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BCDice ビーストバインドトリニティ 取扱説明書

※本記事は、「BEASTBIND 25th Advent Calendar」 9/5分の記事です。
「BEASTBIND 25th Advent Calendar」については、以下のリンクをご参照ください。


 各オンラインセッションツールは、基本的に何らかの形でBCDiceのダイスボットを利用できるようになっています。「BBT」にもダイスボットが存在し、機能を活用することでセッション運用を楽にすることができます。
 この記事では、仕様や便利テクに関してお話しします。


 基本的な使用方法は各種オンセツールから確認できるヘルプテキストに概ね載っていますが、以下の機能があります。

基本的な式の書き方

BBTのダイスボットは、基本的に判定の達成値計算用に作られています。
基本構文は下の画像の通りです。

ダイスボットの判定基本式。
この後に、成功・失敗をチェックする「>=10」などの不等号式もつけられます。
  • n: 判定で振るダイス数。基本的には「2」。出目の大きいものふたつを採用して計算を行います。

  • m: 判定の固定値や達成値修正。ここは「2BB+5+5」のように複数の数字が入って大丈夫です。(むしろ判定式の末尾に修正を入れようとすると動作しません)

そのほかのオプションについて(すべて後で詳しく説明します)

  • %w: 現在の人間性が w であるものとしてクリティカル値を計算します。

  • @x: クリティカル値に修正をかけます。詳細後述。

  • #y: ファンブル値に修正をかけます。詳細後述。

  • $z: 出目の固定・変更。詳細後述。

  • &v: 出目の最低値保障。詳細後述。

 達成値の修正は、 「%」より前に全て記入してください。例えば「2BB+5%{人間性}+5」は、式として正しく認識されません。「2BB+5+5%{人間性}」なら大丈夫です。
 基本的には、オンラインセッションツールの機能で駒に埋め込んだステータス/パラメータを参照し、チャットパレット側では「2BB+{肉体}%{人間性}」等の記入が多くなるはずです。


1. クリティカル値の操作

クリティカル値の操作コマンド概略
  • 使うのは %w と @x のふたつ。

  • %w: 現在の人間性が w であるものとしてクリティカル値を計算。

    • オンラインセッションツールの機能でキャラクター駒からデータを引用できる場合、その書式を使ってください。ユドナリウム系やココフォリアであれば %{人間性} でOKです。

    • クリティカル値修正の基礎値にも反映されます。

  • @x: クリティカル値を修正。書き方は2種類あり…

    • @9 のように、@の直後に数値を書くと、「現在の人間性に関わらず、クリティカル値を『x』にする」という処理を行います。
      13を指定するとクリティカルが発生しなくなりますので、《どうして自分だけ?》の処理のお供にどうぞ。

    • @-1 や @+2 のように、@の直後にプラスマイナスの符号を挟んで数字を書くと、クリティカル値を現在の値から『±x』する、という処理になります。
      この方法でクリティカル値が増大する場合、12を上限とします。《世界律:無限》の処理にどうぞ。


2. ファンブル値の操作と達成値計算

ファンブル値の操作コマンド概略
  • 使うのは  #y のひとつ。

  • #y: ファンブル値を設定。

    • #3 のように直接数値を書くと、「ファンブル値は『y』になる」。

    • #+1 のように符号付きの数値を書くと、「ファンブル値を『+y』する」。

    • #A3 や#A+1 のように、数値や符号の前に「A」を書くと、「ファンブルしても達成値は0にならず、通常通り計算する」。なお、#A のみの記入は不可としていますので、修正が特にかからない場合は #A+0 の表記をご利用ください。

 なお、ダイスボットは、「クリティカルとファンブルが同時に発生する出目」の場合、ルールブックの記述に矛盾しない「ファンブルが優先され、達成値が0になる」という仕様で設定し提出しています。
 これはFAQで扱いが明確になることがあれば、可能な限り早い段階で更新に向けて動きたいと考えています。


3. 《運命歪曲》を使いこなす ~出目の固定~

ダイスの固定を行って判定を行なう操作の概略
  • 判定式に $1 や $11 のように、 $マーク+1~6の数値 を加えることで、振るダイスの中から出目を固定することができます。

    • 2BB$1 のように記入すると、ダイスのうちひとつを「1」の出目で固定し、残りの1個だけを振ります

    • 2BB$16 のように記入すると、ダイスの出目を「1」と「6」で固定します。振るダイスは残っていないので、そのまま達成値の計算を行います

  • 《運命歪曲》のようなダイスのうちひとつだけを振り直すアーツの他、《全にして一なるもの》等の出目を上書きするアーツ使用後の達成値計算にも使えます。クリティカルやファンブルも計算してくれるので、そのあたりが絡む場合の計算が楽になるかも。


4. 「エヴィルセンス」を使いこなす ~出目の最低値保障~

出目の最低値保障をかけて判定を行なう操作の概略
なお、2024年8月末時点では、この効果を持つデータはGF誌にしか収録されていません。
  • 判定式最後に &3 と加えておくと、出目が『3未満』(=1・2)のダイスをすべて「出目3」だったものとして扱い達成値を計算します。

  • これは、通常のダイスロールに使えるものではありません。怪獣使いの《エネルギー袋》には使えませんのでご注意ください。



裏話

 「BBT」のダイスボットが世に出てから十年以上の時が経っており、現在はBCDiceのメンテナチームが現行仕様にあわせて整備したプログラムが使用されています。
 それ以前(主流オンセツールが「どどんとふ」だった時代)のBCDiceに、初版のBBTダイスボットを提供したのが、実は倉坂になります。かつては「迷宮キングダム」のダイスボットを下敷きに、段階的に機能を追加したものでした。現行のバージョンもその頃とほぼ同じ挙動になるよう整備していただいています。

 余談ながら、どどんとふ時代の「イニシアティブ表の数値をチャットパレットに引用する」という機能は、BBT用ダイスボット提出後に要望してたら実装していただけたものになります。
 そういう意味では、現行のオンラインセッションツールに影響を与えた……と言えなくもないのかもしれません。バタフライエフェクトの類か、あるいは“遅かれ早かれ誰かが言っただろう”の話かとは思いますが。

 リリース当初、このダイスボットがプレイアビリティに寄与したかと言われると、少々怪しいところはありますが……。数年後、もうひとつのツールによって、この状況は改善できたと思います。

 次回、オンラインセッションのプレイヤー参加にあたっての単純作業の準備を大幅に短縮するツール、《変換 -Palette Converter-》についてもお話ししたいと思います。

「BEASTBIND 25th Advent Calendar」主宰/BBT電脳魔宴 主宰B 倉坂悠


本記事は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ビーストバインド トリニティ』の二次創作物です。(c)井上純一、重信康/F.E.A.R.


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