既習を活かすということ
若手から中堅への過渡期といったところだろうか。
自らの教師人生を振り返り、今後の在り方を模索していきたいと思う。
さて、3回目のテーマは「既習を活かすということ」である。
学びには連続性がある。学んだことを使って、次の学びを創り出すことができる。特に、算数は系統性の強い教科であり、既習を活かした「学び方」を子供たちが身につけるのに重要な教科の1つであると考える。
まず、教師が「既習」をどう捉えているのか、という問いがある。そこが違えば、考えていることはもちろん変わってくるはずである。既習というと、既習「内容」として固定的に捉えられがちであるが、他にも「考え方」や「方法」等が考えられる。つまり、目の前の子供たちが「何を学んできたのか」の他に、「どのように学んできたのか」ということを考えることが、授業づくりにおいて非常に重要であると捉えている。小6だから、小5でこれを習って使えるはず。小4で習ったから、小5でこれはできるはず。というのは、学習者視点から少し逸脱しているようにも感じる。
私が最も大切にしているのは、算数のつながりを「子供自身」が意識することである。前に学んだことが使えそうだという実感や、既習を活かす豊かな場が重要なのではないだろうか。デューイの言葉を借りると、経験から学ぶのではなく、経験を振り返るときに学ぶのだという。「あれ?何か前にやった方法が使えそう…」「前にもこんなことあったよね…」という自分の経験を振り返る心を育むことが重要なのではないだろうか。
先生が既習を使おうと言えば、それは近道かもしれない。だが、私はあえてそこに挑みたい。そう考える源は、私が見つけた算数の美しい世界を、子供たちと共に『発見』したいと考えているからである。