トイレ旅路の時間
こんにちは、ボランティアの大村です
その子は、公園の洗面台で蛇口をジャーっと最大限に回しました
水は洗濯機の濁流のように、大きな渦を巻いて吸い込まれていきます
「勿体ないから止めようか?」という言葉が喉まで出かかりましたが、
何かの勘が働いて言葉を飲み込みました
しばらくその子は水をじっと見ていました
そして「水が溢れないように洗面台って出来てるんだ?」と
何かの時間が終わったように蛇口を止めました
* * *
フリースクールから徒歩2分のところに、公園トイレと
児童館トイレがあります
下水が壊れてる和草では、子どもがトイレに行くのに見守りがてら
ついていくのもお仕事のひとつです
トイレ中は公園や児童館の前で待っています
一緒に歩きながら話す時間は5分ぐらいですが、
その時間を気に入ってる子もいて
いつもとちょっとだけ違う部分を出してきたりします
壁から出ている管を「あれってなんのため?」と聞いてきたり
今ならそれが「新しい種類の会話のチャンス!」と分かるんですが、
その時は「トイレ往復は早く終わらせるべき時間」だと思っていたので
会話を深めずに終わらせてしまった・・・
子どもの「全ての時間が大事な時間」という感覚がわかってきて、
トイレ往復は大切な時間のひとつです