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訳あって保護しました。(5)
ド素人3人組が7匹の猫を保護した記録です。
エンタメ性をお求めの方はここを飛ばして(6)へどうぞ。
現場の基本情報はこちら → 訳あって保護しました。(1)
(5)保護かTNRか問題、再び。
翌日からの怒涛の2日間を報告する前に、ママちゃんの処遇について触れます。
当初、ママちゃんはTNRの予定でした。3回も出産経験があり、寒い冬を最低2回は超えているはずの筋金入りの野良ちゃんだから、保護や譲渡のハードルが高いと判断したのです。
でも、2号はモヤっていました。子供たちと引き離されて、たったひとりで現場に戻されて寂しいんじゃないかと。でも、それはニンゲンの感傷だという自覚はあって、TNRは仕方ないことと自分を言い聞かせていました。
一方、1号は迷っていませんでした。1匹だけ現場に戻すことに引っ掛かりがないわけではないけれど、お外暮らしが当たり前の猫の気持ちなどわかりません。それに、今回の捕獲対象は数が多い。いたずらに保護対象を増やすわけにはいきません。
――――しかし。
1号と2号は見てしまいました。捕獲器の中で怯えながら、威嚇もせずにおとなしく縮こまっているママちゃんを。その小さい体を。かわいいお顔を。
この……、この小さな生き物を、これから寒くなる現場に放つのかっ!?
このとき、1号の脳裏にはあるサクラ猫さんのことが浮かんでいました。病気でひどい状態で、もしも保護されなかったら遠からず死んでしまっていたはず。TNRの場合、ゴハンをもらう以外の管理をされなければそうなります……よね。(管理の行き届いた地域猫さんの場合は異なると思います)
「この小さなママちゃんも、早ければ数年後に野垂れ死に」
――考えてはいけないことを考えてしまいました。もう戻れません。ママちゃんを保護する道を探して、猛烈に頭を使い始めます。
3号さんに電話しました。
「判断は任せます。TNRするなら、アイツが死ぬまで外で面倒みるだけ」
うーん。どうしよう。
α区職員さんに電話しました。
「何とも言えません。経済的、精神的、時間的負担が増えるので、ご無理なさらずとしか……」
ですよね。少し冷静になりました、ありがとうございます。
保護の先輩にメールしました。
「ママの譲渡は普通にありますよ」
!!!!!!!!!
人は信じたいものを信じます。ほしい答えをくれる人を信じます。
アリ。アリですか、そうですか。
ママちゃん、保護にしよう!!
→(6)へつづく
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