3歳で入会してすぐ
3歳からわけも分からず始めた柔道。入会した道場は県内ではトップの厳しさを誇る道場だったのだ。3歳から入会する子どもはあまり居ないらしく、周りはほとんどが小学生のお兄さん、お姉さんばかり。ただ身体の大きかった俺は見た目はそんなに引けを取らなかった。
しかし、引けを取らないのは見た目だけである。当然、運動能力も3歳と小学生とでは圧倒的に差がある。しかも、身体が大きいというのは身長が大きいのではなく、体重が重く横に大きいのだから、走ったりするのは大の苦手。運動神経もさほど良くない。よって、当たり前ながら入会したばかりとは言うものの、柔道の基本動作、準備運動、マット運動など、周りの小学生は朝飯前のようにこなすことについて行くのがやっとだった。
そして、厳しいのは稽古の内容だけでは無い。稽古の回数だ。通常の町道場などはほとんどが、週に3日程度が普通である。だが、県内トップの厳しさで有名な道場だけに、稽古の回数も異常だった。その数なんと、週に6日である。木曜日以外の全ての日で稽古が行われているのだ。木曜日以外の平日は18時~21時まで、土曜日も同じ時間、日曜日に至っては朝9時~17時までの1日練習をしていたのだ。強くなるわけだ。
そんなこんなで、わけも分からず始めた柔道、そこから地獄の日々が待っていたのである。