんですよね。
ええ、ちょっとエンジンの調子が…(と最初は思ってた)
「お前、1月にエンジンを降ろしてオーバーホールしたばっかりだろ!」
と言う声をよそに、ダメな箇所があって修理ですわ。
修理と言うか何というかですが…
事の始まり、そして顛末はこうです。
◼️止まって、そしてかからない
マリーナに来た時は、ヨットを出さなくとも最低は軽くセルモーターを回してクランキングし(エンジンの)始動を確認するか、時間があれば水道をつないでエンジンを5分程度1,500rpmくらいで回してやります。
その日も水道からホースを伸ばし…
モーターフラッシャーに接続し、冷却水の取水口に水を与えてエンジンを始動しました。
うんうん、ヤンマーらしい湿った感じの良い音だ… なんて悦に入っていると…
プスン… ピーー(←警告音)
3分ほどするとエンジンが停止。
以降、何度クランキングしても始動しません。
と言うか、本来排気口からうすーーーーい排気ガスが
見えるはずですが、それが全く見えないんですよねぇ。
燃料が燃えてないか、そもそも燃料が行ってない?
2YM15は、言わずと知れたディーゼルサイクルの原動機故、CDIだのプラグや、キャブレターのフロートだとかは無縁です。
燃料がシリンダー内に噴射され、ちゃんと圧縮さえあればエンジンは延々と回り続けるはず。
しかし(スターターをエンゲージして)クランキングした感じでは、明らかに燃料が行ってない感じ…
この症状、半年前にも出ていました。
【エンジン不調】格付けが落ちたエンジンの時ですわ。
この時は、結局
燃料ポンプからインジェクションノズルまでのパイプをバラして洗浄したくらい。
組み戻したら直っちゃて、ホットスタートテストでも後日のコールドスタートテストでも再現しなくて、そのまま放置だったのよね。
もう完全に直ったと思っていましたが、確たる原因が不明のままリカバーしたので、なんとなく懸念も心の片隅にあると言う微妙な感じ。
やはり懸念材料と言うだけありますな。
その材料から不具合と言う嫌な生成物を作り出してくれますわ。
流石にこれは先送り案件ではありません。
渋々エンジンルームを開けます。
いや渋々って言うのはね、うちのヨットの場合はエンジンを見るのに工具が必要なんですよ。
ボルトを外して、エンジンルームのハッチ… つまりコクピットのデッキを外しますと…
エンジンが顔を見せてくれるわけです。
まず異物混入とかのチェックで油水分離器をチェックしましたが、中の液体は非常に綺麗で水やオイルのような他の液体は混入してない感じでピュア軽油ですわ(←後々これがバカな結果に)。
勿論ここからのエア混入も見受けられません。
燃料タンクから油水分離器まで、油水分離器から燃費ポンプまでの燃料パイプもチェック、各接続部のホースバンドもチェック。
どこにも異常は見られない感じ。
燃料フィルター上部からエア抜きしても特に泡も無くって、綺麗な液体の状態で燃料が出て来ます。
ここまではちゃんと燃料が来ているっぽい。
だとするとインジェクションノズルが原因?ノズルのテスター持ってないし… うーん…
徹底的にやりたいところではありますが、道具も今は手元にないし、そもそも時間が厳しい… 次回にするか!
となったわけですが、その後2週間続けて週末は雨。
雨だとウチのヨットのエンジン整備には問題が。
多くのヨットはキャビン内からエンジンにアクセスしますが、ウチのヨットは青空の下からなんですよねぇ…
コクピットのデッキがハッチになっておりまして、そのハッチを外してエンジンにアクセスします。
つまりハッチを開けるとエンジンは野ざらしになるんですな。
豪放磊落型の整備が多い私ですが、流石に雨降る中でエンジンを弄る事は致しません。
体が濡れるのは嫌だし、機関室に雨が入ったり、エンジンが濡れるのはもっと嫌。
◼️(お金的にも気持ち的にも)無念の外注
11月には現在のマリーナから引越先のマリーナへの回航も控えていますし、その前に2回も知人のヨットでセイリングの予定も入っていて、どうにも儘ならない状態でした。
出張セイリング中に自艇のエンジンを思って暗澹とすれば100%楽しむ事は不可能ですし、ホストして下さるオーナー氏にも失礼ですので、思い切ってエンジン屋さんに確認と修理をお願いしました。
引越回航の予定が無ければ自分でやるのに… 無念(だしお金もかかかる)!
◼️家島で聞いた原因
そして修理依頼をしてから数日後、「明日行って見てみます」と言う連絡を受けたのは牛タンを焼いている時でした。
明石海峡を通り家島へ… と言うセイリングの前日、新幹線に乗って神戸におりまして、前々から行きたかった焼肉屋さんでの事でした。
そして翌日、セイリングを楽しんでいる488km(←わざわざ測った)東では、修理屋さんがエンジンを見てくれていました。
そして家島に上陸して舫ロープの固定
も終わった頃(←私は見てただけ)、携帯に着信が。
なんて会話が。
おい!何を見てたんだ、自分!
機関室を開けて真っ先に見た油水分離器。
「あー、綺麗、綺麗」
なんてほざいてましたが、100%水でしたわ!
泡もゴミも無く、綺麗な状態だったんですよ!
南アルプスの天然水かって思ったくらいだよ!(これは嘘)
そうしたら本当に水だったとは…
と言う顛末でありまして、燃料系を全て洗ってもらい、燃料タンクの水混じりの軽油も全て廃棄。
タンク内もある程度洗浄して頂いて、給油をお願いしました。
これ、いくらかかるんだろう?
わざわざこっちからいくらだったか聞いてないんですわ。
聞きたくないし、まだ請求書も届いてないし。
いっそ何かの手違いで、このまま請求書が届きませんように…
◼️水の侵入経路は?
しかし謎が。
はて?どこから水が??
と言っておも、燃料タンクに水が入ってる時点で考えられる入口は…
被疑者A
ハルにある燃料タンクベント
穴は確かに開いていますが下向き。
ホースで燃料タンク上面へと接続されていますが、そのホースは一旦高く持ち上げられてからタンクへ(そりゃそうだよね)。
相当なウルトラCでもかまさない限り、水が入るのは不可能。
嫌疑不十分で不起訴!
被疑者B
燃料給油口
いや、もうお前だろ… お前しかいないよ…
「お前、郷のおっかさんもう78だってな… この間話を聞きに行ったら泣いてたぞ。罪を償ったら郷に帰って孝行してやれよ… どうした?ほら、カツ丼でも食え。」
みたいな感じで人情刑事風に語ったら、あっさり白状しましたわ。
送検!
この場所って写真でもわかるかと思いますが、若干低くなってます。
しかも半年前に船台に乗せた時、6度も右に傾いた状態だったのでフォークリフトで戻した事がありました。
この時、竜骨とハルを船台に完全に接触させる為に若干無理矢理置いたので、1.5度程まだ右傾してたんですよね(右翼思想じゃなく物理的に)。
ここって右に傾いていると雨水が流れず、溜まるんですわ。
で、恐らく…
このフィラーキャップのOリングの劣化が犯人グループの主犯格ではないかと。
とりあえず、Oリングを…
買い換えるために一応測りますが…
なんかキャップ自体が結構傷だらけだし、もうこのフィラーキャップ全部を交換してもいいんじゃない?綺麗になるし… って気になって来ました。
もう買い換えるか! はいはい!直径85mmですね!
どこかメーカーとか書いてないかな?
ハルから外してみよう…
うむ… 外れない…
接着??
っていうか、ここタッピングスクリューだったのか…
やおら雨が強くなってきました(←雨の中作業してた)し、今度ゆっくりやるか!
◼️とりあえずの対処
このままですと、降水ごとに再び水が入ってしまいます。
んーーー、水が溜まるのを完全に防ぐのは難しいし…
雑巾を洗濯バサミでここに…
多分ですよ、雑巾の繊維による毛細管現象でフィラーキャップに上からかかる水圧が減じられたりする… よね??
勿論、Oリングにはグリスを塗布して多少防水性はアップしたはず。
その上での雑巾作戦ですわ。
次回はフィラーキャップを探して注文。
あとは今のキャップのハルからの取り外しですな。
フィラーキャップ02へ続く予定