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『忍者と極道』から入るプリキュア〜『フレッシュプリキュア!』編〜

せつなとの出会い
せつなとの時間

せつなの声
せつなの仕草

せつなの笑顔
せつなの……涙

せつな、私あなたと戦うよ
だって、友達だから!

(フレッシュプリキュア!22話での次回予告から引用)

見出し画像はフレッシュプリキュア!23話「イースの最期!キュアパッション誕生!!」より。
人々を苦しめ不幸を採取する管理国家ラビリンスの幹部イース、キュアピーチへと変身する桃園ラブの大切な友達である東せつな、二人は同一人物だった…。その事実にあまりのショックでどうすることもできなくなってしまったラブ、しかし愛ゆえに厳しく接する美希たんの、大人として助言するカオルちゃんの言葉を受け彼女は立ち上がる……友達を止めるために。もう悪いことさせないために。一方でイースも待っていた、桃園ラブ……キュアピーチと決着をつけるために。そして彼女にはもう残されていなかった……時間が。命が
雨が降る中で二人は拳を交える。かたや友達と知りつつ本当はこうしたくない、それでも止めねばならぬと涙を流しながら、かたや敵を…いつも明るく自分にも優しく接してくれた“親友”に想いを打ち明け叫びながら。今でも“プリオタ”に語り継がれる伝説の戦いである……

忍者しのは極道きわみ、それはまるで……

『忍者と極道』。2020年1月20日と偶然にもある少女の誕生日からwebアプリ「コミックDAYS」にて連載開始した漫画がある。


日本の裏社会を暴力的に牛耳り弱者を命ごと踏み躙り虐げる「極道」、そんな魔の手を闇に紛れて鏖殺し無辜の市民を裏から守る「忍者」。彼らは江戸時代から互いに何方どちら生存いきるか死滅くたばるかという仁義なき殺し合いを繰り広げていた……
そして現代日本にてふたりは邂逅する。

表向きは一流玩具メーカー企業のエリート会社員だが『破壊の八極道』の頂点に立つ極道界の悪のカリスマ、輝村極道きむら きわみ


表向きは地味な高校生だが実は『帝都八忍』が一人にて闇の仕置人として極道を滅する忍者、多仲忍者たなか しのは

極道きわみが落とし地面に激突しそうになった私用スマホを間一髪で救う忍者しのは。なぜならそれには『フラッシュ☆プリンセス!』の敵幹部、ヒース様のスマホケースがついていたからだった……お互い根っからのプリオタであり共通する趣味から意気投合するふたり。しかし先程言ったように彼らは極道ごくどう忍者にんじゃ、決して相容れない殺し合う関係……そうとも知らず(双方共にあからさまな名前なのに!?)彼らは何度も邂逅しその度に己の悩みを打ち明け絆を深め合う。いつか必ず来るであろう「終わり」が待っていることも知らずに……


そんなこんなで現在連載中の『忍者と極道』、自分は連載当初Twitterで上記の物語導入シーンにてイケメン達が丸の内のハイソなオフィス街でプリ○○○の話題で盛り上がるという奇妙なシーンが流れてきたのを目にした程度の見解だった。そして最近になってこの漫画を再び見かけるようになった。愛多間七あいだかんしち総理大臣レジー・ナッシュ大統領というあからさまにドキドキなアレを意識したようなキャラクターが出てきたのが話題になったのだ(ちなみに総理大臣のアクティブさに振り回される官房長官が聖川ひじかわという二段攻撃ぶり)
他にも忍者側の頭領である神賽惨蔵かさい ざんぞうの変身能力がなんでもできる なんでもなれるな輝く未来を抱きしめそうだったり、暴走族神ゾクガミである殺島飛露鬼やじま ひろきの亡き娘の形見の品であるおもちゃのブレスレットがどう見てもシリーズ恒例のアクセサリーメーカーで作ったやつだったりとさらなるネタがポンポン出てくる。もしやと調べたらなるほど納得。なんの脈絡もなく会話やモブキャラに突如プリキュアが入ってくることで有名な『烈!!!伊達先パイ』やヒロインがどう見ても水○月○れんな『ジュウドウズ』の作者である近藤信輔氏だったからである。



元は少年ジャンプで描いてたが二つとも早々と打ち切られてしまった苦い過去……それが講談社と巡り合い今に至るのである。それに講談社ってスポンサーでもあるからネタやりやすいもんね。何の、とは言わないけど

かくいう自分もこの一件で興味が湧き無料公開している1話を読んだ瞬間に“理解”してしまった。昔負ったトラウマで笑うことができない少年、昔負った傷で感情を失った紳士、彼らが巡り合ってしまったのだ……お互いの大切な友として、殺さねばならない相手として。その始まりのシーンであったと。



忍者と極道 1話「忍者と極道」より。当時よくTwitterで見かけた一枚。正直言うと自分は最初「わざわざイケメン同士がプリオタ設定させるなんて変な漫画だなあ」で流してたのだが、実際に見ると「自分が好きなものだから、理解できるから通り過ぎた人から落ちそうになったスマホを傷つけたくないという一心で動いた」「いつかの未来に殺し合うだろうふたりを繋げる運命の出会いの始まり」と前後の文脈を含めて見るとすごく切なくなってくる。この一瞬で俺は魅了された。そして単行本をすぐ買った。よく見るとここで「22話と23話」と分かる人には分かる暗号を潜ませてるのもポイントである

露骨なまでのプリキュアネタだけではない。独特なルビ、極道の大軍を一瞬にて単騎で惨殺する忍者のスタイリッシュぶり、ヒグマとネズミに例える程の実力差ある忍者に対して立ち向かう極道のジャイアントキリングぶり、景気良くポンポン吹っ飛ぶ生首(別に首を狙ってない爆発攻撃とかでもなぜか生首が飛ぶ)(首だけになってもなぜかある程度しゃべれたりする)となかなかにパネェ漫画であると同時に人の心を繊細緻密に描き、だからこそ人の生き様が美しく輝き、そしてそんな心動かすぐらいかっこいい奴らが笑いながら死ぬという読者の感情をガンガン揺さぶってくる。こいつぁとんでもない漫画だ。プリキュア界隈で興味を持ったみんなにも(多少のグロテスク描写に耐性があれば)勧めたいくらいだ。

話はこれくらいにして本題へと移ろう。このようにプリキュアネタをコンスタントに入れてくる『忍者と極道』。しかし読者の感想を見ると「元ネタのプリキュアが分からないから完全に楽しめなくて悔しい」という声がチラホラ見かけた。言われてみれば読者全員がプリキュア見てるわけないもんな……
それならプリキュア見ればいいじゃんと思う“プリオタ”はいるかもしれないが、そもそもプリキュアシリーズは17年も続く長期コンテンツというのを忘れてはならない。愛多総理がたまげたように2020年現在64人いるプリキュア総数は下手な政党より多いし、青と紫だけで内閣が発足してしまう数だし、17年というのは盤石にも程がある長期政権ばりの年数である(さらに続いてるスーパー戦隊シリーズとかもはや国王が統治する専制政治レベルやん)

こんな長大なシリーズをおいそれと勧めるなんて重苦だろうし(いわばプリハラである)し、なら1作品からなら…と考えるが「そもそも4クールあるアニメ見るのが大変」という声も。プリキュア含めたニチアサ(テレビ朝日系列で日曜朝から放送してる児童向け作品の並びのこと)作品が一年ものが基本なので常時見てる人は慣れてるものかもしれないが、12話程度の1クールものを基本的に見てる人には50話くらいある作品というのはハードルが高かったりするのだ……そこは知っておかねばならないのだ……

話題になった忍者と極道39話「ラフ・メイカー」より。こ○亀の例のアレのパロディで青いプリンセスをおっちゃんに紹介する忍者(しのは)君。プリキュアの知識がある者ならどのプリンセスがどのプリキュアをモチーフにしてるかはなんとなく分かるが、分からん人にはこの愛多総理と同じ気持ちであろう。毎年同じ色で違うデザイン考えるの本当に大変そうである……

ならば自分がプリキュア見てない人にもどんな作品なのか説明しようと思い今回執筆した。まず最初に描くのは……作中でも何度も語られる「フラッシュ☆プリンセス!」(以降Fプリ)の元ネタになっている「フレッシュプリキュア!」から(流石にフレッシュくらいみんな見てるやろと思う人もいるだろうがフレプリはもう11年前の作品だ。当時見てた子はそれこそ忍者くんみたいに高校生くらいの年頃なんだぞ現実を見ろ)。これが『忍者と極道』に散りばめられてるプリキュアネタへの理解が深まってくれれば幸いだし、あわよくばこれを機に興味を持ってプリキュア自体を見てくれればという期待もあったりする……それでは、みんなで幸せゲットだよ!

・フレッシュプリキュア!とは

東映アニメーション公式YouTubeではプリキュアシリーズ過去作品の1話だけは常時無料で配信されてるのだ。まずは見てほしい。改めて見るとキュアピーチかっけえなあ

『フレッシュプリキュア!』は2009年から全50話かけて放送したプリキュアシリーズ6作目の作品である。それまでは『ふたりはプリキュア〜MAX HEART』や『Yes!プリキュア5〜gogo』のように場合によっては2年ものとして放送していたパターンもあったのだが、この作品以降はずっと1年完結もので続けているのだ(上記に挟まれてる『ふたりはプリキュアSplash☆Star』も一年完結したとはいえいい作品だよ)

上の1話「もぎたてフレッシュ!キュアピーチ誕生!!」のOP明けてからいきなり泣いてる主人公の桃園ラブ(ラブって流石にその名前は日本人としてやべーだろとか思った人はいるかもしれないが、そんなこと思ってると本編見続けてる内に泣きながら反省することになる)友達が失恋したとのことで本気で泣いてるのだ。彼女は友のためなら本気で泣くアツい“愛”を持った娘というプリキュアの主人公に相応しい人物なのだ。あと夏服がすごい(分かる人には分かる暗号)

フレッシュと銘打ってるだけあって過去作品とは大々的に違うポイントが多く、まずなんといっても全体的にキャラクターの頭身が高めに設定されていたり変身後は胸のラインが強調されていたりキュアパイン以外はハイヒールを履いてたりと「年上のお姉さんっぽさ」がよく出ている。これはプリキュアのメイン視聴ターゲット層の未就学女児が卒園・入学と同時に見なくなってしまう現象に対抗するため対象年齢を拡大したという理由があったりする。今になって考えるとその方針は結果的に成功しプリキュアシリーズの描写の幅広さを開拓したとも言えよう。

対象年齢拡大の象徴といえばこのシャワーシーン。2話「つみたてフレッシュ!キュアベリー誕生!!」より、ラブちゃんの幼馴染が一人である蒼乃美希(あおの みき)(cv.喜多村英梨)が早朝のジョギングをした後に汗を流すための場面だ。彼女は日々の努力を怠らない、強き信念を持つとてもストイックで真面目な子である。あたしカンペキ!
……とまあ流石に攻めすぎていたのかこれ以降のプリキュアの風呂場シーンは見かけないし、一時期はこれまた彼女の水泳による水着シーンのせいか長らく他作品にプリキュアの水着シーンが出せなかった程である(なんと6年後の2015年まで無かったんだぞ!)悪気は無いのだがなにかと罪な子でもあるぞ美希たん。

プリキュアを構成するメンバーは1話から変身したキュアピーチこと桃園ラブ、さっき言ったようにラブちゃんの幼馴染の一人であるキュアベリーこと蒼乃美希、そしてもう一人の幼馴染のキュアパインこと山吹祈里(やまぶき いのり)。前半はこの幼馴染トリオがプリキュアとして活躍するのだ。見ての通り「キュア+果物」な名前になっており、これをモチーフにしたFプリでもプリストロベリー・プリグレープ・プリバナナとしっかりオマージュとして取り入れてる。

3話「とれたてフレッシュ!キュアパイン誕生!!」より。忍者くんと極道さんの上記の会話しかり粋田恵介との戦闘での言及でもあったようにFプリでは黄色い子=あざといのような図式が存在しているが、それの元ネタはこの山吹祈里(あだ名はブッキー)からであろう。
中川亜紀子ボイスの癒やし系かわいいキャラなせいか放送当時よく「可愛さがあざとい」などと大きいお友達から言われたそうな……後述するが実際に見ると別に計算高くだのカマトトぶってるとかは全然無くて、純粋な可愛さや動物や他者を慈しむ優しさを備えた本当に良い子というのが分かるので安心してほしい。ちなみにミッション系の中学に通ってる(3人別々の学校に通ってる設定なのだ)

そして彼女たちが対峙する敵組織は管理国家ラビリンス。パラレルワールドという別次元の世界が多数存在する設定である今作において自分達の世界だけで飽き足らず他の世界も管理・統制せんと目論むディストピア系SFを意識した敵である。首魁である総統メビウスが管理するこの国家は皆が“幸せ”に暮らす。国民はすべての人生がメビウス様の元で管理されており、就職、結婚、そして寿命までも彼の意のままである……

フレッシュプリキュア24話より。国民全員が無個性な衣装で全員が同じ時間に活動し全員が完全栄養食のようなつまらない食事を繰り返す……これが管理国家ラビリンスの日常であり、総統メビウス様の描く理想の“幸せ”だ。決められた職種、決められた配偶者、そして決められた命……そこに個々の特徴など存在しない。必要ない。

彼らラビリンスが地球へと侵略し召喚した敵怪人「ナケワメーケ」で人々を苦しめることによって“不幸”が溜まり、それが一定値を迎えると無限のメモリー・インフィニティが起動される。それを獲得して無限の力を用いて全パラレルワールドを支配せんとするのが彼らの目的だ

ちなみに人間たちから採取した不幸というのは本拠地でシリンダー状の保管ガラスで液体として溜められてるし、表記がFUKOとメイン視聴ターゲット層の小さなお子さんにも分かりやすいようになってるぞ。こういうシュールな所が案外ファンに好まれる部分だったりする

そんなラビリンスがFUKOを収集するために地球へと派遣した幹部がガタイのいいイケメンなウエスター、細身でロンゲなイケメンのサウラー、そして紅一点の銀髪の美少女であるイースである。これまでの過去のプリキュアの敵はなにかと人外ばかりの設定だったが、今回は別次元とはいえ同じ人間と戦うという所もシリーズにおける新しい切り口なのだ

プリキュアを知らなかったが上の動画から1話を見た人はこう思ったろう、「フラッシュ☆プリンセス!のヒース様ってフレプリのイースそのまんまやん」と。かなりそのまんまである。ファンからイース様と呼ばれてるの含めてそのまんまである。そんな彼女こそがイース(cv.小松由佳)。昨年NHKにて開催された投票候補全シリーズの大勢のキャラクター900名からノミネートされたプリキュア大投票でも6位を獲得するくらいには11年経った現在でも人気の高いキャラクターだ。画像の愚物を見下したような冷めた目線(もちろんみんな大好き)は12話「みんなで変身!フサフサ大作戦!!」より。なんか変なタイトルだがこれについては最高に面白い回なので実際に見てほしいと願う。神回ならぬ髪回だから。

いつもはいかにも昭和特撮の悪役女幹部らしい風貌漂うぴっちりしたボンデージ衣装だが、時にはこちらの次元の社会に合わせた衣装と髪色にして東せつなとして変装しプリキュア達に正体を隠し近づいてきたのだ…画像は7話「せつなとラブ 友情のクローバー!」から。白いショールに藤色のワンピースに淡い桃色のロングハットという清楚なお嬢様そのものな姿で桃園ラブに近づき……

ちなみに他2人の敵幹部のウエスター(画像右のガタイのいいイケメン。cv.松本保典)とサウラー(画像左の細身ロンゲのイケメン。cv.鈴村健一)もその容姿や性格で(特にウエスターはかなりのバカで西さんと愛されてる)今も根強い人気があるぞ。画像は36話「新たな敵!その名はノーザ!!」から。……彼らの名前の由来は東西南北の英語読み、東に西に南と来れば北もいる。そのノーザなる追加敵幹部については……ここでは言わないでおこう。見たいというなら… 

またプリキュアシリーズみたいな女児向けアニメといえばかわいいマスコットキャラ。フレッシュプリキュアにはシフォンとタルトがいる。

18話「プリキュアにあいたい!小さな女の子の願い!!」より。かわいいクマさんの着ぐるみを着てるシフォンちゃん。こおろぎさとみボイスの赤ちゃんボイスなので当然かわいい。超能力でイタズラしたり便秘に苦しんだりと一風変わった赤ちゃん妖精で放送当時は育児要素も兼ね備えたおしゃべりぬいぐるみがよく売れたそうな。
……え?「プリキュア シフォン」でGoogle検索したらなんか見てはいけないものが出てきたって?なんのことでしょうかねぇ……

一見フェレットっぽいがかわいいかわいい妖精さん(松野太紀ボイスで自分から言ってんだからそうなんだよ)なのが別次元に存在するスウィーツ王国の王子タルト。エセ関西弁で喋る調子のいい妖精でシフォンのお守りをしたりするぞ。動かしやすいキャラなのかプリキュアのオールスター作品だと妖精サイドの頼れる先輩さんとしてちょくちょく出てきたりする。ちなみに『忍者と極道』のFプリに出てくる妖精さんは主人公と恋仲になったり庇って死んだりとラブロマンスかつ過酷な展開があるが、元になったフレプリはそんなこと無いので安心してほしい(プリキュアシリーズ全体を通して無いとは言ってない)

ちなみに王子だからかタルトには可愛い許嫁のアズキーナはん(cv.一色まゆ)がいるぞ。はんなり京都弁のたおやかレディだ。彼女が見たければ30話くらいまで見るべし。終盤にはまさかまさかで敵の本拠地に一緒に乗り込むぞ!

・もし困ったことがあったらクローバータウンストリートへいらっしゃい

だいたいのメインキャラの紹介が終わったのでお次は見所を。まずはそれぞれプリキュア3人の魅力を詳しく紹介したい。ということでキュアピーチ/桃園ラブから。彼女といえばなんといっても変身するとめちゃくちゃかっこいい。

5話「遊園地でドキドキ!ワクワクデート気分!?」より。ウォータースライダーの先頭部に立ち、腕を組みながら男前な顔をするキュアピーチ。シチュエーションが二昔前のヒーローショーのそれみたいだが女児向けアニメである。5話と序盤も序盤にこれを出してくる。こんなん惚れるわ

37話「シフォンを守れ!プリキュアの新しい力!!」より。前回で新幹部のノーザが登場し戦いが苛烈する中でプリキュア達は自身を鍛える特訓を行う。その末に編み出した新奥義「ラッキークローバー・グランドフィナーレ」を用いる際のあまりにも凛々しいキュアピーチの顔。一部のファンからラブ兄貴と呼ばれるのも納得である。余談だが彼女の声を担当した沖佳苗氏は幼き頃からスーパー戦隊シリーズが好きで(地球戦隊ファイブマン世代)それを意識してるのか戦闘時のシャウトはとても勇ましい。まさにヒーローになるべくしてなったとも言える

そしてそのかっこよさに相応しい内面も備えているがそこは後述する。お次はキュアベリー/蒼乃美希。

9話「美希の夢 私プリキュアやめる!!」より。私立鳥越学園に通いつつ読モを兼業してる美希たん。自身の夢のために前述したジョギングや食生活など日々の生活にも気を遣うストイックぶり、己を常に高める努力を怠らない。あたしカンペキ!が口癖だが口だけでなく、そこにはしっかり裏打ちした研鑽がある。
そして友のためなら時には(自分に対して含めて)厳しく向き合う気概も備えてる。9話はタイトル通り自身の夢に専念するためにプリキュアをやめるか悩むも……

ここだけだと才色兼備パーフェクトガールだがフレプリは幼馴染トリオから始まる物語なのか歳相応の部分が出てくることも。プリキュアになった際には「このままプリキュアとして活躍すればアイドルデビューしちゃったり始球式に呼ばれたりしちゃうかも」と俗っぽい妄想したり…
それを代表するエピソードが画像の17話「シフォンはまかせて!ベリーの新しい力!!」。ピーチロッドにパインフルートと仲間は新武器を入手する中で未だ自分は得れず…前回で足手まといになったことを悔いて「ふたりともシフォンから力をもらったから自分も同じことすれば…」と企て押し付けがましい育児で妖精に媚びてくる。露骨すぎて引いてるシフォンちゃん。こんなネタも真面目に果敢にこなす残念な一面も愛されてる部分だ(ひどい導入だがとても泣ける話です。本当です)

そして3人目はブッキー、キュアパイン/山吹祈里だ。

あざといとかなんや言われるが実際に見てみるとそんなことない。5話「遊園地でドキドキ!ワクワクデート気分!?」ではお化け屋敷でグロッキーになった御子柴くんを優しく気遣ったり(本人は脅かすワニ男の着ぐるみがニシアフリカコガタワニっぽいと言ったりノリノリだった)13話「シフォンが病気!?パインの新しい力!!」ではシフォンちゃんが突如苦しむも話すことできぬ赤子は意思疎通もままならず、それでも解決策を見つけなければと懸命に看病する健気さを見せたり、さらに一番上のピーチとイースの決闘においても双方の無事を願ったり……彼女の美しき心を前にしたらあざといなんて言えないぞ

ただしこちらもかわいいだけじゃ終わらせない。上記の13話でシフォンが苦しむ原因が分かれば即行動に移すし(手袋はめてナニをするかって?ヒントはこの記事内に書いてあるぞ)「映画プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!」では巨漢の懐に入り込み痛烈な肘鉄をぶちかます場面も。彼女もまた強き戦士なのだ!

そんな彼女達が暮らし本作のメイン舞台となるのがクローバータウンストリート。「フレッシュプリキュア!」は3人それぞれ別の学校に通ってる設定も相まって他のプリキュア作品以上に家族絡みや町内周りから始まる話が多く、そこにいる住民たちとのストーリーも多く存在する

まずは代表的といえば1話にも出てた人気ダンスユニット「トリニティ」がリーダーであるミユキさん。会場でナケワメーケが暴れる中で勇敢にも助けに来たラブちゃんからの縁で3人に作品のサブテーマであるダンスを教えることに。当初はプリキュアとしての活動を知らず、それが理由で遅刻した彼女達に厳しく叱るなどダンスに賭ける信念はまさにプロフェッショナル。
……なのだがプリキュアになるための鍵である妖精ピックルンの最後の一人「アカルン」が彼女の近くにいるのが見かけられ、もしや彼女こそが4人目のプリキュアではと期待を寄せられたのだ(画像のはまさにそのまんまなタイトルの21話「4人目のプリキュアはあんさんや!!」のタイトルコールとその前回にて流れたエンドロールである)それを機にラブ達は自分達の正体を打ち明けるも……

そしてミユキさんの弟でありラブの同級生でもある知念大輔。過去作品のプリキュアに出てくる男子といえば主人公の憧れの先輩だったりお兄さんだったりしたのだが、今作は歳相応の青さもある同級生というのも新しい試みだ。なにかとラブと喧嘩したりもするが実は……画像は終盤である45話「4人はプリキュア!クリスマスイブの別れ!!」より。雪降る聖夜、彼女に託す言葉というのはいったい……

忘れちゃいけないドーナツ屋の店主カオルちゃん。1話の時点で謎の存在感ある彼だが実は……29話「謎だらけの男!カオルちゃんの正体!?」にて君たちは驚愕の真実を目の当たりにするだろう……
声を演じるのは今や亡き前田健さん(エンディングのダンス振り付けも担当していた)。芸人ながらも絶妙に胡散臭く、絶妙に芯を持った喋り方がなんともいい味を出しており、まさに彼あってのカオルちゃんだったと言えよう。

他にもパン屋の兄ちゃん、駄菓子屋のおばあちゃん、蕎麦屋の配達の兄ちゃんなどなど語りたい住民はいるが長くなりすぎるので……
そして何といってもメンバーの家族描写がとても多く描かれてるのが最大の特徴である。時には父を通じて過去のトラウマを克服したり、時には母を通じて愛の強さを知り、時には父の仕事に対する熱意を知り、そして時には亡き祖父の託した想いを受け止め……その中でも特に語られるのがラブの母親である桃園あゆみさんであろう

6話「消えたハンバーグ!大好きなものを守れ!!」より過去回想にて娘に料理を教えるあゆみさん。ラブちゃんは歴代プリキュア主人公では初となる料理スキルが高い子なのだが、それは母の教えあったから……6話という早い段階において描かれる家族回はまさにこの作品の方向性を象徴するものである。とてもいい話なので是非とも見てほしい。
余談だがあゆみさんの声を演じるのは氷上恭子さん。かつて某アニメでピーチの名を冠する変身ヒロインを演じたこともあったが…なにかしらの縁を感じてしまうものである。

……さて、前述を置いてたラブちゃんの真髄とも言える話をする為には彼女のことを話さねばならない。イース様のことを、東せつなのことを。4人目のプリキュアであるキュアパッションのことを。



 ……ミユキさんは!?ミユキさんが4人目のプリキュアじゃないの!?すまない……彼女はいわばミスリードなのだ。物語途中で加わる追加戦士を誰だか分かりにくくして視聴者間で予想する楽しみを出すパターンは後のプリキュアでも度々見られ……
(まあでもそこらへんは勝手に期待されて勝手に勘違いだったと済まされてと本人も気にしてないので……ね?その後にもミユキさんが活躍する回あるし)

・せつなとラブ 出逢いは奇跡 想い結んで

『フレッシュプリキュア!』というのは今までのプリキュアでは無かった斬新な展開を取り入れた。いわば物語中盤に加入する追加戦士プリキュア、そして敵から味方へ寝返ってプリキュアになることである(満と薫はプリキュアだろうが〜!と言いたくなる人もいるだろうが今回は抑えてくれ)

これが4人目のプリキュア、キュアパッションや!どう見てもミユキさんじゃねえ!!
追加戦士といえば戦隊シリーズでは恒例だがプリキュアではこれが初の試み、といわんばかりに気合い入れて18〜21話の次回予告の後に挟まれる告知。わりと正体バレバレだが(こんなん出して「4人目のプリキュアはあんさんや!!」とやったの面の皮が厚すぎる…)それでも伝説を残すような展開をするからすげぇもんだ。ちなみにイースの項で話した人気投票6位というのはプリキュア内でキュアパッションとしての結果だったり

このようにあからさまな告知をしたようにキュアパッションに変身するのは東せつなである。勿論それまでの間にはふたりの物語が存在した…イースとキュアピーチ、せつなとラブの友情と救済の物語が

ふたりの出会いはそれこそ1話「もぎたてフレッシュ!キュアピーチ誕生!!」から始まっている。道に迷って森にぽつんと佇む洋館へと辿り着いたラブちゃん。そこは占い館のようでせっかくだからと自分と同じくらいの歳の少女に占われることに。『あなたにはこれから素晴らしい幸せが訪れます』と根拠のない言葉を真に受け幸せいっぱいルンルン気分で去っていくラブ。占い師の少女は彼女から“なにか”を察した。近いうちに私達の敵になると。

この後にイースはダンス会場を襲撃、ナケワメーケで人々を苦しめ不幸を採取する中でラブちゃんはミユキさんを助けようとマイクスタンドで怪人に立ち向かっていく!それを見てイースは昼間の彼女と気付く。その勇気を認められたのかピックルンが一人「ピルン」に選ばれキュアピーチに変身する。無事にナケワメーケを撃破しふたりは相まみえる、片方は正体を知らず、もう片方は知った状態で。イースは彼女に「貴様とは長い付き合いになりそうだ」と因縁のライバルめいて宣告する。まさか本当に長い付き合いになるとはね、いろんな意味で

その後はキュアベリー、キュアパインと幼馴染揃って覚醒し順調に力をつけるプリキュア達。そのせいで不幸の溜まりが遅いと総統メビウスに指摘されイースはある作戦を実行する。友達を装ったスパイとしてラブに近付いて変身アイテムを盗むという大胆な作戦を。それが7話「せつなとラブ 友情のクローバー!」だ

あの時の占い館以来と偶然の再会を装い近付く。実際にラブは占い通りに幸せゲットしたと感謝したりで馴れ馴れしいレベルで距離を近づけてくる。これならチョロいもんだわと何度か盗もうと試みるもここぞというタイミングで邪魔が入り失敗、それよりカオルちゃんのドーナツを勧められ食べるもあまりの美味しさに驚いたりと……ディストピア飯そのまんまな管理国家での食事と違い感動が存在する。これは……?

その後になんやかんやあってラブのお目当てである商店街の福引き会場へ。ゲーセンにあるドーム状のクレーンキャッチャーで中が見えないカプセルを取る方式(ちなみに実際におもちゃで出てた)でどれが当たりが入ってるかと悩むラブちゃん。せつなにも選んでほしいと頼んだらまさかの一緒のカプセルを指差す。開けたら四つ葉のクローバーのペンダントが……これが彼女が欲しかった大当たりの“幸せの素”。あまりの嬉しさにせつなに抱きつくラブちゃん。距離が近すぎる!不覚にもせつなも満更でもない顔しちゃう。
こんな百合百合してきた空気に乱入してきたウエスターを撃退した後にラブはせつなにクローバーのペンダントをプレゼントする。本拠地に帰還し騙されてたとも知らないで、これからいつでも近付けるともらった“幸せの素”を見ながら呟く……

11話「ミユキの怒り!もうダンスは教えない!?」より。あれ以降ちゃんと身につけてるとアピールするせつな。この回はプリキュアとしての戦闘のせいでミユキさんからのダンスレッスンに大幅に遅れ怒りを買ってしまい謝ろうと四苦八苦する話。ここでせつな……イースはラブを苦しめようと彼女とは縁を切るべきと占うフリして進言するが結果的に却っていい方向に向けてしまう。「このままでは“親友”が幸せになっちゃうじゃない…」とか言っちゃう時点でけっこう彼女のノリに飲まれてる気がする。かわいい

せつなとラブ、彼女たちの物語は第二章へと入る。それは15話「せつなとラブ 相手を思いやる心!」で。いつも以上にウキウキしてるラブちゃん。どうしたと聞くとなんとせつなとデートするんだとか(デートって表現がもうなんかすごい)
イースもイースで東せつなに変装したらサウラーに「そのペンダント、ずいぶんとお気に入りじゃないか」とからかわれたりしちゃったりしつつもラブと合流……したらなんと美希たんもブッキーもいるじゃないか!これじゃあ変身アイテムのリンクルンが盗めない!さらには「ミユキさんと縁を切れ」と進言したことを二人に指摘され……(自分の)友達の友達は(自分の)友達とは限らないとはよく言うがまさにこれ。さらにサウラーのナケワメーケによる本音を引き出す攻撃で「占いでラブを悲しませるなんて許せない」と二人からキツい一撃をかまされ……

まぁサウラーの仕業と気付いたし実際その通りとはいえ悲しむフリしなければならんと泣く演技をして逃げ出すせつな。それを追うラブちゃん。二人とは長い付き合いで自分のこと思っての上で言ってしまったと弁解し許すせつな。しかしそんな上っ面の優しさで慰め内心は私のこと疑ってるんでしょ……と思ったらラブにも本音を引き出す攻撃が!これで醜い本音が出てくれば彼女が罪悪感で苦しんでくれる…と思ったら「良かった。せつなが許してくれて。いい子だなせつなって」と……桃園ラブは本当に素直でいい子なのだ。まさかの本音に驚くせつな……
サウラーのナケワメーケを浄化し二人も言い過ぎたとせつなに謝り、ラブは「あたし達これからもずーっとずーっと仲良しだからね!」と告げて終わる。クローバーのペンダントを画面に写しながら……

そして物語は怒涛の展開へと向かう。19話「新たなカード!イースの新しい力!!」において失敗続きのラビリンス地球派遣隊、そんな体たらくを前にして総統メビウスはイースにあるカードを授ける。ナケワメーケよりも強力な怪人を作れるというが使用者に激痛が走り最悪は命を縮める魔のアイテム……ちょっと躊躇する彼女に「お前をそんな目に合わせる訳には」と引っ込めるフリをし、さも自分から取ったかのように誘導するメビウス様…悪い大人の遣り方だ!
これこそがナケワメーケの強化態、ナキサケーベを作れる三角形のカードだ。4回まで使用可能なのもあってかファンの間ではクーポン券と呼ばれたり……お気付きだろうか?これこそが「忍者と極道」に出てくる常人を超えた身体能力を持つ忍者と対等に渡り合うための極道の秘密兵器薬物「地獄への回数券ヘルズクーポン」の元ネタと推測されるやつなのだ!ファンの呼称をこうやって用いるの!?大丈夫か!!?

 「この命に変えても!」
このカードを消費し召喚するナキサケーベはナケワメーケを超える強さ!しかしその強さの代償……使用者への激痛は想像以上だった!!黒く禍々しき茨が身体に絡みつき苦しむイース!そんなもの使い続けて待っているのは当然……(緊縛だ!とか思っちゃいけません)

21話「4人目のプリキュアはあんさんや!!」で3回目を使った時にはもはやボロボロ……元から目にハイライト入ってないとはいえ加速してる虚無な顔。本拠地の扉の前にもたれる際に落ちたクローバーのペンダント……まるで苦しむ彼女に気付いてもらうように。

一方で20話「ダンスとプリキュア……どちらを選ぶ!?」。強敵ナキサケーベとの戦闘にさらなるランクアップのために激しくなるミユキさんのダンスレッスンと疲労が溜まるプリキュア達。そんなラブを見たせつなが(自分がけしかけてるとはいえ)二兎を追う者は一兎をも得ずの諺を用いてどちらかを諦めるべきとラブの心配する。こんなの作戦には全く関係ない、それなのに……自分の心に変化が起こっている。(ちなみにプリキュア達はこの後やっぱり……)

そしてついに運命の日を迎える。それこそが22話「せつなとラブ あなたがイースなの!?」

力の代償によりもはや精魂尽き果てる寸前と化したイース。残り1回になってしまったクーポン券、これが終わったらもう……
「メビウス様……」まるで見捨てられるのが怖いように、光の幻覚を見るくらいには追い込まれ……

気付けば医務室に、そしてラブがいた。倒れた所を見かけて心配で駆けつけたのだ。彼女は「無茶はよくないよ」と言う、かつて自分が彼女に言ってくれたように。そして自分のことを応援してくれたり心配してくれる人の大切さが分かったと、その中にはせつなもいるし自分もせつなを大切に思ってると。これこそが桃園ラブの真価、外側だけでなく内側からもイケメンっぷりが出てる。本当にいい子なんだ……(そして暗号みたいに呟いたラブちゃんの夏服がこれだ!すごい!本当にすごいんだ!)

「やめろ……やめろ!」

彼女の優しさが、友達として大切に想ってる気持ちがせつなを、イースを苦しめる!感情をグチャグチャにしてくる!お前は倒すべき敵なんだぞ!受け入れてはならない存在なんだぞ!それなのに……なんでお前は…
「私は……私はラビリンス総統メビウス様がしもべ!」彼女は…イースは自分に言い聞かせるように元の姿に戻り最後のクーポン券を使う。これが最後になろうとも、自分の存在意義を守るかのように

「メビウス様の御命令だから………メビウス様のためなら他のものがどうなろうと構わないっ!!!」

最後のナキサケーベは大型コンサートホールすらも破壊するとてつもない力で襲いかかる!人々の悲鳴!それ以上に断末魔の如く“泣き叫ぶ”声を上げるイース!命そのものが削られてるような苦悶の表情!今さら言うのも無粋だがこれは女児向けアニメです

「私…すっごく怒ってるんだからね!みんなを怖がらせて、コンサートを台無しにして……でも、あなたが泣いてるから…!
「泣く?わたしはどんな痛みにでも耐えられる!泣いたりなどしない!」
「泣いてるじゃない……あれ(ナキサケーベ)はあなた自身でしょ?あなたの心が泣き叫んでるんじゃないの?本当は命が尽きてもいいなんて思ってないんだよね!?

そんな命削るイースに真っ先に駆けつけたのは……キュアピーチだった。たとえ敵であろうと見過ごすわけにはいかない。助けたいと思ってる。困ってる人に対して本気になれる。それこそが桃園ラブなのだ。

なんとかしてナキサケーベを退けたプリキュア達。いまだ自分のことを気にしてくるキュアピーチ……桃園ラブ、そんな彼女に正体を明かす。まるで自分とは分かり合えないと示すように、そして友情の証であるクローバーのペンダントを踏み砕く……

物語は見出しに用いた23話「イースの最期!キュアパッション誕生!!」へと続く。雨の中での決闘、彼女が見せる涙……イースの最期とは?キュアパッションはどう誕生するのか!?

そして前編ラストを迎える24話「せつなの苦悩 私は仲間になれない!」キュアパッションになってしまったせつな、だが「あなた達の仲間になるには手を汚しすぎた」と言い去ってしまう……そんな彼女が出会ったのはラブの母親あゆみさん。そして再会するラブ。彼女が……せつなが手にするものを、目にハイライトが入る瞬間を、そして彼女が流す涙を見逃すな。
「一つ一つ、やり直していけばいいのよ。あたし達の町なら、きっとできるわ。」 

だいぶ長々しいダイジェストになってしまってすまない、そしてそんな盛り上げたのに最後の最後でぼかし気味になったのもすまない。こればかりは実際に見てほしいから……“伝説”を目の当たりにしてほしいから……

おあつらえといわんばかりにちょうど22〜24話はDVDの8巻に一挙収録されている。レンタルでいいので是非とも自分の目で確かめてくれ!

この後も勿論せつなの話はあるぞ!26話「4つのハート!私も踊りたい!!」ではブッキーと、33話「美希とせつなのこわいもの!」では美希たんとの話が描かれる。一度はキツい本音のせいで険悪なムードに陥ってしまった彼女たち、それがどう絆を深めかお楽しみに!
そして40話「せつなとラブ お母さんがあぶない!」では再びあゆみさんとの話が描かれ……これは本当にいい話だ。なによりプリキュア伝統のアクセサリーメーカーが関わる回でもある。アクセサリーメーカー回はシリーズ通して良回揃いの法則!(販促が絡んでるから)

そんな彼女たちの活躍を見るならdアニメストアがオススメ!月額440円でフレッシュ以外のも見放題!レンタルより安く済むぞ!


・おわりに 〜向う先は破滅か、それとも…〜

以上がだいたいの『フレッシュプリキュア!』の紹介である。まさかまたもこんな一風変わった機会を得れるとは人生とはよく分かんないものである。

その前回あった一風変わった機会がこれ。「忍者と極道」においてイケメンである忍者くんと極道さんがプリオタ全開トークしているのが周囲から浮いてるシーンがあるが、なんと現実にもプリキュア好きなイケメンホストが存在するのだ。そんな彼の好きな『ハピネスチャージプリキュア!』(フレッシュから5年後の2014年作品)を紹介する記事。もちろん初見さんが見てもご安心な仕様になっております。プリキュアシリーズも作品ごとに多種多様に描かれてると感じてくれれば幸いである

書いてる内に何度か忘れそうになったが、これは「忍者と極道」でプリキュアネタが分からなくて困ってる方へ向けた記事だ。そして書きながら改めてフレッシュプリキュアを振り返ると本当にすごい物語だなと再認識するし、同時に『忍者と極道』にて元ネタになっている「フラッシュ☆プリンセス!」にて綴られた話のように物語が進むが、明らかに決定的に違うルートがあると分かる。プリキュアではイース様はキュアパッションになってラブちゃん達の仲間になるが、ヒース様はあちらの主人公である撫子アブちゃん達とは終盤まで敵対、そして“己の道を最期まで貫く”という……

『忍者と極道』55話「FANTASISTA」より。改めて見ると輪郭の描き方が本家にかなりギリギリで大丈夫なのかと心配しちゃう……その本家と違い彼女は自分自身がプリンセスにはならずヒース様として、社会からあぶれてしまった孤独なる者を救う女王として“友達”と戦い続ける……そう脚本家が望んだからだ



この先の彼らにどんな“終わり”が待っているのだろうか、既に極道や一般市民のおびただしい数の死者を出した血に染まった道筋……それもまるでFプリの脚本を執筆した幡随院 孤屠ばんずいいん ことの描く話の如く展開される不気味さ……我々はこれからも目を離せないだろう……(画像は『忍者と極道』56話「三ツ星カルテット」より。)

余談だが「フラッシュ☆プリンセス!」の脚本を書いた幡随院孤屠は「仮面ファイター龍王」もかつて執筆したと説明があるが、龍王の元ネタだろう「仮面ライダー龍騎」の脚本は小林靖子である(龍騎だけでなく電王やシンケンジャーなど特撮ではおなじみの方。アニメ版ジョジョの奇妙な冒険の脚本家といえば分かるか)フレッシュプリキュアの脚本は「魔法戦隊マジレンジャー」の前川淳と同じである(5人の兄弟姉妹+長女の婚約者+父母全員が戦隊のマジレンジャーだからどうりで家族描写が強いのも分かる)
さらにさらには特撮界隈にはファンからヤ○ザと呼ばれる脚本家も存在したりする。お互い知り合った相手が実は敵対関係だった……というのはこの人にはよくある展開だし、たぶんそこらへんからもインスパイアしてる。ほんと作者さんニチアサ大好きなんだな…………

というわけで今回はここまで。ひょっとしたら次回があるかもしれないから(具体的には私を誰だと思ってるの!を書きたい)その時はその時でお楽しみに!

(追記)書きました

(さらに追記)

なんと!「このマンガがすごい!2021」にて『忍者と極道』がオトコ編にて8位を受賞したのだ!自分は上記の通り割と最近になって読み始めた者だが、この功績には本当にうれしい。これからも応援しています。おめでとうございます!!

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