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アンメットを観ている
月曜日22時から放送している連続ドラマ、アンメット。
6月10日に放送された9話の衝撃からずっと抜け出せずにいるので、ここで吐き出すことにします。
まだ最終回は迎えてないけれど、現時点でこの作品をこの先一生忘れたくないと思っているし、ここ数年で1番ののめり込み方をしている。
この作品に出会えて本当によかった。
しかしわたしは、放送開始から観てたわけじゃなかった。
わたしは普段、あまり連ドラを観ない。肌に合わないことが多いから。
映画は一般的に言うと観る方だと思うけど、毎週映画館に通うほどではない。
顔と名前を覚えるのも苦手だから演者さんにも詳しいわけでもない。
更に言うと、長いこと邦画をあまり観ていなかった。
でも去年から、それを改めようと思って少しずつ日本の映像作品を観るようになったところだった。
好きだなと感じる作品にたくさん出会えた。
でもあまり連ドラは観ない。
クール内でどんな作品があるかも調べてない。
だから、5月半ばまでアンメットの存在も知らなかった。
SNSで話題になっていたのを見かけたのと、友人が「アンメットおもしろいよ」と言っていたのがきっかけだった。
その友人から「ネトフリでもう配信してるよ」と聞いて、それなら、となんとなしに見始めた。
映画っぽい画面作りで、普段感じる連ドラの“肌の合わなさ”は感じない。
杉咲花さん、柔らかくて温かくてずっと観ていたい演技だな。
あれ、この俳優さん、最近どっかで観たような?
(のちに市子で観た若葉竜也さんだと知って、同じ2人なのか!となった。)
(市子もすごく好きな作品です。)
1日に1話ずつ観ていたけど、次第に止まらなくなった。
普段、夕飯時にはアニメや配信ドラマを夫と一緒に観ている。
夫はアンメットは別にいいかな、と言っていたので別の時間で1人で観ていた。
でももう続きが観たくて観たくて我慢できず、夫は観てなかったのに、ごめん!アンメットが観たい!観させてくれ!と4話から夫と一緒に観た。
夫は人の顔を覚えるのが得意で、若葉さんを観た瞬間に
「あれ、この人が連ドラでメインなの珍しいね」
とすぐ気付いた。すごいなー。
夫も好みの作品だったようで、次の休日に1話からまた一緒に観た。
そして、先日の9話。
8話までを3周した。準備はばっちり。
オンエアをリアルタイムで観るのはこれが初めてだった。
予告の時点で、若葉さん演じる三瓶先生の涙が映ったので、これはきっとやばいぞと覚悟はしていた。
8話までも散々泣いてしまったし、先にお風呂は入らなかった。
スキンケア後の顔が涙でぐちゃぐちゃになるのは嫌だ。
ソファに座り、でっかいラッコのぬいぐるみ(鳥羽水族館で買いました)を抱えて、たくさん並べている他のぬいぐるみたちに寄りかかり、気持ちの逃げ場を作った。
アンメットは、所謂ドラマっぽい大袈裟な演出があまりなく、主演の2人を筆頭に、ごくごく自然な演技が続く。
だからこそ目が離せなくて、隅々まで感じ取りたいと思わされる。
この時代に、映画館を除いてスマホの存在を忘れる時間ってあまりない。
アンメットは、それを与えてくれた。
9話のラストシーン。
手術の練習をしているミヤビちゃんを三瓶先生が見つける。
もう、わたしは呼吸をするのも忘れそうだった。
というか、呼吸の音すら邪魔だった。
三瓶先生とミヤビちゃんが交わす会話をただ観て、ただ聞いて。
それだけなのにこんなにも胸が苦しくなる光景ってあるだろうか。
ひとの心の輪郭に触れそうな探り探りの会話。
ミヤビちゃんがどうして普段からあんなに周りに愛されるのか、この10分のシーンだけですべて伝わる。
1話での印象的な三瓶先生の「障害がある人はただ生きてればいいと思ってるんですか」のセリフが、こんなにも重くのしかかる。
「三瓶先生はわたしのことを灯してくれました」
この回の監督のブログで、このミヤビちゃんの台詞はアドリブだと書かれていた。
そ、そ、そんなこと、ある?
この台詞が?アドリブ?
あの台詞を軸に、他がアドリブだと言われても違和感がないほど。
あの台詞が入ってる本編を観た今、アドリブがなかったバージョンの想像すらつかないけれど、きっと印象が大きく変わったんじゃないかと思う。
杉咲花さん、若葉竜也さん、本当にすごい。
すごい以外の言葉が見当たらない。
アンメットの制作発表記者会見で、若葉さんが杉咲さんに絶大な信頼を置いてることはすごく伝わったけど、本っ当に相思相愛なんだなと。
あんな演技観たことない。
頭を預けにいった三瓶先生。それを抱きしめるミヤビちゃん。
次第に泣きながらしがみつくようなミヤビちゃんを、今度は三瓶先生が大きな手であやすように背中をトントンしながら抱きしめている。
このシーン以上に「愛してる」が伝わるシーンありますか?
いやごめんあるだろうよ。
あるだろうけど、「愛が伝わる好きなシーン、作品は?」と聞かれたら、わたしはいの一番に「アンメット9話のラスト10分です」と答える。
その後のミヤビちゃんの衝撃的な台詞に、わたしはドラマ終了後動けなくて30分泣き続けた。
風呂を後にしておいてよかった。
わたしは、エンタメが大好きだ。
映画、ドラマ、音楽、漫画、アニメ。
人間が生存する上で必要のないものが大好きだ。
どうしてわたしはエンタメが好きなのか、改めて理解させてくれるドラマに、俳優さんに、出会えた。
一生のうち、こんなにも胸が震えて締め付けられる瞬間を目撃できる。
ひとの心の動きを観て、同じように悲しんだり喜んだり怖がったりするの好きだ。
エンタメを好きでいると、このために生まれてきた、と感じられる日がある。
それが6月10日だった。
アンメットを待つ1週間は、とても長い。
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