BBT電脳魔宴2nd/準備レポート
2020年9月16日。
この日は、「ビーストバインド トリニティ」が好きな人にとって、特別な日だったことでしょう。
基本ルールブックの初刷日は2010年9月16日。つまり、この日が「ビーストバインドトリニティ」の10周年だったのです。「ビーストバインド 魔獣の絆R.P.G.」が1999年9月、「ビーストバインド NEW TESTAMENT」が2004年10月初刷ということで、旧約から21周年、NTから16周年でもあります。
そんな記念すべき「BBT」10周年を祝うため、オンライン・オンリー・コンベンション『電脳魔宴』――特に今回の『電脳魔宴』2nd -New Decade-は存在しました。
6月の『電脳魔宴』1stは、この9月に行う『電脳魔宴』2nd、10周年記念のテストモデルとしての開催でした。
そして今回、ボイスオンセ枠・テキストオンセ枠合わせて延べ8卓・約40人規模の大規模コンベンションとしてイベントが成立しました。この場を借りて、参加者の皆様に、宣伝や情報の拡散にご協力くださった皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。
オンラインセッション形式のコンベンションの資料として、今回も準備レポートを残します。前回と合わせて、これらの記事が少しでも今後オンラインコンベンションを開く方の参考になれば幸いです。
なお、前回と変化がなかった部分は省略しております。前回の準備レポートとあわせてお読みください。
■企画のコンセプト
▼「単一システムのオンセイベント」として、BBTを取り扱う
▼「BBT10周年」という記念すべき時に、コミュニティ横断的なイベントを執り行い、交流を図る
▼「公募卓をとりまとめ、コミュニティ横断的にプレイヤーを集める」という、“タイミングを合わせた卓募集”のイメージに、イベントという骨組みを足した運営を行う
▼「参加費無料」を前提とする。その分、金銭的コストを抑える
▼動かし始めた後、自分自身の負担が大きくならない形式にすること
▼前回はボイスオンセ枠のみだったので、今回はテキストオンセの需要確認を兼ねてテキストオンセ枠も設ける
基本的なところは、前回と変わりません。
今回はテキストオンセ枠を作ったことが大きな変化となります。
また、今回から正式に募集段階から「コンベンション」の語を用いることとしました。前回は発起人本人がコンベ経験ゼロで、さすがにコンベンションを名乗るのははばかられましたので…。
■開催日時について
『電脳魔宴』2ndの開催日は、初刷日から10周年という9/16を基準に、9/13か9/20のどちらかを最初から想定していました。
最終的に、『通常、第3日曜日に行われているGFコンで万が一BBT卓が立ったらF.E.A.R.社様に申し訳ない』という思いもあり、9/13に設定したという経緯があります。まあ、完全な余談ですね。次回からは気にしません。
■GM公募制ということ
『電脳魔宴』は、発起人1名のみで運営を行っているコンベンションです。交流もそこまで広い範囲にわたるわけではないどころか非常に狭いので、GMを依頼できるアテがあまり多くありません。
そのため、今回もGMは公募制でした。コンベンション運営に慣れている方には、リスクを抱えた運営体制だなと思われる方もいらっしゃるかと思います。ですが、本コンベンションは企画コンセプトからして「公募卓のとりまとめ」を骨子のイメージとしているため、おそらく次回以降もこの方向性で行くことになると考えています。何より、「GMにチャレンジしてみたい」という間口はあってよいと考えているので…。ここは、可能な限りGMに便宜を図ることを変える予定はありません。
最終的に、ボイス枠4卓、テキスト枠4卓の計8卓分の応募をいただきました。ありがとうございます。
なお、今回のイベントで忘れていたことがひとつあります。GMの応募フォームに、「シナリオレギュレーション」の項目をつけていなかった…!
■プレイヤー募集
基本的な部分は前回と同じでしたが、さすがに8卓分の宣伝画像を作るのは作業量として尋常ではなかったこともあり、今回はトレーラー画像の作成は断念しました。
Twitterのダイレクトメッセージで当選結果を都度送信していたのですが、今回はプレイヤー延べ31人という大所帯。なんとDMの送信途中で運営アカウントがスパム認定を喰らって30分ほどDM送信ができない事態が発生しました。こんなの狼狽するに決まってるだろ!
そもそも30通以上のDMを個々の参加者に対して個別で文面を作って送るという作業が大変すぎるので、次回からは無料であってもPassMarketを使ったほうが良いのではないかと思っています。普通、この規模はひとりでやる作業じゃないんじゃないかな…?
※「個々の参加者に対して個別の文面を作る」という件については、「なんでそうなるの…?(首かしげ)」となる方もいらっしゃると思うので一応説明しておきますと、本イベントではボイスオンセ枠とテキストオンセ枠の併願を許可していました。そうしないと人数を満たせない可能性が高いなと思っていたからです。
参加者によっては2卓参加することになるため、そういった一部の方のために個別の文面を作る必要がありました。
準備期間については、今回は月末に寄せることで来月の予定が明確になったほうが応募がしやすいのではないか――と考え、今回は9/1締めとしました。ただ、そこから1日で全参加者にDMを送付しきるのは運営がひとりでやる作業量を超えている感じがあるので、次回からは送付日時をある程度ずらすか、もうちょっとゆとりのある日程で運用したいと思います。特に偶数月の月初は私も仕事で忙しいので…
■新戦力・Apostle.CC
前回、Discord BOTを自作してイベントに臨みました。今回はそのBOTをさらに発展させ、より汎用性の高いオンラインコンベンション会場設営支援BOT「Apostle.CC」を開発し投入しました。名前は当然ながらBBTの「使徒(アポスル)」からです。この世界にBBTのミームを刻みたかった。
特に複数卓参加への対応については本イベントで起きうる「複数卓に参加するプレイヤー」のために開発したものです。他のイベントでこの機能を使うことはありうるのか…?
基本的に運用はつつがなく終了しており、受付作業が非常に快適に終了しました。狙い通りです(自画自賛)
他イベントでの運用フィードバックもいただけると今後の励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。
■クロスオーバー・ステージへの対応について
今回、「ビーストバインドトリニティ」だけではなく、他の版権作品とのクロスオーバーを行った同人誌レギュレーションを元とする特殊な卓が1卓成立しています。(コミケで直接お会いしている等あって自分が把握してるのがこのふたつだけなのですが、他にもあったらごめんなさい)
本イベントでは「『ゲーマーズ・フィールド』をプレイヤーも必須とする卓はGM応募段階でお断りする」方針を採っているため、問い合わせがあれば「原則としてこれらの『クロスオーバーステージ・サプリメント』については、同人誌を必須としない形式であれば立卓を受け容れる」と回答する準備をしていました。特に今回は、排除の論理で立卓を制限したくないと考えていたことも大きいです。
ただし、次回以降はこの方針を少し変え、同人誌を必須としない形式であることはそのままですが、さらにコンテンツごとに卓数を限定する方向での制限をかけることを考えています。
趣旨としてはごく単純で、本イベントは「ビーストバインドトリニティ」が中心のイベントであって、クロスオーバー先のコンテンツを中心としたイベントではないためです。本イベントでは、今後も一貫してこれらのクロスオーバーステージについて「ビーストバインドトリニティ」を主としたバリエーションとしての扱いをさせていただきます。
『このイベントは「●●」×「BBT」の卓でも受け容れてくれる! 皆でこのクロスオーバーステージで立卓しよう!』という呼びかけをされることはあんまりないとは考えていますが、複数卓立つレベルの集客を見込み、かつBBTではなくクロスオーバー先のコンテンツに重きを置いて取り扱うのであれば、『電脳魔宴』に間借りするのではなく、そのクロスオーバー先のコンテンツを中心に取り扱うイベントを別途開催するのが妥当であると考えます。
■前回残した課題へのアンサー
▼募集の定期tweetはもっと早期に開始し、自動ツイート機能があるサービスをしっかり利用する。
前回の記事でも触れましたが、費用対効果を考え最終的に手動での作業を行いました。さすがに画像つきの場合最短でも4000円の出費は運営費をかけない本イベントにとって自腹持ち出しとしては負担が大きい。
▼副進行役的な方の指名を検討する。
これは結局指名できずじまいでした。
というより、ある程度の組織化をしたほうがよいような気もしているのですが、他の方にはなるべく多くの人数に参加者として楽しんでいただくという方向を崩したくないので、そういう負担は“碑”として私が引き受けた方がいいのかなあ…。
▼会場入室後の各卓調整にあたって、主催側から最初のトスを投げることを検討する。GMが多忙でなかなか調整がスタートせず、不安がられた卓があった。
今回は全卓が速やかに調整開始となり、問題はありませんでした。
▼テキストセッション卓の枠を設ける。
テキストセッション卓の枠も満員御礼となりました。需要は間違いなくありました。
それと、駆け込みがめちゃくちゃ多かったのが印象的(最後の2日間で7件の応募があり、応募件数がほぼ倍になっています)。この勢いで抽選が出ずにちょうど満員になるのは結構奇跡的な気もしますね…。
▼いわゆる「半テキスト」卓と言われる、「キャラクターの発言はテキスト、プレイヤーの発言はボイス」と切り分ける形式の卓についての検討。
『電脳魔宴』3rdにて、何らかの形で導入予定です。ただし、テキスト専卓へのコンバートについても応募段階で確認を行うことになると思います。
■今後の課題
▼電子書籍化や増刷にかかわらず、第3回の開催を目指す。
ただし、タイミングとしては2021年2月が最速となる見込み。GM公募をまた行う予定なので、開催の3ヶ月前ぐらいには動き出すと思います。
▼仮称side VOXT、半テキスト卓枠を設ける。
VOXTはvox(声)とtextを私が勝手にガッチャンコしました…と思ったら、文字起こしサービスとして既に使われてる名前なんですね。変わる名前があれば考えておきます。
▼現行の体制(ひとり)で運営可能な限界の見定め。
当日の自身に負担がかからないような形式を取っているので基本的に事前の準備のみですが、形式上ドミニオンの各セフィラに卓を割り当てているため、1回のイベントにつきD卓〔ダアト〕含めて10卓を最大とする予定。さらに大規模なコンベンションが必要とされた場合は、呼称としてクリフォトのほうにも手を延ばすことになります。
おそらく、本イベントがオンラインコンベンションという形式で示したことは、『オンラインコンベンションでは、業務の自動化を行うことで、この規模のコンベンションを運営1人で行うこともできる』ということなのでしょう。(でも運営1人はあんまりオススメはしません。大変です)
『会場の見回り』というオフのTCG大会イベントでは必要だった手間がオンラインコンベンションでは不要なため、基本的にはラウンジに常駐してトラブル対応に専念できるのが大きいですね。
10年紀を祝い終わった今、このイベントに求められるのはコミュニティ横断的な交流を図りつつ、ユーザー達のBBTに対する熱量、「火」を継いでゆく場所であると定義しております。
その火を継ぐ場を示す無銘の「碑」として、この企画が再び見える日まで、暫しの休息をいただきます。
『電脳魔宴』1st -Seize the Twilight-、2nd -New Decade- を経て、次のステージへ。
次回、『電脳魔宴』3rd -Reignite Daydream- は、早ければ2021年2月中旬ないし下旬に開催予定です。