新しい道具と新しい思想
ツールは所詮、道具、重要なのは何が作りたいか、だ。
なんて、よく言われるけれど。私は新しい道具が好きだ。
新しい道具を使うと、新しい考え方が自分にインストールされるから。
新しい道具が出てくると、いつも
「いずれなくなってしまうかもしれないのに、それを苦心してマスターするのは時間の無駄だ」とか
「今までのもので十分対応できるし、使い慣れたものの方がより早く作りたいものが作れる」とか
「道具に振り回されすぎだ。たくさん使えばいいってもんじゃない」とか
言われたりする。
それもそうなんだけど、私が求めているのは、私が道具から受け取りたいのは、そういうものではないのだ。
本を読んだり、映画を見て新しい考え方や表現に出会うように、新しい道具は、新しいコンセプトを私にくれる。もちろん、古いものがダメなわけではない。私が新しく出会う道具、という方が正しいか。
たとえば、あんなに一斉を風靡した Flash はなくなってしまった。
けれど、シンボルに対して個別の処理を設定してネストし、それを中央からの司令で動かしたりする考え方は、私の思想を変えたし、今も生きている。
Flash Catalyst なんて生まれる前に消えたけど、でも、エンジニアと一緒に触りながらプロダクトをつくりあげていく、というコンセプトは今、Sketch やそのプラグインでやろうとしている事に繋がっている。
何よりも最初に Mac を手にした時、Adobe のアプリケーションにふれたとき、運命が変った。今でもバージョンアップのたびにドキドキする。
自分も自分で変化するけれど、道具も変っていく。
そして作るものが変っていく。
Sketch は私を随分変えたと思う。Figma も、In Vision も。
そしてこの、note だって。
note がなかったら、この文章は書かれなかっただろう。私が note に書いているのではない。note が私に書かせているのだ。
新しい道具は新しい思想をくれる。だから私は新しい道具が好きだ。
もし新しいものに躊躇してしまう、興味はあるけど腰が重い、と思うなら、それが自分に新しい思想をくれるかもしれないものと捉えて見るといい。
本を選ぶように、映画を選ぶように、新しい道具を選んで、新しい思想に触れてみるといい。
道具は自分を拡張する。きっと運命の出会いがある。
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