【傷だらけのカルビ物語6】カルビ警察
こんにちは。
肉汁マスター イケタカです。
単身赴任した店は
2008年の開業から2017年まで。
約9年間を振り返ると...
痛すぎる日々の連続でした。
でも。
お客様と向き合い一所懸命、
焼肉屋の本分を頑張っていたら
痛恨の日々から脱出できそうな、
明るい予感もしてきました。
が、焼肉の神様から
与えられる試練は終わりませんでした。
日本中の人々の心を
恐怖のどん底に陥れた
東日本大震災の後。
この頃、
それまでの驚異的な円高基調は
1ドル70〜80円台が
ほぼ倍の120円を超える
円安に戻ってきました。
原因は、
びっくり民主党政権から
政権を奪回したアベノミクスです。
輸入に頼るのが主、
牛のエサ代やガソリンなど
円安で一気に高騰した結果。
アベノ...前に比べると、
牛肉の仕入価格は3倍に跳ね上がりました。
(2023年現在その3倍を超えてます涙)
※当時一杯230円の
チェーン店の牛丼この頃から380円〜
値上げしたのは各社このため。
一番安い、
輸入のペラペラ肉。
牛丼チェーンでさえ、
コスト上昇に耐え切れず
価格爆上げの有様でした。
これが焼肉用となれば、
全く比較にならないことは
想像に難くないでしょう。
紆余曲折を経て、
守ってきた創業の味。
看板メニュー[魂のカルビ]
急激な円安で再び、
巨大赤字は目の前です。
魂のカルビは元々赤字メニュー、
という歴史がありますが、
円安で同時多発的に、
この時は他の肉も一斉に
仕入れ値が上昇しています。
なので、各食材で
リスクヘッジは不可能。
2008年の開業した当時、
一皿680円だった魂のカルビ。
9年後の2017年には、
一皿1080円に。
9年間で40パーセント以上
値上がりしました。
そんなわけで、店は
余談を許さない苦しい
経営状態が続きました。
そして。
こんな時にやって来るのが...
焼肉ファンの中に一定数いる
と言われる、
『カルビ警察』
肉の仕入れの苦悩など、どこ吹く風。
グルメサイトの口コミで
当時、使い倒されていた、
“コスパという単語を連発し、
「こんなのカルビじゃねぇ」
「コスパが悪い」
「カネ返せ。」
独自の正義を振りかざし、
悪評を流布しまくるのです。
イケタカもだいぶやられました。
カルビ警察...涙
「1000円するのに不味い」
この他にも、
悪意のある口コミはたくさん。
自店に限らず、
全国の飲食店さんが
やられ放題でした。
しかし、こうした投稿が
大きな社会問題になり、
サイト運営側も解決に乗り出し
不当な投稿は削除されていきました。
バラのカルビ(基本)でしか
味わえない独特の牛脂の風味。
この香りと独自のタレ、
他では食べられない調味で
魂のカルビ、看板として出していました。
昔ながらの焼肉、
バラカルビの味わいこそ、
焼肉屋の本望...
「もうそんな幻想は終わった」
きっと、僕は、
疲れてしまったのだと思います。
この頃のイジメ投稿で
嫌になってしまったのかも知れません。
今では心ないSNSの投稿、
顔も知らない相手からの誹謗中傷で
自ら命を断つ人も増えています。
焼肉屋の「ヤ」の字は、
カルビの「カ」と同じ!
そう習い、信じ、尽くしてきました。
しかし、
時代のニーズは変わったんです。
この時をきっかけに、
僕は決断をしました。
「カルビは封印する」
2017年1月から今日まで。
店のメニューに、
特別イベント以外で、
牛バラのカルビが乗ることは
ただの一度もありません。
あなたに心から、
「魂のカルビ食べたい!」
と望まれるなら。
機会を見てイベント的に
出しても良いかなとも思いますが。
価格的に見ても、
コスト的に考えても、
あなたも、僕も、
受け取れるメリットは少ないです。
それに再開したら、
きっと...
また、傷だらけ、
血祭りにされるに違いありません。
なので、やはり。
このまま封印しておきます。
2008年7月から、今日まで。
本当にたくさん、
いろんなことがありました。
「もうだめだ」
何度そう思ったか、
数え切れないほどです。
でも、今こうして、
あなたにメールを書かせていただける。
本当にありがとうございます!
カルビは封印しましたが、
魂だけは熱く今もこの胸にあります。
これからも
お客さまが楽しく利用でき、
元気になってもらえるお店を
作っていきますので
応援よろしくお願いします。
いよいよ、次回は、
傷だらけのカルビ物語も
クライマックスです。
それでは、また。
あすご連絡しますね^^
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
厚切りには人生を
極上にするパワーがある!
肉汁MAX!!!(謎)
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