星野源ファンによる紅白「ばらばら」の感想

大晦日の紅白から1週間、考えていたことがある。
星野源さんの「ばらばら」の歌唱について、暗かった、元気がなかった、目が怒っていたなどネットで言われていることと、リアタイで聴いて私が抱いた印象とに言葉にできない乖離があってもやもやしていたのだけれど、ようやく言語化できた。

源さんの楽曲は、曲調は明るかったり雲のように軽く歌うけれど歌詞をよく聴くと重く深いことを言っている曲が特に昔の曲に多くて、ばらばらもそのひとつだと私は思っている。実際、過去の弾き語りライブで「今日は暗い曲をたくさん持ってきました」と言って1曲目に歌ったのがばらばらだった。

今回の歌唱は「あなたへの歌」というテーマに沿って、聴いているあなたへ届けたいという真摯な想いで意図的にあのようなステージにしたのだと思う。
テレビで歌うときの源さんは、笑顔で踊りながら、時にバンドメンバーを引き立たせながら、音楽を楽しんでいるイメージが強い。
しかし今回は広いステージの真ん中に独り、声とギターの音色だけで、なんだかいつもの星野源とは違うぞと、スタジオの、お茶の間の空気を変え、歌詞をしっかり聴かせるように、歌うというよりも「私に」語りかけてくるような印象を受けた。
だから、笑顔がなかったことも長い間をとっていたことも私にとっては自然で気に留めなかった。怒っているようにも感じられなかった。
実際に源さんがどんな想いで臨んだかはわからないけれど、私はこう受け取ったという1人のファンの感想でした。

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