漏れた人の過ごし方

本来なら、大学を卒業して、どこかの企業に「就職」というのが一般的なルートなのだと思います。一般的なルートという表現があっているかは正直わからないけれど、少なくともその「ルート」から外れた私は疎外感を感じています。4月から既卒という形になり、流れに乗れない「漏れた人」になるのです。自分の所属する場所がないのは正直焦るし、辛い・・・。所得がなく、自立できない娘を両親はどう思っているのだろう。市役所の書類のある欄に、「無職」と書いたときに改めて実感しました。ああ、私は、無職で、どこにも所属していないんだ。なんだか居場所がない気がします。

しかし、心の焦りはあるものの、就職活動をしながらもなんだかゆったり、のんびり時間が過ぎていくのです。今まで、行ったことがなかった道へ散歩に出かけ、発見したのは、安い八百屋さんと、マクドナルドと、お洒落な隠れ家的なカフェとお花屋さんと・・・。新しいところを開拓するのは楽しいです。就職活動の焦りから少し離れられる気がします。この間は、カフェでお茶をしながら本を読みました。能町みね子さんの「お家賃ですけど」は、卒論で大忙しの時に買って以来読めていなかったので、やっと最後まで読めたのです。すごく嬉しかった。平日の日中の時間の流れ方ってこんなにゆっくり過ぎていくんだなと思いました。虫がぷーんと寄ってきて、私のから揚げにとまって、油でおぼれていて、ヒィッってなったけど、素敵な時間を過ごしました。


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