第1話 座りションの悲劇

ぼくは男である。

よく、用を足す時に立ってするのか座ってするのか。
そんな議論になる。


みなさんどうしてます?

公共のトイレを使うときは、男子トイレの大半が小便器か大便器かに分かれていて、
小便のときは小便器に立って30秒以内に用を足すのである。

たまに、自分の時間が欲しい時とか、逆に大便器の方が空いていて個室に行くときはあるのだけれど。

で、小便器で用を足すときはこの枠からはみ出さないように立ちションすればいいだけなので、特に気を使うことはない。

何なら片手にスマホ、片手にヤツ、なんてこともザラなのである。

で、本題。

大便器で用を足す時にどうしてますか?

ここでまず、立ちションか座りション問題にぶつかるわけ。

立ちションの場合は、まずフタを開け、さらに便座を上げ、
あの枠内目がけて少し遠いところから、ミドルシュートを撃つのである。

だが、ぼくみたいに学生時代サッカーの授業でドリブルさえまともにできなかった人が、
立ちションミドルシュートを撃つと、コントロールできずにハイドロポンプしてしまうのだ。


飛び散りに気づけば、自宅のトイレとかなら拭くんだけど、
意外に男性は気付いてない。

自分がゴールにシュートを決めたつもりでも、軌跡は一直線とは限らないから、かなり飛び散っていたりする。
それに男は気付いていない。

今、ぼくは24歳だが、小学校半ばくらいから母親に「座りション」を指導されてきた。

座りションこのみち15年。

座りションをする男は正しい、正義だ、俺は他の男より偉くて誠実なんだ、そう思い込んできた。


今ぼくは、実家を出て彼女と同棲している。
他人との共同生活は色々なものにぶつかるわけだが、このトイレに関しては自信があった。

立ちションしてる男より座りションしている男の方が絶対好感度高いし、これは母親に感謝しないと(1ミリも思ってないけど)、
てな感じで若干ドヤ顔しながらトイレをしていた。

しかし。
彼女からこんなLINEが。

「なんでこんなトイレ汚れてるの?

嘘やろ。俺じゃないぞ。あんたやろ。
多分そんな返信をしたと思う。

だから家に帰って、確認した。


多分、俺。

信じられない事実である。これまでトイレを清潔に使い続けてきたつもりの自分が、
この15年くらい座りションにより、もしかしたら誰よりも汚していたのかもしれない。

便器と床の境目の部分に津久井湖(神奈川県民にしか伝わらない)ばりの小さな水溜りができていたのである。


首を傾げながら、しばらく座りションを続けた。

また津久井湖ができた。


原因はここにあった。

♪1st Single 「便座と便器の隙間から」

男性の方は分かるだろう。

ヤツと顔は常に同じ[様な]方向を向いている。
落ち込んでいるときは下を向いているし、
基本的には前を向いているし、元気のある時は上を向いている。

大体トイレをするときは前を向いている。
前には「便座と便器の隙間」がある。

この僅かなはずな隙間に30%ぐらいの確率で命中してしまい、華厳の滝ができる。
その下には津久井湖がある。

つまり用を足すにはヤツを強制的に下を向けなければいけない。
しかし、スマホをいじりながら、だとか
緊急性が高くてそれどころじゃないとき、
忘れてしまう。

思い出した。
中学3年生の頃、塾のトイレで座りションをしていたとき、
下ろしていたスボンのお尻の部分に見事大当たりを引き当て、大洪水に。

トイレットペーパーで吸収しようも全く吸い取らず、そのままドラッグストアに直行しファブリーズを買って、必死に中和させていた。。。

この問題に悩んでいる男性も少なくないはずである。

この便座と便器の隙間を埋める吸い取りパットなるものも販売はされているのだが、交換するのが少々面倒だ。

だから、TOTOさんや、LIXILさん他トイレメーカーが一度、公式で「大便器での用の足し方 男性編」を出して欲しい。

https://jp.toto.com/en/gtjt/jp/howto/

大事なのはこの先だ。

島根県江津市のコンビニのトイレにあった張り紙。
生まれて初めてこのような注意書きを見て感動した。
島根で。




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