産まれてから3歳まで
俺は、4人兄妹の長男として1993年1月に産まれた。父親は警察官、母親は専業主婦といった至って普通の家庭に産まれた。父親が警察官という事もあり、他の家庭よりは少し厳しめに育てられていたたと思う。
まだこの頃は、物心も付く前できっと毎日毎日初めてのことだらけの、好奇心旺盛で希望に満ち溢れた毎日を過ごしていただろう。
よく飲み、よく寝ていた俺は、産まれた時は約3500g程だった体重が、半年で10kgまで成長した。恐ろしい成長曲線である。しかしこの成長はまだ序章に過ぎなかったのである。
父親は、高校でレスリングをしていた事もあり、俺にはレスリングをやらせ、一緒にレスリングをしたかったといつだか話していた。その話の通りにレスリングをしていれば今は違う人生を送っていただろう。
そんなある日、俺が3歳になった頃、父親が高校時代の友達のやっているレスリング教室に俺を連れていく約1週間前の事だ。日頃から仲良くしてくれていた知り合いのおじさんから、「息子に柔道をやらせてはどうだ。1度見学に来なさい。」と言われ、父親と共に見学に行った。父親も警察になってから柔道をやっていたため、そんなに抵抗はなかったため誘われるがまま見学に行った。しかし、見学に行ったが最後、知らず知らずのうちに入会することになっていた。
この時、父親の俺にレスリングをやらせたいという夢は儚く散ったのである。
この、柔道入会をきっかけに俺の人生は激動の人生となってしまったのである。