ヘボット!脳内整理備忘録〜開闢・時空編(追記あり)〜
見出しは33話「ハミガキしようぜ 牛肉、ミソッパ!」にて。虫歯ネタをやる際に「最近の歯医者は昔と違い治療時にあまり痛くしないよう設備が進化してる」と説明し、あまりの配慮の高さと見ると強くなる痛快…ではなく頭が良くなるアニメだということに感動している春風ムラキから。ヘボット!は児童向けアニメなので誰も傷つけないようにと配慮に行き届いた教育にもいい健全な作品だ。丸くなる必要なんてない。かっとばせ!☆個人の見解だよ
・日曜朝からこれでもくらえ!
2020年8月2日(日曜日)から2020年9月20日(日曜日)まで夜9時からYou TubeのBN Picturesチャンネルでお気ごくらくアニメ(自称)『ヘボット!』が全50話毎日配信された。『ヘボット!』といえば「見てると脳が溶ける」だの「子どもどころか大人ですらごく一部の人しか分からないパロディを突如ネジこんできた」だの「玩具開発担当が「ヘブン状態!!」を考案したいわくつきの人だったし、2000以上ものギャグを考案し1000以上もDXヘボットに音声収録し玩具解析班をお手上げ状態にさせた」とか「DVD-BOXを買ったらなぜかBlu-rayBOXもオマケでついてきた(6000人以上が買った)」と様々な伝説を築いてしまったアニメであるのは皆さん周知の通りであろう
製作した監督だってこう言ってる。実際に見た人々は「トマトが映ると恐怖する」「マカロニが屁をこいただけで泣いてる」「キンタマの歌で泣いた」と素敵な感想を言ってるから安心してほしい。イインダヨ〜結果的にバズりそうな感想になっても、心に正直になって呟けばイインダヨ〜
……とまあアバンで消費されるだろう三文芝居な前置きはここまで。この記事を読んでる人は大抵が「にちようびのせかい」を超えた者だろうし『ヘボット!』がどんなアニメかなんて言わずもがなで分かっている。視聴者を振り切り選別するようなギャグを叩きつけまくる作品でありつつ第三の視点による多大な介入が含まれつつも破綻なく回っているあまりにも複雑なループものSFでもあり、そしてどんなに自分や大切な存在が変わろうとも決して無くならない愛と友情、絆と繋がりを描いた感動の物語ということなど周知の通り。「脳が溶けるアニメ」とはよく言われるが、それは理解するのに頭の使うシリアスパートを気の狂ったギャグパートと混ぜつつ出してるせいで「ギャグをド真面目で見ざるをえないよう追い込んで脳に多大な負担をかけてしまい結果的にあたまがおかしくなる」(恐ろしいことにそんなギャグ描写が実は重要な伏線だったという事実がしょっちゅう存在する)いうのがそんな風に言われる所以のひとつだと僕は勝手に思ってる。あくまで個人の見解と推測、真面目にとらえちゃダメ。
意味のない踊りをする人だって「意味のない(踊りをする)人」、ではなくて「意味のない踊り」をする(意味ある)人だったかもしれない…と最後の最後で描写されていたのだ。こんなことあってたまるか!ちなみに意味のない踊りをする人は7話「ヘックションでフエフエのヘボ」が初登場だ。
恥ずかしながら放送当時は自分には理解が追いつかずわけわかめだった(でもDVD-BOXは買った)(円盤再生用のPS3が御釈迦になって結局まだ見れてない)が今回の配信で改めて周回し『アリガッ・トウ!ヘボット!公式ファンブック』の情報を大いに参考にしつつヘボット!の世界観をある程度は理解しつつ新たな発見や見解を深め再び見届けた。もちろんちょくちょく画面に映るトマトに怯え、キンタマの歌で泣き、マカロニが屁をこいた際には嗚咽が来るまで号泣してしまった。もはや見てない人には関わってはいけないタイプの感性の人かもしれないが全て見てきた人なら納得いくと信じたい
37話「電脳鼠はボキャボットのダメを見るか」より。喋るネズネズネジを見て「ボクさまには普通のネジの声も聞こえるよ〜」とクスリをキめたような顔して漏らす気持ち悪いネジルの場面も、自分は“あの場面”が頭によぎって涙が抑えられなくなってしまっていた。何も知らない人からすれば後ろのヘボットみたいにドン引きされ感性を疑われてしまうだろう
あの駄キャラの情報も載ってたりと盛り沢山なキャラ情報、キャストの皆さんのインタビューや監督を始めとしたスタッフによる裏話やボツ案などなど……『ヘボット!』の重厚すぎる世界を知るためには必須教材とも言える購入必至マストアイテムだ!
ということでここには2周して自分なりに『ヘボット!』を噛み砕き、一体どういう作品だったのかというのを認めておく。とはいっても公式情報から超える描写が多大に存在する作品、個人の解釈とか推測がぎょうさん詰まっているのでそこらへんは一言添えておきたい所存。兎にも角煮も美味しく頂こうで今からだらだらと長文を記す。書き終えた途端に発狂しないことを祈る(フラグ)
・神は『笑いあれ』と言った。そしたらエラいことになった
そもそも事の発端が他のホビーアニメとは一線を画するというのは見た人ならご存知であろう。時は西暦2016年、ぱんだい山の麓に建つ某(夢を作る)メーカーのおもちゃ職人であるエース・オカが開発した試作品DXヘボットのスイッチンをONしたらなぜか膨大なエネジーを発し、宇宙の理を司る次元ネジが暴走し宇宙消滅の危機に陥るという何を食べたらそんなこと思いつくんだと頭を抱える今まで聞いたことないような展開である。大抵のホビーアニメは「販促対象の玩具が世界的ブームで、実はその玩具こそが世界の起源に関わる存在だった」という設定がよく見かけるが、ヘボットは「本当にただの玩具として作ったのに世界を滅ぼす発端になっちゃった」である。もうわけが分かんなくて混乱するが恐ろしいことにこの事実こそが『ヘボット!』という作品でメタSFと時間ループものを複雑に交差させる重大な楔である。初っ端から脳の理解が追いつかない!
48話「ネジが島さいごの日」より。おもちゃ職人エース・オカがかなりヤバい顔しつつスイッチンをカチャカチャしまくる場面。ちなみに本編でもヘボットとペケットが耐久テストの描写としてスイッチンを何度も動かされるシーンがあるのだが、彼らは実際のDXおもちゃの起動スイッチのように横にカチャカチャ動かされたのに対しなぜか一緒に耐久テストを受けることになったネジルはスイッチン(意味深)をおっさん達に縦に〇〇〇〇上下運動される描写が出てくる(日曜朝の児童向けホビーアニメです)ので、つまり彼女が欲望全開にカチャカチャしてるのもそういうことに……おっとセンシティブな言及をしてしまいそうだった
「やっちまった…」
次元ネジが暴走し宇宙の法則が乱れてしまい世界がねじれ、このままでは「終わらせる者」と呼ばれるフィーネが顕現し世界を終幕へと誘い最後には全てが消滅し虚無のみが残る……これをただの玩具メーカーの社員が引き起こしたのである。そして彼女はこの責任を負ったのかクレーム対応係に左遷されてしまった……(その程度で済ませていいの!?)
「オレさまの正体はおもちゃだったヘボ〜!?」
17話「ネジささる、ゆえにヘボあり」より。まさかこんな世界崩壊のキッカケになってしまったおもちゃを、主人公の相棒として描かれてるヘボットが一般製品として量産され普通におもちゃ屋で販売してるという事実が判明する正気とは思えないシーン。『仮面ライダーエグゼイド』でバグスターウイルスという人体に被害が及ぶ危険存在を内蔵してるゲームカセットを販売してる幻夢コーポレーションに並ぶ面の皮の厚さだ。『ヘボット!』はホビーアニメなので玩具販促描写をしっかり入れてるのだが、こうやって実際に売られてる商品そのまま描写してるのは他作品はなかなかお目にかかれないと思う
そんな不測にも程がある事態で次元ネジがガタガタと暴走、これがキッカケで宇宙を形成する時空の“ねじれ”が発生しそれが人の形をして具現化したのが一番最初のネジル「ネジル ゼロ」(以降ゼロと表記)である。
「ボクさま、爆誕!」
48話「ネジが島さいごの日」にて明かされる衝撃の事実。螺旋を渦巻く時空のねじれが収束し特徴的なネジれた前髪になり、そこから彼が生まれた…壮大な設定だが後述する異質な特徴だけでなく現在のネジルが4話や10話で人の姿をしているのに宇宙空間でも平気で活動してるなどギャグアニメだしで軽く流されそうな描写も今になって考えると重要な伏線だったと気付かされる。こういうアニメなんですほんと。
こうやって生まれたゼロはエース・オカ…いわば「始まりの者」(玩具メーカーの一般社員にそんな大それた設定ついちゃったよ!?)になった彼女から試作品ヘボット(以降“白ヘボット”とする)を相棒として手渡され、ねじれてしまった世界を正すための解決策を探す旅に出ることになったのだ……そしてあてもない旅の中、ゼロは誰かの泣いてる声を聞く。そこには涙を流す少女がいた……彼女はヴィーテ、世界を消滅させるキッカケと化した次元ネジの魂だけが分離し少女の姿を形成したような存在だった
24話「兄×弟」アバンの回想シーンより。世界消滅の元凶と化してしまった次元ネジに対して「あんなネジいらない」と一理あるながらも辛辣な言葉を向ける者もいた…その言葉に泣く彼女だったが、それに対しゼロは「必要ないネジなんかない」「全てのネジに存在の理由がある」と本心から慰めてくれたのだ。ネジを愛するねじれから生まれた少年がネジの心を救った。「ボクさまにはネジの声が聞こえる」からこそである。そして彼女はそんな優しき言葉をかけてくれた彼に……(ちなみに24話回想時はまだ少女がネジを製作してそれを貶されて泣いてるように捉えられるよう書かれたが、実際は彼女自身への罵倒だったのだ)
余談だがviteとはイタリア語でネジを意味する。割とそのまんまな名前だ
そんな彼女と彼、キャラ設定がいわば「宇宙の理そのもの」と「宇宙のねじれそのもの」とたいへんギャラクシーである。これについてはそもそも『ヘボット!』という世界観が「全てはネジ回しから始まった」と理解していれば彼らがそういう設定になったのだと想像がつきやすいかもしれない。
46話「はたらくネジさん」にて。残された時間が僅かと悟った大人達がネジルに宇宙の真理に触れ発狂寸前になってでも(見ていて大丈夫かと不安になるほど狂気に陥ってたが味方サイドが意図して導いた)教えたかった「ネジを回し緩めれば渦が生まれ宇宙を拡大し、ネジを回し締めれば宇宙を収束させ形を為す」という真実。『ヘボット!』では“エネジー”という力の単語が出てくるが、それはこのネジ回しにより発生する万物共通のエネルギーであろう。
「これは時間」「じかん」
「これは空間」「くうかん」
「ネジになった!」
49話「さよならヘボット」の回想シーンより。時間は直線を進み、そこを伝うように空間が発生し世界が存在する…さながら螺旋を形成するネジのようだ……宇宙の理を司る次元ネジがネジの形をしているのは、上述のようにネジが宇宙を拡大&収束し形成させるように次元ネジが回りエネジーを発生させ、それが時間に沿って引き伸ばされ空間を形成するからと自分は捉えたら『ヘボット!』の世界観の理解が深まった(ここらへんの解釈は人それぞれだろうから難しいかも)
「人間、やってみるもんだ」
そんなネジを回すことによって生み出されるエネジー法則をギャグによって生まれる“笑いの渦”で発生させるのがボキャボットで、それを白ヘボットという形で辿り着いてしまったのが我らのエース・オカ。おもちゃ職人なんで別に地球が抱えるエネルギー問題を解決したいとか高尚な理由でなく「あふれる笑いを届けつつ、爪痕を残す」という(妙な)モットーで彼女は宇宙の真理に触れてしまったのだ……唯の某おもちゃメーカーの社員がなぜ「始まりの者」として君臨したのか察するし、そのモットーが発生させた力は世界消滅カウントダウンという爪痕では済まないレベルの“やらかし”になってしまったが…
ちなみにエネジー発生装置のボキャボットにギャグという笑いの渦を生成させる為に使うのが、言霊の力を詰め込んだボキャネジ。これもエース・オカが開発したのだが初期型は遺跡ほどのサイズでそこから配線接続して用いてたのがファンブックにて言及されたそうな(音声データが収録されてる巨大デバイスみたいなものか)これを後にヘボットに挿せるくらい小型化改良し、連続して挿して回すことによって封じ込められていたエネジーが解放、さらにはネジの種類や順番次第ではより強力なコンボ(ギャグの羅列によるマリアージュ)が完成しより強力なエネジーを発生させるようにもなった。メタな話だがこうやって玩具を世界観の設定にうまく落とし込んでるのは純粋に感動する。すごいぞアニメスタッフ、すごいぞ岡香織氏(言っちゃった)
・タイムリープだ!ななななんじゃこりゃ〜!(びっくり!)
そんなエネジー発生装置である白ヘボットのエネジーを用いれば次元ネジの暴走が収まり元に戻る可能性があると辿り着いたゼロ達。しかし……
出る……
出る出る……
屁・ボーン!!!!
49話「さよならヘボット」の回想にて。35レベルの白ヘボットによる屁ボーンが次元ネジに当たったら暴走が加速し宇宙が消滅してしまった。次元ネジ内のコアネジが締まりきり回す遊びが無くなり、つまり回すことによって生じる空間が発生できなくなり時間だけ過ぎて行く虚無になってしまったのだ……虚無に残るは次元ネジのヴィーテとねじれの具現化ネジル ゼロ、そして白ヘボットのみ。他の概念は4色の○△□と化してしまい……
流石にこのままじゃヤバいのでエース・オカは時を戻せるチートアイテム「トキトキングレートPG」を彼らに授ける(これも小型化し黒いトキトキネジになる)(こんな神にも等しい力を開発できる彼女をクレーム対応係にさせる某メーカー恐すぎる)これを使えば最初に戻れ……たのだがなにかおかしい。元の時間通りではなく現実と虚構が混ざり合ってしまったのだ!レベルの低い屁ボーンを次元ネジにかましたせいでこうなってしまったそうだが……
一部では「船○○一郎に似たフナムシ ペイジ郎や村○○樹を意識したような春風ムラキ、『○ング』の貞子そっくりのユーコさんや『○レードラ○ナー』のRoy Battyそっくりのバッティのようなこちらの現実にいるキャラクターがこれのせいで『ヘボット!』の世界に混ざり込んだり突如始まるマニアックなパロディが発生してしまうようになった」だの「現実と虚構が混ざり合ったからこそ最終回で『ヘボット!』は「にちようびのせかい」の枠を越えて「二次創作の世界」へと飛び立てた」と様々な考察が発生した。捉え方は人それぞれでイインダヨ〜
さらにそんなゲームのバグみたいな現象が発生してしまったら新たな時空のねじれが生まれる。そうなると再びネジルが生まれるのだが……現実と虚構が混ざった状態で時空のねじれが発生する、すなわちゼロとは違う個体のネジルが生まれてしまう。後にデブボクサーになる太ったネジル、長身で縦ロール巻いた金髪のネジルーカス、後にネジキール卿になる見た目はマトモだが凶暴なネジル……とにかく時を巻き戻しやり直す度に色々なネジルが生まれたのだ。
「ねじょ〜ん!ボクさまネジル〜!」
1話からモブならぬ駄キャラとして頻繁に出演していたデブボクサー。思えば伏線は存在していた……画像は8話「決戦!ノリノリヶ島!!」にてネジルとヘボットがノリオ達の叩き出したハイパーコンボに対して1ランク下のエトネジコンボで勝利したシーン。ここで彼はマカロニの隣で「ネジルとヘボットの熱き想い、それが……」と勝因をやけに詳しく説明している(ここからさらにブタ肉が「ギャグのキレを冴えさせ、唸るエネジーを生み出した」と続ける。『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターのごとく獄中で「クラリス」と呼ぶ(ヘボ)スターリンに助言を施す……もしやブタ肉も……)瞳の色がネジルと同じ茶色なの見るとこの設定は初期構想から考えられてた可能性がある
「うっぴょ〜ネジ〜ネジ〜!」
「お前は失い、彷徨い、そして選ぶ。ネジを恨み、世を呪い、時を渡り歩き戦い続け……ついに“俺は”この時を迎えた!」
23話「ねらわれたネジ魂」より。生まれた時点で既にヤバそうな雰囲気漂う4人目のネジル。凶暴でありながらもどうやら彼とその相棒の黒いヘボットは後にも先にも他のヘボネジコンビよりも強い絆で結ばれてたそうな。しかし今では相棒を失い、時空を渡り他のネジルからヘボットのネジ魂を奪い取ったり次元ネジを捩じ切ろうとするアンチネジ軍なる存在と化してしまった。上の台詞は現周回のネジルに向けて放った筈なのに終着点は自分自身。ここでヘボットが死んでしまっていたらネジルもまた彼のようになってしまうのだろうか……兄上が間に合って本当に良かった
これ以外にも時空のねじれと共に生まれた様々なネジルが。34話「流さネジられて」より。この回で登場したモスラの小美人そのまんまなネジラーニャはまさかの女の子ネジルだが、そもそもネジルなんて色々な姿が存在しているんだから性別が女のネジルが時空のねじれから生まれたってなんらおかしくない。ファンブックによるとネジルが女体化する没ネタがあったのでそこから再利用したそうな(性転換ネタはこの作品が『輪廻の蛇』もオマージュに入れてるからと思えば分かるが、子供向けで流して大丈夫な類なのかなあれ…)。
ところで普通にかわいいよねネジラーニャ……田村奈央さんの女の子ボイスかわいいよね……放送終了してから半年後にメカの相棒になるプリ○ュアになる少女として登場するのも納得なのです。そして最終回でパチボットのかましたウルトラコンボ内でも出てくるけどけっこうスタイルがいい。蛇足情報。
し〜ま〜う〜ま〜し〜ま〜し〜ま゛ーーーーーーー!!!!!!!!!!
1話「ヘボッと生まれて屁・ボーン!」そして50話「にちようびのせかい」にて物語の途中に突如挟まれたピアノを弾くロン毛ヘボットと、それに合わせてシャウトするシマウマの描写。このアニメではそんな突然の挿入劇なぞしょっちゅうだが待ってほしい、ヘボットの隣に位置しよく見ると瞳の色が茶色……つまりこのシマウマはネジルの可能性が非常に高い。なんてこった……我々はまたひとつ真実に近づいてしまった……
このように世界はねじれ、それを戻そうとするもまた失敗してやり直し、戻したらさらに世界はねじれ新たなねじれから新たなネジルが……しかも過去に生まれたネジルはゼロも勿論のこと依然として存在し続けるので世界を修復する度にネジルは世界に増殖するというバグのような現象が発生してしまう。4人目でネジキール卿と化したネジルの相棒である黒ヘボットが南極の氷河に10万年閉じ込められてたと言及しており、凄まじい回数で時間が巻き戻されていたということに……
「オレさま達は周回ごとに色違いや細かいデザイン違いが存在するベホ」
47話「すべてがNになる」より。周回ごとに新たなるヘボットが出てくる……ネジラーニャの相棒であろうヘボラーニャが彼女に合わせて手足が長くなってたり、高校生ネジルの相棒?のJKヘボットが頭だけヘボットで首から下は人間の体もこれに含まれると推測する……“細かい”で済ませられる違いか?(ボキャ美みたいにオーバーボディの可能性もある)ともかくネジルの数だけヘボットが出てくるのだ。
ちなみにみんな大好きJKヘボットは「高校生ネジルの相棒である周回(画像2枚目。4話「ヘボ流・ネジタネの育て方!」の謎茶番劇より)」のと「現周回のヘボットのコスプレ(画像3枚目。46話「はたらくネジさん」の謎茶番劇より)」という2種類存在するややこしいタイプで(現周回にしか存在しないJKペケットやスゴ姉様とセットなのが後者だと思えば区別がつく)前者は12話「ヘボットのアレがはれた」アバンにてクリスマスプレゼントとして空からバラまかれたDXヘボットに世界を滅ぼされた階層に存在するという無茶苦茶すぎる裏設定があったり。なんじゃそりゃ……
……ちょっと待ってほしい。黒ヘボットといえば10万年もの相棒と別離をしていたが、ふと「そもそも2016年にエース・オカがやらかす事の発端が起こったのに、そこからなんで10万年も経過してんだよ」のという素朴な疑問が浮かぶ。それについては『次元ネジが作った世界で生きている周回の内側の存在(黒いトキトキネジで2016年を始点に何度もループしてる)』と『次元ネジの影響を基本的に受けない周回の外側の世界の存在(2016年から少なくとも10万年以上そっちの世界を観測し続けている)』という分類で考えると判断しやすいだろう。ただでさえタイムリープもので頭こんがらがるのにさらにそこに複数の世界による別の時間軸が形成しているとかさらに複雑になるでしょーが!
・君と脳を溶かすRPG(ロール・プレイング・ゲーム)
16話「キケン!ボキャ美のターン」より。ヘボットと喧嘩して彼が家出してしまい家事が捗らないネジルが家事手伝いとしてボキャリーマンズを雇うも、こいつらがクソみたいな仕事ぶりしやがった癖にキッチリ金を要求したのでふざけんなと屋外にぶっ飛ばしたシーン……なのだがここで画面に激突したかのようにガラスにヒビが入る演出が。これだけならギャグアニメあるあるな古典的な描写だが23話「ねらわれたネジ魂」にてネジキール卿がガラスを割るかのように空を裂きそこから現階層に潜入する演出が入るのだ!つまりこのギャグシーンは外部世界が存在するという示唆に……ボキャリーマンズの正体がヴィーテ姫によって製造搬入された存在だと思えばショボい状態の彼らでも世界の外側にヒビくらいは入れられるかもしれない。こんな伏線あってたまるか
上の項目で「『ヘボット!』の世界はネジ回しによって生じる世界である」「世界が消滅してもトキトキネジでリセットされる」と言ったが、これに対しては実は叙述トリックが潜んでたりする。真の正解は書いた通り“次元ネジが作った時間と空間の世界”がそれに当てはまり、そんな次元ネジの影響を受けない外側の世界というのも存在する。それに真っ先に挙げられるのが太陽系会議の方々だろう。
何度目でしょう、我々がこうやって集まるのは…
39話「王妃ナグリ、帰還」ラストより。太陽系各代表の方々が集合し考察勢を阿鼻叫喚の渦に陥れた衝撃のワンシーン(アニメスタッフも監督以外は2〜3人しか知らなかった)。ただのギャグだと思ってた展開にも巧妙に伏線が潜んでいた……このアニメの深淵に視聴者は震え上がったのだ……
何度も次元ネジを修復しようとするも失敗し消滅、そして時を巻き戻しやり直し…というゼロと白ヘボとヴィーテの行いをかつてより俯瞰的に観測しており、最初は「あんなネジ(次元ネジ)あるからいけないんだ」「いっそ次元ネジを破壊すべきでは」と危険視していたものの、彼らの旅の途中で出会い親睦を深め「なんとか彼らの世界を助けたい」と考えが変わっていったのだった。
44話「劇場版ヘボット!って、ナニソレ?」の回想…もとい走馬灯より。あからさまに『ブレードランナー』のRoy Battiそのまんまな見た目の戦闘用アンドロイド・バッティと出会うゼロ達御一行。後に彼は木星代表となるがかつては戦いに明け暮れる日々のようで、本編では描写されなかったが彼らに何かしらの恩があるそうな……(プルートもそうだがパロディキャラをそのまんまお偉いキャラに就任させて大丈夫なのかと頭抱えたくなるが、そこらへんのライブ感は推測ながら後で解説する)
48話「ネジが島さいごの日」で語られた太陽系会議の方々。2話で挨拶代わりにネジ屋と入れ替わるように顕現しつつ以降影ながらも積極的にネジル達を助けてくれた水星代表トゥル子、モエルに突如湧いてきた妹設定だと思ったら逆にご先祖様だった火星代表モエナイ、子孫カスリーナと違いなにかと怪物に囚われてるテンプレ古典ヒロインそのものな金星代表カスリ姫、最初は『リング』の貞子パロディのために出たのに人気が出すぎて主要キャラになったユーコさんのアバター元である冥王星代表プルート、同じくパロディキャラなのにプルートと合わせるために大出世してしまった木星代表バッティ、これまた1話まるまる用いたクトゥルフ神話ネタのオチ担当で顕現したと思ったらマジもんの神だった外宇宙代表クトゥルほぼゲロ(正式名称が嘔吐じゃないと発音できないから)、そして本編にもしょっちゅうちょっかいを出してくる土星ババァの正体である土星代表サートゥルヌス、作中最強戦闘力を誇ると言っても過言ではない海王星代表にて最強格闘技『ネジ拳』の開祖にて現周回のネジルの母親…のロールを担当するナグリ・ドツーキ。
そして同じく48話「ネジが島さいごの日」にて判明した地球代表ウマ汁。女性用ビキニとパレオを着た金髪ロン毛(ちなみにヅラ)に巨体なおっさんで語尾に「馬刺し」「煮汁」とつける妙ちくりんにも程がある存在で、本編でも駄キャラとして突如挿入されたりOPや前記EDでも映ったり挙句の果てには『ヘボット!』が始まる3ヶ月前に公開されてた玩具紹介PVにてオチを担当したり(美人のネーチャンだと思ったらコイツでした〜〜〜)ここまで来ると伏線というより設定の再利用すら感じる。
そんなふざけた見た目の彼だが他の太陽系代表とは違い頑なに次元ネジを地球ごと破壊しようと実力行使(肥満体になり自身を隕石のように突撃させるダイナミックな方法)した物騒な奴で、ナグリ達が結成したボキャネジカルテットに返り討ちに遭いゴッドネジ界のボキャメンテ地獄の番人(社長として地獄の社員に慕われてる)へと追い込まれた身である。世界の秩序を維持するために人類を滅ぼそうとするも、別の神の助力を授かった人間達に逆に倒され地底へと封印される神らしい壮大なバックボーンを持ってる。こんな見た目なのに。
さてここで天王星だけ抜けてね?と疑問に思うが、彼……いや、“彼ら”についてはここでは話さないでおこう。
ここで自分が少し前まで考察においてつまずいてたのが「なんで次元ネジの形成する宇宙の中にも地球や土星といった太陽系が存在するのに、彼らはタイムリープの影響を受けず記憶を引き継いで活動しているのか」と「ウマ汁は次元ネジ壊したら時空を維持できなくなり宇宙消滅しちゃって自分も巻き添えを受けるのでは」という疑問である。しかし改めて見ると解決した、双方共に「次元ネジで形成された宇宙に存在する太陽系と違う、別世界の太陽系の方々だから影響を受けない」というわけなのだ。パラレルワールドの住民が外側から箱庭の世界を覗くようなものである。
そして後者の疑問の補足でもあるのだが「なんで彼らが次元ネジが形成する世界を認識したか」だが、これは上に書いた「次元ネジの暴走で時空がねじれ、さらにそれに対し修復に試みた屁ボーンのせいで現実と虚構が混濁し、彼らとの世界と混ざってしまったので認識・干渉できるようになってしまった」と考察している。それなら先程の画像でゼロ達が旅の途中でバッティと遭遇できたのも分かるし、ウマ汁の強硬策も「このまま彼らの現実と虚構を歪める行為が続くと、我々も次元ネジが形成する世界に組み込まれ一緒に消滅する可能性が高いから未然に防ぎたい」と考えると納得が行く。(そしてある意味その考えは的中してしまったという…)
次元ネジの外側の世界で忘れていけないのは始まりの者であり元凶エース・オカ。外側の人なのに上述の「笑いの渦によるネジ回し」という宇宙の真理に到達してしまったと考えると本当に恐ろしい人だと改めて思う…そして外側の人間ということは彼女もタイムリープの影響を受けず少なくとも10万年以上、全く歳を取らずそのままの御姿である。そんな人が普通の社員とか某おもちゃメーカー恐ろしすぎる。
某異次元人のごとく空をバリバリ突き破り己のやらかしを修正するためにサポートアイテムを提供しているのだ。スゴスゴインダーネジが自分を「始まりの者からの最後の使者」と名乗ってたのは最後に発売したDXおもちゃだから……「物は言いよう」とはこういうことである
そしてもうひとつ存在するのが次元ネジとそこから形成する時空を管理する次元院であろう。後に成長したヴィーテ姫もそこに所属している
「これがねじれにねじれたこの時空の分かりやすい図説だ!」
29話「イインダヨ〜スゴスゴインダヨ〜」より。1枚目は次元院内部。こういう所で次元ネジのバランスを視認しつつ緩めたり締めたりして調整しているのだ(なお試作品ヘボットがそれを乱した)2枚目は分かりやすい時空の詳細。一番下が次元ネジ、そこから上に直線に伸びてるのが時間(ちなみに中のメモリは現行ロールを任されたネジル11歳の年齢を示してる。黒いトキトキネジでリセットする際に巻き戻しすぎるのを防ぐ機能か?)、周りを螺旋状に伝うのが空間。その螺旋を描く空間に『ヘボット!』の世界が存在するのだ。
空間の存在は22話「ライネジング・サン」のやつが分かりやすい。ハッピーカラフル村事件から抜け出し朝日を拝むネジルとヘボット……より上に位置する空間、すなわち過去(矢印の方向で勘違いしやすいが次元ネジから空間は発生してるので上にある方が古いのである)にて戦闘しているマンドライバーとネジキール卿を確認できる。太陽系会議はネジルとヘボット達を生中継で観てるなら次元院は時空そのものを観測しているので22話ラストの視点でも過去だけでなく翌週23話にて合流するUNKNOWN(チギル&ペケット)が空間外から近付いてきてるという未来も視認できるぞ。この時間による空間の積み重ねを階層と呼ぶ。次元院視点だと時空が螺旋階段状になってるのが視認できるのでイメージしやすいだろう。
このように多数の外側から監視されてるのが次元ネジが作った世界である。いわば箱庭の世界である。そこに太陽系会議の方々は箱庭世界に直接現れたり(トゥル子、ナグリ)、子孫を送り込んだり(カスリ姫、モエナイ)、アバターを生成して住ませたり(サートゥルヌス、プルート)、世界に住むキャラクターをハッキングする(バッティ)といったように各自のやり方で干渉、ネジルやヘボット達が道を踏み外さないよう監視したり道を誘導したりするのだ。
そして次元院側は次元ネジ全体のバランスを昔から調整しており、今回の大騒動に対してはヴィーテ姫がエトボキャボット(誘導したりエトネジ合体でサポート)やボキャリーマンズ(ヘボットにちょうどいいレベル上げ相手の雑魚&脅威排除用の優秀戦力)、さらにネジキール卿の時空外から割り込み介入による破壊活動を防ぐために同じく時空外から割り込めるネ人造人間を対抗措置で送り込むなどで支援してる。
外側の存在による他キャラ導入での誘導、そして世界の運営側による調整……これは箱庭世界の内がひとつ「MORPG(多人数参加型ロールプレイングゲーム)」のイメージが強いかもしれない。太陽系会議はゲームプレイヤー。一部が仕込んでるアバター生成というのもキャラメイキングそのものだし。次元ネジは世界を維持するサーバー。
「ゼロさんは経験値持ち越しで強くてニューゲーム状態!」
49話「さよならヘボット」より。しょっちゅうゲーム世界そのものが消失し1から再復興(しかも虚構が混ざるので前と微妙に違う)なんてオンラインゲームとしてはアレすぎるが例の件が起きる前は安定運営だったと信じたい。そして外側の人達は何度も世界がリセットされても自分自身は生きてるのでゲームデータをそのまんま流用できて遊べちまうんだ。実際のオンラインゲームだと世界のバランス崩れるからそんなチート行動は運営に即BANされちゃうから仮に汚い手段で可能になってもやめようね。☆みんなでなかよくあそぼう!
<追記>
12話「ヘボットのアレがはれた」より。これまた29話と同じく次元院視点のシーンだが「話によって次元ネジから発生する空間が時計回りと反時計回りの2種類が存在する」と聞いて確認してみたらマジだった。上の29話の空間は時計回しの渦でこの12話は反時計回しの渦。次元ネジは刻まれたネジ山を見るに左回しの逆ネジ仕様だが、このように毎度毎度に発生する空間の螺旋の描き方が違うとなると『ヘボット!』の世界は毎週日曜朝7時に次元ネジが時計回しで緩めるなり反時計回しで締めるなりで約30分ほど回った世界でのみ存在するということになる。まさしく「にちようびのせかい」だ。そして毎週ごとに新しく回してるのならば階層というのは毎話ごとに新しく発生しているということになる。
「今度はいつのどこだ…?」
「近い…近いぞ…ネジだけじゃねえ……屁のにおいだ!フハハハハ!臭え!臭えぞ!!」
8話「決戦!ノリノリヶ島!!」より。マンドライバーやネジキール卿は元ネジルという特異点体質を利用して次元ネジが形成する階層に外側から介入できる(時空のねじれそのものなので空間からねじり込むように割り入って来るイメージ)のだが、基本的にはどの周回/階層に飛ぶかは本人にも分からぬ(過去に形成した階層に飛ぶならこれもまたタイムリープである)がこの話でかましたネジルとヘボットの熱き想いによって増強された屁ボーンに導かれるように現周回のこの8話の階層に辿り着いてしまったのだ。時間までもは合わなかったのかネジル達が登場した過去の時間で戦闘を繰り広げていたが、それも23話で再びネジルとヘボットの暴走したエネジーにより再び空間にヒビが入り時間すらもピッタリ合流され……しかし改めて見ると卿の台詞は“ボクさまの相棒に会えるかもしれない”という風にも取れてしまうのがなんとも。
そうなると29話「イインダヨ〜スゴスゴインダヨ〜」などで次元院内にてシメール派のハナクルー(緑)とユルメル主義のシリクルー(紫)が論争を繰り広げているのも理由が分かる。毎週どっち方向に回すか決め日曜朝にグルグル回す。どっち方向に回してみたって空間は発生するが、「緩めれば世界は広がり締めれば収束する」という宇宙法則のように結果は必ずしも同じになるわけではないだろう…現周回は時計回しに緩ませる回を確認する方が多かったがユルメル主義側も「姫のプランに賛成する訳では…」と戸惑いを隠せなかったようである。
日曜朝7時に30分のみ開かれる不思議なオンラインゲームワールド。そこにはプレイヤーや彼らが動かすキャラクター、運営直々サポートキャラは次元ネジが形成したオンラインゲーム内で“ロール”(役割)を持ち活動してる。前述のボキャリーマンズがヘボットの経験値稼ぎにちょうどいい雑魚ポジションなのもそういうことだし、太陽系のアバターや子孫もネジルを手助けするサポート役という役割が行動パターンに刻まれてるし、そして当然ながら次元ネジが形成する世界のキャラクターも己に課せられたロールを元にした行動をしてる
「今日の日を 皆で祝おう 息子のハッピーバースデー」「字余り。」
1話「ヘボッと生まれて屁ボーン!」より。ネジが島国王にてネジル・ネジールの父……のロールを現周回にて担当するジル・ハナジール。自分の相棒キングスボキャにボキャバトルで勝てるまで帰ってくるなと息子を追い出すも、御目付役をコッソリ向かわせたり息子が勝てるようにショボネジなる糞アイテムで意図的にキングスボキャのレベルを下げたり(なおそのせいでノリオに負けた)となんだかんだで子煩悩で優しき父上。実子チギルがねじれたエクステをつけたように自分もネジル特有のネジ状付け眉毛を装着し、血の繋がりがない彼も実の息子のように愛情を注いだ慈愛あふれる御方である。
彼39話「王妃ナグリ、帰還」回想シーンにて。真ん中が若かりし頃のハナジルちゃん。彼とその親友兼ライバルであるノリオ(画像右のマッチョ)は次元ネジが作る世界のキャラクターだが、かつて外側の住民ナグリ達と知り合い世界の構造を認識し、ボキャネジカルテットとして脅威に対抗するロールを担当していた。昔はやせ型でお人好しそうな風貌があり、しおしおのチギルから当時の彼の面影を感じる。裏設定では昔ノリオとはナグリを巡っての恋敵でもあったが、筋肉フェチのナグリは筋肉隆々のノリオでなく彼と結婚しチギルを設けたとのこと。彼女とどのような恋物語があったかは……日曜朝7時の枠を超えた今だし色々妄想しよう。
このようにオンラインゲームの世界をイメージするととっつきやすいネジが島の世界。ここでちょっとメタな話をするが冥王星の代表であるプルートさんのアバターであるネジ柳ユーコさん、彼女は3話「コワコワ〜、はじめてのコワ話」にて『リング』の貞子ネタをやるために登場した1話限りのサブキャラだった筈なのだが、ファンからの人気がとても高くいつの間にか定期的に登場するサブキャラに、さらにさらにと先程のとおり世界設定に関わる重要人物の持ちキャラと大出世したのだ。そういう所も想定されてなかったキャラの人気によってアップデートでメインイベントが追加されたりするオンラインゲーム特有のライブ感というのが箱庭世界設定に妙にしっくりくる。我々視聴者も太陽系会議やエース・オカのように作品への介入者だった……?
3話「コワコワ〜、はじめてのコワ話」より。記念すべき初登場でOPでもちょろっと出てきたように貞子ネタのために出てきただけのキャラだった…のだが初登場の時点でかなりの人気でちょくちょく出る度に(このアニメは意味もなく前出たキャラが賑やかしで出るのだ)好意的な反響が強かった。
「うん、いいと思う♡」
10話「土星は地獄だ!」より。水着のサービスシーン!(放送当時は11月でした)ここらへんから声を担当する藤井ゆきよ氏のスケジュールが確保できたので他のサブキャラ含めコンスタントに出てくるように…
15話「ネジが島クロニクルの巻」より。巫女さん姿かわいい。既に人気は確実のものと化したと言わんばかりの高待遇。
17話「ネジささる、ゆえにヘボあり」より。(監視の)バイト。隣のカスリーナのように時に意図的な上位存在の介入での行動が見受けられる。これ以外にもボキャ美やトゥル子も出てくるわでなんでこんなに監視が多いのかというと周回勢なら周知の事実、この回はネジルがヘボットを失う可能性が非常に高く、最後の周回である彼らが世界を救うロールが達成不可能になったら世界消滅してしまうからである(しかも黒幕の介入抜きのまさかの存在が引き起こしたから相当ヤバい)
画像1枚目は22話「ライネジング・サン」にて。まさかの没デザインの古井戸夕子が登場。ハッピーカラフル村というサートゥルヌスが経営するあまり大声で言えないタイプのコミュニティで労働搾取される(日曜朝のホビーアニメだよ!?)没デザインの一人として別キャラとして出てきた。事件解決後に他の没キャラが設定画に戻りヘボネジコンビに守秘義務だとシュレッダー裁断という形で実質的に殺され(少年主人公の行いです)唯一ひとりだけ生き残り…
そして画像2枚目は27話「ヘボット、ペケット、地獄めぐり」より。ゴッドネジの地下に存在するゴッドネジランド別名ボキャメンテ地獄にて就職しまさかのボキャメンテ夕子として登場。当然ふたりに仲間を裁断された復讐心を持っているし、太陽系の方々を憎んでるウマ汁社長の命令を受け違う話では彼らの妨害行為に及んだりしている。ちなみに突如うっさんくさいイタリア語をつけるようになったのは地下に埋まるゴッドネジに螺旋構造にて形成するボキャメンテ地獄が、さながらイタリアの詩人ダンテの『神曲』にて出てくるボッティチェッリの地獄そのものだからという考察がある。なんてこったい……
同じく27話では元からボキャメンテ地獄に勤務する別個体の女教師ユーコが登場。いったいどんだけアバター作成してんだと思ったらファンブックによるとこっちがメインアバターだそうな。まあ冥府を司る神と同名の星の代表なので地獄担当というのは納得っちゃあ納得だが…主なロールは現世に生まれるヘボット(そしてペケット)が正式に可動するかの耐久テストを施すという地味に重要なポジション。試作品ヘボットから耐久性の重要さを学んだのだろうか
そして29話「イインダヨ〜スゴスゴインダヨ〜」にて。某凄腕女バウンティハンターが出てくるゲームの敵キャラのような翼の生えた怪獣みたいな異形の存在を「誰かと思えばネジ屋さ〜ん!」と一発でネ人造人間10号を別存在のネジルの成れの果てと見破るユーコさん。ヴィクトリニティリーマンが交戦してる中で命令を出す“彼女”に「ネジ屋さんをいじめるなー!」とふっかけるも……
「デリートしなくてイインダヨ〜……見ちゃったことだけ忘れちゃうから放っておいてもイインダヨ〜……」
間一髪みんな大好きスゴスゴインダーネジに救出されるユーコさん。ちなみに本来はここでデリートされ以降出てこなかった筈なのだが、消すのは惜しいとのことで生き延びたそうな。仮に消されてた場合はネジルが「誰か消えた気がするが分からない」と彼の設定に関わる伏線が挟み込まれる予定だったそうだが……
「俺のアバター、こいつがデリートしようとしやがったんだぜ?」
39話「王妃ナグリ、帰還」より。そして本編に登場したプルート。こんな人気出たサブキャラが重要人物と関連してるってもしや…と思った方はお見事、そもそも太陽系会議という設定は後から思いついたからである。10話にて土星ババァを出した所から「こういう設定あったら話が膨らむよね」とうまい具合に着地点を設計して誕生した存在なのである。元々はヴィーテ姫ら次元院と8話と早い時点でシルエットが出てたナグリだけが裏で糸引く設定だったのだろうか……それとも我々の世界の別の階層では違う存在が……
……さて、そろそろ話を戻そうか。そう、ネジル ゼロと試作品ヘボット、そしてヴィーテの話へ。彼らのロール、そして旅の終わりの話を……
・誰も触れない、ふたりだけの国
「いもチンくれへぼ。てかいもチンってなにへぼ?」「ゼロレベルへぼ。ゼロエネジーへぼ。」
45話「ギザギザ・ザ・ネジ山」アバンの回想にて。あれはまだ周回の概念もまだない頃、ちょうどゼロと白ヘボがヴィーテと会ったばかりの頃だった……白ヘボットは喋る。「いもチン」なる存在がなにかも知らず呟き自分でも疑問を持つ(試作品の時点でヘボットの特徴として好物設定としてるが、エース・オカの世界ではまだ商品化してないというメタな描写である)。その言葉は平坦でありプログラミングされた心なき機械のよう……てか本来は唯のおもちゃとして作られたんだから心なんて持ってないのは当然である。
笑いの渦という形でエネジーを発生させるヘボット、しかしそのせいで試作品ヘボットは別の世界に存在する次元ネジに干渉してしまい、このままではそっちの世界の消滅の危機。そしてそのせいで時空のねじれが生まれ、ねじれが意思を持ったのがネジル ゼロ。ネジルとヘボットは次元ネジが形成する世界にてお互いに“運命の相棒”として暴走する次元ネジを修正するというロールを任せられた。それは最後の周回のネジルとヘボットも変わらず、当然元祖であるゼロと白ヘボも同じである。
そして次元ネジの魂そのもの(いわばゲームの運営が直接設定したアバターか)であるヴィーテ。彼女も次元ネジを修正するためにネジルとヘボットを支援し、ふたりを正しい道へと導くロールで彼らと共に行動する。
……しかし彼女の“心”の中にはロールとは関係ない気持ちがあった。彼への、自分のことを救ってくれたゼロへの……
「うらやましいな……“運命の相棒”だなんて」
『ヘボット!』はコロコロコミックでの連載が前提で話を立てたアニメで(なお漫画版は放送途中でスプラトゥーン2と挿げ替えるように打ち切られた)「コロコロ読んでる世代の男子は同年齢の女子は敵のような認識がある」というアドバイスの元でカスリーナやボキャ美、(マシな方だが)ヘイミはネジルと同年代のためか一癖も二癖もある女の子キャラになった。その中で唯一同年代の優しい男子に恋心のような感情を寄せる少女という違う漫画の世界からやって来たかのようなオンリーワン特性を持った幼き頃のヴィーテ。そりゃ自分の存在意義を肯定してくれて心の救いになってくれたら惚れますわな……
彼女はゼロの“運命の相棒”になりたいという秘かな想いがあった。彼の手に抱かれる白ヘボットのポジション、自身に課せられたロールでは決してなれない立ち位置。与えられたロール故に彼の腕の中にいることができる相棒が羨ましかった(冷静に考えるとヤキモチの対象がおもちゃと見るとそうとうファンキーな構図になるが、そもそも彼女はネジである)
しかし試作品である白ヘボットは心を持たない。ならば「次元ネジの魂そのものである自分を心の無い白ヘボットに捧げれば、自分が白ヘボットになって彼の“運命の相棒”になれるのでは?」とふと思う。しかしゼロはヴィーテのことを大切な仲間と思ってる、そんな事したら君はどうなると良くない気持ちだ。ゼロは優しい男の子だから(この後に生まれるネジルのアレっぷり見ると余計に際立つから困る)
そして何度も次元ネジに屁ボーンをかまし、失敗し、黒いトキトキネジでやり直し、世界が歪み違うネジルが生まれ、それでも何度も繰り返した。周回を重ね少しずつ白ヘボットのレベルが上がりながら何度も、何度も……
ずっと続くと思ってた相棒との旅の日々、ある日それは終わりを迎えた。
「ずっと、一緒にいたかったのに……」
49話「さよならヘボット」にて。試作品ゆえに耐久性が実際の商品より弱かったのか、それとも気が遠くなる回数の屁ボーンをしたからだろうか、白ヘボットが自壊してしまったのだ。ネジ魂も、頭のヘボヘボネジも砕け、もはや挿すことすらできない。動くことも、しゃべることもない、物言わぬ抜け殻になってしまったのだ。
“運命の相棒”が壊れ悲しむゼロ。もうネジルとして、世界を修正するロールができなくなった彼。そこでヴィーテが再び提案する。「自分の魂を捧げれば、ネジ魂になればヘボットが復活するかもしれない」と。それはゼロの…自分の涙を止めてくれた彼の悲しむ顔を見たくないからという純粋な気持ちだったかもしれない。
「ダメだよ!そんなことしたら君が消えちゃう…」
ゼロは優しい男の子である。相棒が亡くなり、悲しい状況の筈なのに、涙を見せなかった。君のことも大切な仲間だから、いなくなるようなことさせたくない。そんな優しさがあったから、最初は世界を滅ぼそうとした太陽系の方々とも交流し絆を深められたかもしれない。彼は本当によくできた少年だ。本当に……
どうして私じゃ駄目なの…
あなたの“相棒”になりたかったのに…
失敗する度にいつもやって来る虚無の世界。君の“運命の相棒”がいなくなり、そこは君と私、ふたりだけの世界になってしまった。「必要ないネジなんてない」君はそう言ってくれた。私を救ってくれた。今こそ私が必要な時、私が“運命の相棒”になるしかない。そうすれば君は悲しまなくて済む。それなのに君はどうして……
君は分かってくれなかった。私の本当の気持ちを。ずっと我慢してた想いを。君とずっと一緒にいたかった。“運命の相棒”になりたかった。すべては君のために。君が“運命の相棒”とずっと一緒にいられるように……この虚無が永遠に続けばいいのだ。ならばそうしよう。君と、私だけの世界にしよう。君のために。
次元ネジが回ると時間を伝うように空間が生まれ、そこに世界が生まれる。ならば次元ネジが止まったり壊れたりすれば空間が形成できず世界は終わる。今や次元ネジはこの世界を終わらせる元凶と化してしまったのだ。
……ならば次元ネジこそが世界を終わらせる存在になり得る可能性を持っているのではないだろうか?なんかしらの理由でも構わない、運営がサービス終了すればオンラインゲームの世界は消滅する。そこに住んでるキャラも、プレイヤーが遊んでたアバターも、全部消える。何も残らないではないか。そしてその運営サーバーそのものが願ってる。「終わってくれた方が都合が良い」と言っている。それならば素質は十分ある。
「終わらせる者」フィーネというロールを担当する素質が。そしてそれは既に存在していたのだ。次元ネジである彼女というロール遂行者が。
……こうしてゼロとヴィーテ、そして白ヘボットの旅は終わってしまった。相棒を失い、ネジルとしてのロールを担当できなくなったゼロはオールディスというネジルではない存在になった。
39話「ナグリ王妃、帰還」アバンの回想シーンにて。黒ヘボ曰く10万年以上の月日は経っている筈だが、元が人間ではないので歳はある程度好きにできるようだ。ネジル特有のねじり髪をまとめ(それでも渦巻いてるが)すっかり好青年に。当時はナグリ・ジル・ノリオとボキャネジカルテットとしてロールを担当ネジルを脅威から守るために暗躍していた。
23話「ねらわれたネジ魂」より。サートゥルヌスからネジ王の座を譲られ責任者になったのかナイスミドルに。ネジが島の秩序を守りつつも間接的にネジル達をサポートするのは依然変わらず。ちなみにボキャバトル審判の際に某ピンクの悪魔みたい1頭身になる時があるのだが滅茶苦茶気持ち悪い。ネジルから変質したらそうなったのか、はてまたネジ王としての能力なのか……(後者だったら先代は1頭身のサートゥルヌスとかになってたのかな)
そしてヴィーテ姫も次元院の一員として活動。エトネジやボキャリーマンズを派遣したりとネジルとヘボットを支援する当時のロールそのままに維持し活動している。
12話「ヘボットのアレがはれた」より。ユルメル主義とシメール派の派閥による答え見えぬ不毛な論争、そしてその彼らの上に立つという心労辛そうな立場の姫様。いきなり変なギャグが挟まれるこのアニメにおいていつもシリアスな顔を崩さない希少な存在……放送当時は彼女が出てくると考察班がシリアス描写を警戒して身構えたそうな
24話「兄×弟」アバンより。ゼロは内側から、彼女は外側からサポートしており現在は会う機会は減ってしまった。それでも彼のことはずっと大切に想っているのだ……秘めた内なる気持ちとして。抑え込もうとしてるのだ。己の役割として。
ゼロがネジルとしてのロールが果たせなくなると自然と違うヘボットが出てくる。そして多数存在するネジルの中で誰かの“運命の相棒”になるのだ。そして彼らの周回が始まる。時には次元ネジに屁ボーンをかますもレベル足らず、またある時にはそれ以外の理由で現階層を諦め、黒いトキトキネジを回す。時にはロールを担当するネジル自身に、ある時は黒いトキトキネジを所有している者達が。そして何度も彼らのロールを繰り返すのだ。何人ものネジルが失敗し、何体ものヘボットが壊れ……時には世界修復なんざ興味のないコンビも存在した。
5話「ヘボット、いなくなったってよ」より。史上3番目のネジルことネジルーカスと相棒ヘボッティーナ。彼も相棒と巡り合ったもののロールなんて知らんがなと海外の通販番組もどきみたいなことばっかりしてる。ふざけた奴らだが初期の周回で誕生したということは10万年以上相棒と一緒にいる可能性が高い。多くのアクシデントで別れてしまう現実が存在するのに現役でこの関係を続けてるだけで偉大なる先輩さまなのだ。
そして様々なネジルが様々な失敗を繰り返し、時にはネジキール卿なる4番目のネジルの成れの果てが階層に乱入してヘボットを破壊したり、周回のロールを果たせなくなったネジルをネ人造人間へと再利用し元ネジル特有の体質を利用し次元の外側から介入させ対策を施したり……
1話アバンの「まだずっと先の話」より。ソルジャーボットなる黒いヘボットもどきの軍勢を連れ次元ネジを捻じ切り破壊せんと襲撃するネジキール卿!それに立ち向かうネ人造人間13号マンドライバー!……この殺意全開な二人が後にあんな愛すべき貧乏おバカコンビになるなんてこの頃は想像つく訳なかった……イインダヨ〜みんな仲良く笑いあえばイインダヨ〜
そして太陽系会議の方々のご助力を受けたりと数えるのも馬鹿馬鹿しいまでの年数をかけて繰り返し幾星霜……そして時空のねじれから生まれた最後の周回になるであろうネジルが。ネジル・ネジールが生まれたのだ。
47話「すべてがNになる」より。大抵は11歳の少年として誕生するのに今回は赤ん坊として生まれたボクさま。オールディスはボキャネジカルテットという旧知の仲で信頼がおけるジルとナグリ夫婦に彼を託したのだ。思えば彼が赤ん坊だったのは“たまたま”だったかもしれない。しかし、だからこそ……
そして2016年9月18日が日曜朝7時より我々が視聴し観測していた『ヘボット!』という、最後のネジルであるネジル・ネジールと彼の“運命の相棒”であるヘボットの物語が始まった。この日はボクさま11歳の誕生日、事の発端が2016年に始まってそこで誕生して同じ2016年に11歳とは時系列が妙だがこのアニメを最後まで見てた人ならそのカラクリが理解できるだろう。
……さて、なぜオールディスはこれが最後の周回になるだろうと察したのか。それは始まりのネジルとしての勘であろうか……恐らく“奴”が近付いてきてるのだろうと察したのだろうか。
終わらせる者、フィーネが。
「俺達はいくらでも備える時間があると思っていた……幾度も周回を重ねてきたが、これまでか……」
30話「忘れられないの」より。「アバンで何回ヘボと言ったでしょうか」の答え合わせをオチに行うというふざけたことをしてたと思ったら最後に投げ込まれたこの描写。彼と過ごした想い出の場所で内側から出てくる“奴”を押し留めようと苦しむヴィーテ、渦巻く空を見て改めて最後の周回と悟るオールディス。そして……
穢れた言葉、美しいない文章
ゼロを見下すもの、星々の者
貴様も終われ
43話「ネジ拳ボキャフェスinネジが島」より。多くの視聴者を多方面からの恐怖で凍りつかせたとてつもない回である。あまりにシリアス部分が凄まじくてほぼ茶番だったネジ拳使いの修羅どもの存在を覚えてる人はあんまりいないと思う。メラメラネジとムシャムシャネジのコンビの本名は?モエルとネジルの特訓を覚えてる?自分の記憶は本当に自分の記憶かい?
君のことを待っている“相棒”がいる。
・こちらの情報がすべて正しいとは限りません。世界は日々、進化を続けています。
物語の始まりの解説と世界観考察だけで莫大な量になってしまった。しかも恐ろしいことにまだ書き足りないのだ。『ヘボット!』の世界はまさに屁のごとく芳醇……くっせー!!!
ということで後編へ続くのだ。次は主に記憶や人間関係といった内側の説明をメインで書くことになるでしょう。またこの時間に会えることを期待したいですね……
それでは……といきたい所だがまだ前編、“あの言葉”を言うのはまだ早い。なぜなら……
「にちようびのせかい」はまだまだ続くのだから……
☆しょうひせよ10月4日(にちようび)23:59まで