いもうと
こんばんは。森田名月(モリタナヅキ)です。
久々の投稿になってしまいました。
ここにきて色々と仕事が立て込んでいます。
今日は、妹について話そうと思います。
私の妹は美大に通っています。
美大。
その響きは、私の憧れでした。
私も小さい時から絵を描くことが好きで、唯一人より優れている点と認識していました。
漫画ハチミツとクローバーの世界に憧れ、自由に表現することに憧れ、美大に進学したいとずっと思っていました。
だけど、結局その道を歩むことはできませんでした。
自分の表現は泉のように湧いてこない、既に枯渇していると思いました。それを生業として生きていくことが現実として全く想像できずに不安に襲われました。
うちにはきっと、美大に通えるお金なんてない。
私は失敗することが大嫌いな子どもでした。
表現者になるだけでは足りなくて、認められる表現者、にならなければ満足できない。安心できない。
これでいいんだと言い聞かせて、保育士になりました。
妹が美大に進学したいと言った時、「4年間かけて果たして社会に貢献できる大人になれるのか」と思いました。
美術スクールに通わせた親に、「どうして妹にはそこまで手をかけるんだ」と思いました。
合格を聞いた時、嬉しくて、悲しくて、悔しかった。
そんな妹が、この春卒業します。
私の予想通り、就活もしないで実家に帰ってくるらしいです。
「バイトしながら制作を続けるんだ」
今、私が妹のことを悪く感じていると思いますか?
実は、今、とても、妹のファンなんです。
おかしいでしょう。
でも、すごく凄く妹が愛しいんです。
卒業製作の解説文。私は県外には行くことはできなかったけど、母から写真が送られてきました。
そこには、人づきあいの苦手な、言葉をうまく使えない妹の苦悩が書かれていました。
『本心が言葉に負ける感覚に陥る』
それを読んだ瞬間、私は涙が止まらなくなってしまって。
私が今まで生きてきて、何度も何度も感じてきたこと。きっとこんな思いをしているのは、私だけなんだと思ってきたこと。
一緒だったの?あなたも。
「私と妹は、家族なんだ」
初めてそう実感しました。
おかしいでしょう。
私、すごくすごく、安心したんです。
何も何も、特別なことじゃないって。
だから私も、また、書こうと思ったんです。
私の苦悩のことを。
早く帰ってきてほしい。
たくさん話したい。
きっと、顔を合わせればまた姉っぽく威張ってしまうまろうけど、許してね。
今日はこの辺で。お休みなさい。