動物虐待といえる出来事②
緊急家族会議から1年。
ばあちゃんの一周忌法要で鹿児島へ行った。
夜遅くに鹿児島へ到着してホテル泊。
翌朝に直接お寺へ向かった。
法要も終わりばあちゃん家に向かった。
叔父は何かを諦めたかのような表情で何も言わずに一緒にばあちゃん家に着いてきた。
前年はばあちゃん家を見なかった俺はあまりの変わりように驚いたのだが母たちによると去年よりまともになっているとのこと。
家の中に入るとちょっと臭い。
何か嫌な予感がした。
シーズーがいるであろう場所に行ってみると1m四方ほどのダンボールの中に水が入った皿とエサの皿、それに排泄物まみれのトイレシートがあり隅っこにシーズーが横たわっていた。
それを見た皆はあまりに酷い環境に声も出せず涙していた。
ばあちゃんが自分の体調より心配していた愛犬の酷い姿。
少し間があった後に叔母のひとりが叔父をひっぱたいて怒鳴っていた。
俺と母はシーズーに声を掛けるが反応しない。
体に触ってみると反応して顔を上げた。
しかし毛が伸びすぎていて目を確認することも出来ない。
抱き上げてみると肛門の周りの毛も伸びていてウンチが絡みついて固まっている。
こんな状態の犬は見たことなかった。
今では志村どうぶつ園で相葉が保護犬をトリミングしてるけどあの番組に出てくる保護犬並に汚かった。
あの番組を観るたびに思い出してしまう。
そしてもっと驚いたのが右後ろ脚の先が毛がなくなっていて需要のようなモノがくっついていたこと。
一目で病気だとわかるほど膨らんでいる。
(写真を貼りたいがちょっとグロいのでやめておく)
俺と母は叔父と叔母を置いて本家にシーズーを連れ帰った。
もう猫がいるからとか関係ない。
身体中から異臭がする。
排泄物まみれの中にいたから当然だけどその腫瘍らしきモノからも臭いを発していた。
水を与えるとずーっと飲んでいる。
ドッグフードがないので本家にあったキャットフードをあげてみたら凄い勢いで食べ始めた。
その姿を見てまた涙。
ホントに悲しかった。
しばらくするとばあちゃん家に残っていた叔母たちが戻ってきてまた会議が始まった。
・もうアイツにシーズーを預けていられない。
・ばあちゃん家からも出ていってもらう。
・今までの借金を返す。
これらがすぐに決まった。
シーズーは我が家で引き取ると俺と母はすぐに申し出て決定。
法要にはばあちゃんの法的な身元引受人が同席していたのでばあちゃん家をすぐに解体、売却して叔父たちから住む家をなくすことも決定。
借金に関しては返す宛がないとのことで保留にしようと思ったのだが今までの裏切りに許せない気持ちが強かった数人が家族の縁を切るということで決着。
(この件から数年経つけど縁が切れた状態はまだ継続中らしい)
この時点で時間は16時。
18時の飛行機で帰らなきゃならないので慌てて準備。
鹿児島空港まで車で送ってもらう。
車内では足が痛いのかお腹空いてるのかわからないがずーっと鳴いている。
空港に到着して運転しながら泣いていた従姉妹と別れる。
チェックインする際にカウンターで事情を説明して臭いが強いことと緊急だったのでキャリーボックスもないことを伝えるとキャリーボックスも快く貸してくれた。
もう感謝しかない。
預ける時もずーっと鳴いていたがこればかりは仕方ない。
羽田空港に到着して荷物が流れてくるのを待っていると名前を呼ばれて直接シーズーを手渡された。
ボックスから出して係員にお礼と謝罪をして持っていた膝掛けに包んで空港の駐車場へ向かう。
いつもは電車とモノレールで空港まで来るのだが今回は何か変な予感がしてたので車で来ていた。
臭いのことを考えるとそれが大正解だった。
屋外に出て車は向かう時に少し歩かせたら腫瘍があるので歩きづらそうだが一生懸命歩いて途中で何回かオシッコもしていた。
久しぶりの散歩だろうな。
車に乗り込み急いで自宅へ向かう。
自宅には元トリマーで家族ぐるみで付き合いのある女の子を待たせていた。
鹿児島空港で搭乗前に連絡して事情を説明したら遅い時間になるのに快諾してくれた。
実はこのシーズーはこの女の子の紹介で鹿児島に連れて行った経緯がある。
そのコの為なら…と来てくれたのだ。
帰宅すると既に来ていて変わり果てたシーズーの姿を見て涙を流していた。
それでも早くサッパリさせてあげたいと目の周りから切り始め肛門周りまで短く切ってくれた。
やはりウンチが固まっていた肛門周りに苦労したが時間をかけてキレイにしてくれた。
そして気になったのはやはり足の腫瘍。
いろんな犬を見慣れている彼女はすぐに病院で診てもらうことを勧めてきた。
すぐにスマホを取り出して電話を掛け始めた。
どうやら知り合いの動物病院に掛けてくれているようだ。
もう23時になるというのに病院も明朝に予約を入れてくれた。
とりあえずこの夜はウチの他の2頭が入れない部屋に寝床を作ってあげて寝かせた。
この2頭は変な臭いのするおばあちゃん犬が気になって仕方ないようだったが…