針生検ガッチャンと告知後の冷静さ
2023年2月
やっと乳腺クリニックの予約が取れたバレンタインデー。
自分は乳がんではないだろうという気持ちと、やっぱ乳がんかも、と半々の気持ちで訪れた。待合室は混んでいた。検診の人が多いだろうから、この中で何人の人が本当に乳がんなんだろう?と考えていた。
始めに大嫌いなマンモ。(この検査が嫌いで検診をサボりがちだった。この検査、もう少し痛みがないようにできないもんかしら)
若い女性技師がぞんざいに私のおっぱいを挟んでいく。縦にも横にも。
しこりがあるのは右胸なのに、左胸も。
痛い痛い。もういいよ。やめてよ。
続いてエコー。これは全然痛くない。けど技師さんが手を止めて機械の画面を注視し、カシャ、と画像を録る音がするたびに、ここが腫瘍なのかな?と不安になる。
検査後少し待たされて医師の診察。この時には医師の見ているデータにマンモとエコーの結果が届いているわけで、確か触診もしたんだったかな。
医師は「うん、怪しいね。でも生検してみないとはっきり言えないので、今から針さして生検とります。麻酔するから痛みはないと思うけど音が大きいのでびっくりしないでね」と。
ガッチャンガッチャンガッチャンと3回。どでかいホチキスを耳元で鳴らされたような大きな音にびっくりしてしまった。そして麻酔したはずなのに痛みもあった。
「先生、痛いです…」と言ったら「ああ、痛かった?ごめんごめん、もう終わったからね。結果は1週間後に聞きにきてください」とのことだった。
その1週間後、夫は出張のため一人で告知を受けた。ああ、やっぱりそうだったんだ、という気持ちと、子宮じゃなくて乳がんだったか~(昔から子宮筋腫や流産など経験しており、子宮の病気ならあり得ると思っていた)という気持ちで半々だった。
医師によると、大きさから見て決して初期の初期ではなく、何年かかけて大きくなっているはず、半年前の人間ドックの時にもすでにあったはずだと思うけど…ということだった。ステージはⅡB、あるいはそれ以上ということだった(ステージに関しては、私が聞かないと教えてくれなかった)。治療も、手術、抗がん剤、放射線治療といろいろあるが、この大きさだとそれら全ての治療をやることになると思う、ということだった。
さっそく、治療を受ける病院を決めてください、ここと、ここと、ここと、ここなら紹介できますし、他にも希望があれば…と医師に言われるも、そんなのすぐに決められるわけもなく。
夫と相談します、と言っていったん持ち帰り。
医師に「がんでしたよ」と告げられても妙に冷静で、ドラマのように泣き崩れる…なんてこともなく、医師の説明を聞きなんなら「スポーツはできますか?」「どのくらいの期間かかりますか?」などと質問までしていた自分だった。出張から帰ってきた夫にも他人事のように説明していた。
しかし、告知後に一度現実を噛みしめて泣いたり不安になることは、必要なことだったのかもと、3か月後の今思う。この時泣かなかった分、今になってメンタルが不安定になっているのかもしれない。わからないけど。
病院の選択とがん保険の話へ続く