第31回定期演奏会(佐倉シャルマン・ウインド・オーケストラ)

気がつけば、前回最後に参加した定期演奏会は11年前の第22回定期演奏会だった。

なぜ約10年もの間、楽団から遠ざかったのかは公にするほどのものでも無いので詳細は割愛するが、ただ、自分の置かれた立場として自分の意思で復帰することが消極的にならざるを得ない中、仲閒からの「戻ってきてよ」との声がかかるまで要した年数が10年だった、ということである。

10年ぶりに復帰した楽団、戻った当初は、いろいろな思いが交錯。
しかし、定期演奏会では自分の持ちうる最良のパフォーマンスを発揮しなければ、というキモチで週2回の練習にほぼ欠かさず参加。
前に活動していたときなら、みんなで合奏する楽しみでウキウキしながら、ただ楽しさしか無かったのが、アラフィフになってやってみると平日の疲れを回復させる時間も無く疲労の蓄積が半端なく。
もうでも、演奏会を成功させるんだという気迫だけで乗りきった。

楽団を休団してからは、会社バンドでの活動をメインに細々と、演奏する曲は、聞いてくれる人が馴染んでくれるようなポップスや歌謡曲が多いので、自分の奏でる音色もそれに馴染む音、そして、日頃からもっと音量出してと言われることが多かった。
そんな中、バリサクをメンテに出した際、試奏させて貰ったヤナギサワのメタルのマウスピースに一吹き惚れしてしまい、これを主力として使っていた。

しかし、定期演奏会は、クラシカルな曲もやる。
メタルでは乗り切れない、と思い20年前に買ったルソーのクラシックモデルを引っ張り出したり、ネットで買ったルソーのニュークラシックモデルを使ってみたり、でも、しっくりこなかったので、著名な方が選定されたセルマーのS90で落ち着いた。

マウスピースを変えれば、リードも変え、加えてリガチャーもシルバースタインに手を出し、マウスピース各種に合うサイズを揃えていったら、合計20万円近いお買い物をしていた。

定期演奏会の第2部はポップス系主体のプログラム。
クラシック用に調達したセルマーS90では、ポップス曲用に吹きこなせないので、ヤナギサワのメタルを投入。
しかし、アンブシュアが変わってしまったのか、以前のメタルマッピ用と同じセッティングではリードミスが多発して、定期演奏会前日にリードを変えてリードミスしないようにするドタバタ劇を演じてしまった。

そうこうしているうちに11年ぶりの定期演奏会当日。
10年も経つと、ステージから見た客席の様子、ってこんなもんだったかなぁと昔を思い出せない状況。
それでも会場は、シャルマンサウンドを楽しみにしている常連のお客さんで埋まった。
さすがに、私のことを覚えているお客さんはいないと思うが。

練習にほぼフル参加した分、本番は、わりと余裕だった。
練習は嘘つかない、って誰か著名な方が言っていたけど、実感。
ホールでの演奏は、前日と本番当日だけだったので、その場所で自分の奏でる音と周りの音がキッチリ重なるかどうか、低音担当の一員としてちゃんと他のみんなを支えられるかどうか、そこが一番留意するところだった。
(後で録音聞くと、バリサクの音色なんて他の音にかき消されて聞こえないんだけどね。記録に残らず、記憶に残す、感じかな。)

一方、シャルマンに十分な時間を掛けすぎた結果、他に声掛けをして貰ったバンドの演奏会のために費やす時間が足りなくて、ご迷惑をおかけしたところがあるので、ここで謝っておきます。ごめんなさい。

当日は、シャルマンの常任指揮者だった深澤先生も来場頂いた。
先生が卒業されてからの復帰で、先生にも不義理を重ねてしまったようで、本当に申し訳なく。
楽団を休団していたある日、某駅前でバッタリ会って、先生から「たまには(楽団に)遊びに来てね」と優しく声かけて貰ったのだが、まだ、同居人からの締め付けが厳しい頃で、自発的に戻りたいと交渉しても大ケンカに発展するのが目に見えていたから、行けなかった。
願わくば、先生の棒でもう一度演奏したい、という思いがあるが、それはもう叶わぬ話。

演奏会自体は、あっという間に終わっちゃった。
これまで約半年間、積み重ねてきたものが正味1時間ちょっとの演奏でおしまい。
お客さんが書いてくれたアンケートを拝見して、概ね好評を得られたのは良かった反面、自分の楽器の出す音一つ一つをキチンと認識して、必要に応じて変え指を使う必要性、スコアを読んで、自分のポジションをキチンと確認する必要性、まだまだ、やらなきゃ行けないことが沢山あるな、と思った次第。
もちろん、それは、シャルマンに限らず、自身が参加するすべてのバンドについて言えることなんだけど。

とりとめも無く、思いついたことをつらつらと書き綴ってしまいましたが、最後までお読み下さった方、ありがとうございました。


(個人情報保護のため、個人が特定できないようにさせて貰っています)

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