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ストリンガーの技術はどこで差がつく?ガット張りの奥深い世界
はじめに
「ガットの張り方で違いなんて出るの?」と思う方は多いかもしれません。しかし、実際にはストリンガーの技術や細かな違いが、打感や耐久性、プレーのパフォーマンスに大きく影響します。
本記事では、ガットの張り方の違いがどのように打感を変え、プレーに影響するのかを、専門的な視点から詳しく解説します。
1. バドミントンガットの種類と張りに与える影響
バドミントンのガットには、大きく分けて**細ゲージ(0.61mm〜0.65mm)と太ゲージ(0.66mm〜0.75mm)**があります。それぞれの特性が張り方によって異なる影響を与えます。
✅ 細ゲージガット(0.61mm〜0.65mm)
反発力が高く、弾きが良い
打球音が高く、シャープな打感
耐久性は低めで、頻繁な張り替えが必要
✅ 太ゲージガット(0.66mm〜0.75mm)
耐久性が高く、テンション維持力に優れる
柔らかめの打感でコントロールしやすい
弾きよりも持ち上げる感覚が強く、クリアやカットに適している
張るときのテンションのかけ方や、クロス(横糸)を通す際の摩擦の影響で、それぞれの特性が強調されたり、逆に損なわれたりすることがあります。
2. ストリンガーごとの技術的な違い
ストリンガーによって変わるのは、単なるテンション設定ではありません。ガットの張り上がりは、「テンションのかけ方」「結び目の作り方」「クロスの通し方」の違いで決まるのです。
✅ テンションのかけ方
ダイナミックテンション法(DTM) → 徐々に引きながらテンションを均一にかける
スナップテンション法(STM) → 一気に引いてシャープな打感を作る
プログレッシブテンション法(PTM) → エリアごとにテンションを変えて、特定の打感を調整
✅ 結び目(ノット)の作り方
ダブルノット → テンションの維持が長く、耐久性が向上
シングルノット → 張りたてのフィーリングを柔らかく仕上げる
オリジナルノット → ストリンガー独自の工夫でテンション維持や打感を調整
✅ クロス(横糸)の通し方
スムーズ通し法 → 摩擦を減らして耐久性を向上
タイトフィット法 → ガット同士の摩擦を意図的に増やし、打感を硬くする
フレックスフィット法 → スイートスポットを広げるようにクロスを調整
これらの違いが、プレイヤーの感じる打感やラケットのフィーリングに直接影響を与えます。
3. プロ選手のガット張りのこだわり
プロ選手の多くは、ガットの張りに対するこだわりが非常に強いです。
🔹 世界トップ選手が求めるガットの条件
テンションの誤差が1ポンド以内
張りたての打感を数試合持続させる
気温や湿度によるテンション変化を考慮
例えば、あるトッププレイヤーは、
試合前日の夜に張り替え
その日の気温と湿度に応じてテンションを微調整
予備ラケットのガットも同じ張り方で統一 といった細かな管理を行っています。
また、選手ごとにストリンガーが専属でついているケースも多く、**「このストリンガーに張ってもらったガットが一番しっくりくる」**というこだわりが生まれています。
4. 自分に合うガット張りを見つけるには?
✅ 1. ガットの変化を記録する
「前回の張りはどうだったか?」を記録しておくことで、自分に合うガットの張り方が見つかります。
✅ 2. ストリンガーに要望を伝える
「もう少し弾きを強くしたい」「打感を柔らかくしたい」といったリクエストを伝えることで、適切な張り方を提案してもらえます。
✅ 3. 違う張り方を試して比較する
テンションやストリンガーを変えてみると、自分に合う組み合わせが見つかることがあります。
まとめ
ストリンガーの技術によって、ガットの打感・耐久性・コントロール性能が大きく変わることが分かりました。
✅ バドミントンガットの種類による違い
✅ ストリンガーごとの張りの技術
✅ プロ選手が求める張りの条件
✅ 自分に合うガット張りの見つけ方
「誰が張っても同じ」ではなく、「誰に張ってもらうか」が重要です。ぜひ、自分に合ったガットの張り方を見つけてみてください!
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