訳あって保護しました。(3)
ド素人3人組が7匹の猫を保護した記録です。
次の記事あたりからエンタメ性が出てきます。
現場の基本情報はこちら → 訳あって保護しました。(1)
(3)肉球ハンド、始動。
2020年10月21日(水)
保護活動の先輩に励まされて闇落ちを回避した1号は、さっそく横浜市α区の福祉保健センター生活衛生課に電話。事情を説明したところ、職員さんが直接担当に付いてくださることになりました。今回は保護団体を紹介できる案件ではないものの、現場がα区なのでサポートしてくださるのだそうです。
その際に説明された今後の手順と、確認するよう指導された項目が以下です。
《手順》
①α区職員による現地調査
↓
②捕獲実施
-a.難易度が低いと判断されたらそのまま自力で捕獲する
-b.難易度が高いと判断されたら、後日「捕獲のプロ」にお願いする
↓
③捕まったら病院へ持ち込む
-a.TNRなら手術後にリリース
-b.保護なら診察後に預かり場所へ
《確認事項》
①近隣への周知と許可取り
保護した猫は戻らないので、エサやりをしている人に納得してもらう必要がある。これを怠るとトラブルに発展する。
②敷地への立ち入り許可
肉球ハンドメンバーの私有地はよいとして、それ以外の近隣の敷地に立ち入る必要があるため、あらかじめ許可をとっておく。
③捕獲器と病院の確保
手術する病院を決めて、日程を相談しておく。また、捕獲器を貸してもらえるか確認しておく。TNRなら補助金が出るので、猫の不妊去勢手術推進事業登録動物病院名簿から選ぶとよい。
①②は現場=職場である3号さんにお願いし、③は2号宅の猫のかかりつけ医(以降、β区動物病院と呼称)を選びました。この病院とのやりとりは2号が担当し、捕獲器2台を無償で貸していただけることになりました。
なお、今回は自治体と連携して事を進めているため、地元の保護団体さんにはこちらからは連絡していません(自治体と団体が繋がっているので)。ですが、仮に自分たちだけで決行する場合は、やはり断りを入れるべきだと思います。
なぜなら、たとえば親子をまとめて保護しようと計画している最中に「子猫1匹だけを捕獲器で捕まえる」をやってしまうと、残された母猫が警戒して「もう二度と捕まえられなくなる」からです。
それまで時間をかけて準備してきた方々の努力は水の泡。しかも、
母猫は手術のチャンスを失い、ほかの子猫は家猫になるチャンスを失う。
私自身も教わるまで知らないことでした。捕獲器を用いる場合はくれぐれも「捕まったところほかの猫に見せない」を心がけつつ、すでに活動されている方々との連携を忘れないようにしたいと思います。
10月25日(日)
なんと! 3号さんの直接のお知り合い(以降、里親Aさん)が子猫を2匹引き取りたいと名乗りをあげてくださいました。当初の予定ではいったん我々で引き取って……と考えていましたが、「必要なことはこちらでするから大丈夫」とのこと。猫飼いのベテランさんで広い一軒家にお住まいらしく、3号さんが保証人なので、捕獲次第すぐに面談して引き渡しOKと判断しました。
ちなみに、α区の職員さんが手厚くサポートしてくださった件は決して当たり前ではないらしく、保護活動の先輩は「α区は進んでる! 日本中がそうなれば良いのに」と感心していました。それぞれの地域で事情は異なるものの、今回の私たちはとてもラッキーだったようです。
これがビギナーズラックなら、最後の1匹が無事捕まるまで続きますように。
→(4)へつづく