訳あって保護しました。(1)
ド素人3人が集まって7匹の猫を保護しました。どうしてそうなったのか、なにが起き、なにを考えたかを記します。
序盤はわりと真面目な報告です。エンタメ性を帯びるのは(4)あたり。
場所や個人の特定を避けるため一部を除いて匿名とし、状況等も若干のフェイクを入れております。あらかじめご了承ください。
《基本情報》
■関連場所
捕獲現場:横浜市α区
預かり:横浜市β区
■主な登場人物
・肉球ハンド(保護チーム)
1号:問い合わせや調べもの等を担当。都内在住で2号の姉。
2号:預かり場所でのお世話等を担当。β区在住で1号の妹。
3号:近隣との折衝、捕獲等を担当。γ区在住のナイスガイ。
・サポーターのみなさん
・アドバイザーのみなさん
・横浜市α区福祉保健センターの職員さん
・動物病院+cafe&犬猫サロンぷらすさん(Twitter:@tasu_cafe)
※12/16 11:00ごろ追記しました。
■保護対象(7匹)
①母猫 1匹
長毛の白猫。通称ママちゃん。推定2歳半~3歳くらい。
②去年生まれた子 1匹
推定1歳半のオッドアイの白猫。通称オッドちゃん。動物病院+cafeさんでの源氏名は「アーシャ」。
③今年生まれた子 5匹
白2匹、茶トラ1匹、黒白ハチワレ1匹、三毛1匹。三毛はのちに動物病院+cafeさんで「凛」の源氏名をいただく。
■現場の状況
・捕獲現場は肉球ハンド各メンバーにゆかりのある場所。町工場などが集まっていて、過去に2回、猫爆発を起こしている。
・そこへママちゃんが住み着き、すでに3回出産。今年の子猫は最低4匹(最終的に5匹確認)で、このままではまた増えてしまう危険性がある。
・土地柄、深夜はほぼ無人になる。飢えているのを見かねた近隣の人が、不規則にエサを与えている。
・捕獲に動き出した時点ですでに10月下旬であり、気温が低下する懸念、育った子猫たちが散じてしまう心配がある。
・以上のことから、できるだけ速やかにTNRや保護を行う必要がある。
(1)肉球ハンド、結成。
※実際にチームに名前がついたのは後日ですが、便宜上この名称でまとめます。
2020年10月20日(火)
所用で現場を訪れた1号と2号は、オッドアイのきれいな白猫と出会います。野良にしては近くまで接近可能なことを不審に思っていると、ご近所の3号さんがやってきて「子猫が生まれてるんだけど飼わない?」と持ち掛けられました。
残念ながら1号も2号もすでに猫を飼っており、簡単には増やせません。とはいえ、聞き捨てならないので3号さんに詳しい事情を聞くと、《.基本情報》に記したような有様でした。
3号さんは猫の知識こそありませんでしたが、現場の猫たちにとても心を痛めていました。
「これ以上増やしたくない。増えれば病気や事故で死んでしまう」
「今までもたくさん死んで、自分はそれを葬ってきた」
「どうにかしたいけれど、どうしたらいいかわからない」
1号と2号は口をそろえて言いました。
「それは、TNRか保護をするしか……」
野良猫を捕獲して不妊手術をして現場に戻すのがTNR。対象の猫はこれ以上繁殖することなく、野良もしくは地域猫として生きていきます。
保護の場合は、捕獲後に検査や治療をし、保護主または「預かりさん」と呼ばれるお宅で過ごしながら里親探しをします。
1号と2号の知識はザックリとこのくらい。具体的にどうすればいいのか、保護活動界のお作法や常識などはまったくの無知です。つまり、現場で頭をひねる3人ともド素人です!
……が、1号にはひとつだけアテがありました。1号宅の猫の保護主さんです。保護活動のベテランさんなので、この方のお知恵を拝借しつつ何とかしよう。3人でそう決意し、この日はいったん解散となりました。
→(2)へつづく